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消費者との協力で三反で生活できる農業モデル作りを
カタログ“2008年6月3週号”
産消循環自給農場べじたぶるはーつ
畑を耕す 己を耕す 人生を耕す
右手に鍬を 左手に種を 心に遊喜を!


●尾崎さんの農場会員、募集中

 大阪府能勢町の山間にある「産消循環自給農場べじたぶるはーつ」代表の尾崎零さんは、有機農業で作ったたいへん素晴らしい多品目の野菜セットを、年額12万円の会費制で、4月を除いた毎週、会員宅に届けています。
 農場のすぐ近くには、息子さんの尾崎形輔さんが経営するオーガニックレストラン「しゃらん・ど・らーは」があります。料理の材料に使うのはもちろんお父さんの零さんの野菜。その料理を食べた人が「尾崎さんの野菜を食べたら、今までの野菜はいったい何だったんだろうと思ってしまった」と感動し、自給農場の会員になるきっかけにもなっています。
 尾崎零さんは「自分が食べたいものしか作らない。おいしくないと届けない」というこだわりを大切にしています。現在、尾崎さんの自給農場の会員は約30軒。まだまだ供給余力があるので、オルターでの会員募集となりました。会員の希望申し込み者の中から、尾崎さんと双方納得の上で、野菜のお届けが始まります。

●消費者も共に担う農場作り

 尾崎零さんは、1985年に結成された大阪府有機農業研究会初代代表、日本有機農業研究会幹事。2006年12月に制定された「有機農業推進法」のロビー活動に奔走したメンバーのお一人。そして、その法律の制定を目指した全国有機農業団体協議会の副代表を歴任。同じ趣旨で2007年11月にオルターも参加して立ち上げた大阪府有機農業生産者懇話会代表です。
 尾崎さんは1972年、それまで勤めていたコンピュータ関係の大企業を卒サラし、農業の道に入られました。管理社会の中で自立というテーマにぶつかったとき、工業経済社会ではそれらを解決できないと見切りをつけ、「生き続けることは食べ続けることであり、そんな大事なものを誰かに任せているわけにはいかない。自分で食べるものは自分で作ろう。そのためには有機農業しかない」と考えたとのこと。まだ有機農業という言葉も一般には知られていなかった時代の話です。
 1978年からたまたま知り合った人を介して現在の能勢の農場「べじたぶるはーつ」で野菜作りを始められました。入植当時はガイドブック片手の素人農業、森林組合の仕事、栗農家の手伝い、しいたけ原木切りのアルバイトもしたことがあります。農業収入で暮らせるようになったのは就農して5年目だったとのこと。現在は年間70品目以上の野菜を栽培する専業農家です。
 当初、「産消提携」という形で始まった野菜の提携形態は、十数年前から、消費者が費用負担し生産者が畑を管理する「自給農場」として運営されています。生産者と消費者が共に担っていく消費者参加型の農場は、会員消費者に開かれています。来るべき食糧危機の時代にも必要な試みであると思います。

●生命を大切にする社会を作ろう

 尾崎さんが有機農業運動を始めたとき、一番大事なことは「生命を大事にする社会を作ろう」ということでした。食べものが高いか安いかではなく、それが自分たちの生命にとってどうなのかという視点から判断していこう、ということでした。
 尾崎さんの心意気は、有機農業で「環境生態系」「安心な食生活」「都市の人々」「生き甲斐と教育」をサポートすることです。大阪YMCAインターナショナルハイスクール客員講師など、幅広く有機農業、食べもの、環境、社会教育に意欲的に活躍中。「畑を耕す 己を耕す 悩みを耕す 夢を耕す 愛を耕す 人生を耕す」「右手に鍬を 左手に種を 心に遊喜を!」という思いを共に分かち合える仲間を求めておられます。

●三反で食える有機農業のビジネスモデル作り

 私とは、尾崎さんが大阪で有機農業に取り組まれたときから運動面で知り合っていましたが、消費者団体を通して野菜を供給するというスタイルをとってこられなかったので、事業面ではなかなか出会ってきませんでした。
 このたびオルターとしては、尾崎さんの自給農場を「農家が三反の経営で食える複合自給農業モデル」として改めて位置づけ、この尾崎さんの提携運動を普遍化させ、尾崎さんのいわば弟子たち、新規就農者が次々とこの「三反で食える農業」に参入していけるように、流通・提携関係を整えようという取り組みをめざしています。そのためには、農家の自給の延長上に共に野菜を食べていくことが、食の安心安全を確立していく基本であることを理解する消費者側の協力が不可欠だと考えています。
 産消循環自給農場の野菜セットを食べて、キラ星のように輝く若い農業者集団を作っていきたいと思います。


べじたぶるはーつ・尾崎さんの自給野菜セット(栽培基準☆☆☆)
◆栽培方法

●防除…農薬は一切使いません。除草も手作業で行なっています。無農薬栽培の工夫はなんといっても適期適作です。種を播く時期、苗を植える時期が適切であることです。土作りや株間の風通しを十分に配慮して病気の予防をしています。水気が問題になる場合はうねを高くしています。それでも害虫が発生したら人力で取り組み、大発生したらスパッとあきらめます。多品目栽培をしているのでリスクが小さいのです。

●肥料…鶏ふん発酵堆肥(※)のみ使用します。尾崎さんは「遠くにある優れた有機肥料より、身近な資源を活用する有機栽培を心掛けていきたい」と考えておられます。購入した有機資材を駆使する有機栽培とは一線を画しています。

※尾崎さんの仲間で、尾崎さんの農場から車で約20分の京都府園部町にある食肉用鶏を飼育している(有)栄光食鳥の須知猛さんの発酵鶏ふん。抗生物質は、生ワクチンに含まれているもの、ヒナの時に使用するもの以外、通常の使用はありません。エサのトウモロコシは非遺伝子組み換えのものにこだわってきましたが、現在の穀物事情で難しくなってきています。米は飼料用種を自家栽培。米ぬかは自家用飯米(うるち米)から。カテキン効果を期待して無農薬のお茶を試験使用。大豆、緑餌(ソルゴー、チモシーなど主として牧草)は輸入もの。その他魚粉、食塩、ビタミン、ミネラルは通常品。鶏ふんは平飼いをしているので、ある程度堆肥化しています。それを小さく山にして切り返しを繰り返した後、発酵槽に入れ、水を加えて発酵させています。

◆セット内容
 端境期となる4月を除いた11ヶ月間、毎週、時期的に野菜の種類が少ないときでも5〜6種類、通常は8〜12種類の多品目の野菜を会員宅に届けます。箕面市、豊中市、池田市、吹田市などは尾崎さんご自身が直接配送します。直接配送が無理な遠方には宅配便で直送します。

◆価格
 年額12万円(消費税込・配送料別)の会費制です。毎月1万円ずつの分割も可能です。支払いはオルターで他の代金と一緒に引き落としされます。

◆問合せ方法
 ご希望の方はメモ、FAX(0721-34-2777)、もしくはメール(info@alter.gr.jp)で、@「尾崎さんの自給野菜セット希望」と明記AコースB会員番号C氏名D購入動機 を書いてお申し込みください。
 供給人数枠に限りがありますので、問合せた方と尾崎さんとで個別に打ち合わせし、双方納得の上で順次、野菜のお届けを始めます。


オーガニックレストラン「しゃらん・ど・らーは」
薪を使った石窯焼きで、尾崎零さんの野菜を使った野菜焼きや天然酵母ピザなどが食べられます。息子さんの尾崎形輔さんの店です。

石窯の輻射熱で調理する
ピザ、野菜は絶品

大阪府豊能郡能勢町倉垣1897
電話:072-737-0412
営業時間:11:00〜15:30(週末は〜16:30)。週末は予約がベターです。 定休日:水・木
交通:能勢電鉄「妙見口駅」から車で20分。車なら大阪方面から阪神高速池田線・池田木部ICへ。国道173号〜国道477号でICから約40分。
設備:駐車場4台。全席禁煙(テラス席は可)。補助犬・車椅子対応可。
ホームページ:http://www.raaha.jp


べじたぶるはーつ 農園見学バスツアー
見学会を「自給野菜セット」申し込みの参考にしてください。

日時:2008年7月22日(火)
集合:大阪駅10:00 費用:4,200円
申し込み方法など詳しくは、今週配布のオルター通信1033号を参照してください。

「しゅらんど・らーは」の昼食付き





尾崎さんの野菜セット
お試し注文の予約を受け付けます。

本番と同じ野菜1セットを3,000円(消費税込・配送料着払い)でお届けします。詳しくはP2をご覧ください。


―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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