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淡水化から穴道湖を守りつづけるヤマトシジミ
カタログ“1999年2月1週”
  不必要な河口堰、ダムなどを作って税金を喰いものにする土建行政が全国いたるところで往行し、大切な自然や住民の生活の場を奪っています。宍道湖中海を水門で閉め切り、淡水化する計画がもち上がったのは1959年でした。淡水化はヤマトシジミの絶滅を招きます。ここの漁師は半農半漁で生活していますので、その生活の場が奪われます。また日本のシジミはその6割が宍道湖のシジミ(2割は輸入)であり、このヤマトシジミを失うことは日本人の食べているシジミを失うことにもなります。この他にも湖の汚染、魚と海藻の喪失、洪水、地盤沈下、地下水枯れにもつながります。これに対し、漁民、住民らが反対運動を続け、ついに1988年工事の無期延期を勝ち取りました。しかし、その後も島根県は再開をねらっています。今も宍道湖を取り戻す運動が続けられているのです。この運動の象徴として、10年前より「しじみネットワーク」(西村敏事務局長)が活動を続けています。都会に住むものもシジミを通して、宍道湖と身近な関係を作り、ともに、台所の安全と宍道湖の生態系を守っていこうという理念です。宍道湖のヤマトシジミを食べ続けて守ることは、宍道湖周辺の環境を守ることにつながっているのです。

片足で舵を操りながらの、何ともアクロバット的なしじみ漁〈機械掘り〉を見せてくれた荘原出荷組合の組合長、原俊雄さん。
≪ 宍道湖のシジミがおいしいわけ ≫
 宍道湖のヤマトシジミがおいしい最大の理由は、斐伊川の淡水と中海からの海水が混じる汽水域で生息していることです。そのため浸透圧の関係で、汽水域の塩分濃度と同じように、シジミの体液濃度を保つ必要があるので、うまみ成分が濃くなり、真水で育つセタシジミやマシジミと比べておいしいのです。
  宍道湖のヤマトシジミは5〜7月頃産卵し、卵は潮の流れで浮遊し、湖の全域へ拡がり、貝殻ができてくると、その重みでその場に沈み、大きくなっていき、約3年で成貝となります。黒色の泥地のシジミと、茶色の砂地のシジミがあり、また貝殻のつながっているところがピンク色に染まったものは「口紅シジミ」といって喜ばれます。産卵の5〜7月が一年中で身もふっくらしてもっともおいしく(土用しじみ)、その次は冬ごもりのために栄養をたくわえる寒い時期(寒しじみ)がおいしいとされます。シジミは昔から肝臓病の妙薬としても人々に愛されてきました。
  しじみネットワークでは宍道湖の全域から(5つの地域を順番にまわりながら)湖を愛し、湖と生死を共にして生きてこられた漁師さんたちより直接しじみをいただいています。

< 注意 >
・7月中旬〜9月中旬は暑さのためお休みとなります。
・年始は保護期間のためお休み。
・また風が強く吹くとしじみ舟が出れず中止となることがあります。
 雨、雪では影響はありません。

※これまで扱ってきた宍道湖産シジミは泥くさいというクレームやおいしくないというクレームがあり、取扱いは今回より中止し、出所のはっきりした「しじみネットワーク」のシジミに切替えます。

宍道湖大和しじみ
パンフ 「シジミをおいしく食べましょう」
■宍道湖のヤマトシジミのニセモノの横行
 このしじみネットワークの活動に悪のりして「宍道湖産ヤマトシジミ」と名付けられたわけのわからないシジミが横行しています。また市場で宍道湖産とあっても、宍道湖のシジミ漁が不安定なときは、輸入もの(主として韓国産)を宍道湖産として売っているのも日常的とのことです。また店頭で水につけた状態で売っているシジミがありますが、味が失われてしまっておいしくありません。
◎届いたシジミはもう一度選別して下さい。
 年に1〜2回「炊いたら黒い汁が出てきた!」ということがあるそうです。これはガボといって泥をかんだまま殻の口を固く閉ざしたまま死んでいるシジミが混ざっていたため、その泥がみそ汁を汚すためです。漁師さんはガボは殻のつや(光沢がなくなっている)などで、すぐ見分けられるので選別されていますが、たまに見落としがあるためだそうです。

●冬場のしじみの砂出し
 汽水域のヤマトシジミですので、真水だとうまみが逃げてしまいます。
 少し塩を入れて、海水濃度の1/3くらいにしておくのがコツです。
 冷たい水だと砂をはくのに時間がかかりますので、15〜20℃くらいでして下さい。


   ―文責 西川栄郎―

「干拓堤防開削の要求を国に!」署名活動にご協力下さい。 
通信828号記事  をご覧下さい。



参考記事:『たくさんの署名、ありがとう。今1歩です。』通信834号記事 

このたびは干拓堤防開削についての国への要請署名をお願いいたしましたところ、ご協力をいただき、本当にありがとうございました。 ...  
 この署名は六月一杯まで続けて、その後、農水省に提出する予定にしています。
 もとの美しい中海・穴道湖を取り戻せるよう、最後まで頑張って参りたいと存じます。
 今後ともなにかとお願いすることもあろうかと存じますが、何卒、よろしくお願い申し上げます。

 しじみネットワーク 代表 西村敏(松江市議)


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