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鎮痛剤が原因で流産 
通信858号資料記事
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『バイオ21』No.160(2004.12. 8)より転載
 http://biokagaku.com/bio21/

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 妊娠中にアスピリンや非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs、NSAIDs)を使用すると流産のリスクが80パーセント高まることが新しい研究から判明した。 
 NSAIDsやアスピリンは先進国で広く使われているが、 その思いがけない効果は重大な結果をもたらすかもしれない。 妊婦が鎮痛剤をしばしば使用するので、米国カリフォルニア州オークランドにあるカイザー財団研究所の研究者達はNSAIDsの使用と流産のリスクとの間に関連性があるかどうか調査した。
 1996年から1998年まで、妊娠テストによって妊娠が確認されたすぐ後で、研究者達は妊婦1,055人にインタビューした。 研究者達は妊娠した後の薬剤の使用(NSAIDs、アスピリン、アセトアミノフェン)や妊娠歴や流産や流産のリスク要因や社会的背景の特徴について妊婦達に尋ねた。
 インタビューから、受胎期あるいは妊娠中にNSAIDsを使った女性53人(5%)とアスピリンを使った女性22人と (薬理学的にNSAIDsやアスピリンと異なる)アセトアミノフェンを使った女性172人が見つかった。
 そして、妊娠中にNSAIDs を使用した女性は鎮痛剤を服用しなかった女性と比較して流産のリスクが80%高まったことが、アルコール(お酒)やコーヒーや喫煙のような潜在的な混在変数を調整した後に発見された。
 このような関連は、特にNSAIDs が受胎期に服用されたか、あるいは1週間以上使われたとき強かった。アスピリンは同様に流産のリスクを増やしたが、しかし、アセトアミノフェンはそのタイミングや使用期間にかかわらず流産のリスクを高めなかった。
 NSAIDs とアスピリンはプロスタグランジン(子宮に受精卵を着床させるのに必要な脂肪酸)の生合成を抑制する。それと対照的に、「アセトアミノフェンは中枢神経系にだけ作用するので流産のリスクに対する効果はない」と研究者達が説明している。 
 これらの研究結果は他の科学者達によって確証される必要があるが、妊娠しようとする女性は受胎期にNSAIDsやアスピリンを使わないようにすることが賢明であろう。
 
Reference: 
De-Kun Li et al., Exposure to non-steroidal anti-inflammatory drugs during pregnancy and risk of miscarriage:population based cohort study, BMJ, Vol. 327, pp368−71


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