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オール露地の旬野菜 すずきファーム
カタログ“2001年7月3週”
 すずきファームの野菜もおいしいと評判です。すずきファームは、鈴木栄さんと中井英人さんの2人が中心です。2人とも関西の有機農業の草分け、久門太郎兵衛さんの主宰する天地農場のスタッフでした。
鈴木さんはもともと農家の三男坊。農業大学を卒業し、実際に農業にも従事し、さらに天地農場スタッフを経て現在に至っておられます。中井さんは精華大学に在学中、「使いすて時代を考える会(京都)」の槌田劭先生との出会いで、天地農場のスタッフとなり、現在へ。
 すずきファームでは、現在約2haの畑で栽培していますが、もう少し広い畑にしようと考えておられます。オルターが構想している三重県の生産者ネットワークの中心的存在です。
 庭にはポニーやガチョウ、鶏も飼っています。近く見学会を計画しますが、子供達がきっと大喜びすることでしょう。
鈴木栄さん(左)・中井英人さん(右)
『すずきファーム』
◆栽培品目…野菜全般

●栽培方法
 なんといってもすべて露地栽培なのはたいしたものです。必然的に旬の野菜しか出荷しません。
●無農薬栽培 
 農薬を使うという観念は初めからありません。無農薬の工夫は少量多品目でリスクを回避していることです。畑の周囲には森などがあり、害虫も天敵に囲まれています。また防虫ネットで、カラスや虫を防いでいます。
●肥料 
 肥料は、ボカシ(米ヌカ、自家製鶏糞)、放線有機(血、肉、骨など動物性のものを、放線菌など微生物を使って発酵したもの)、乾燥鶏糞(購入)、草木カリ(パームやし)などです。
 肥料の質をレベルアップしていくことが課題として残っていると思います。
●水
 青蓮寺湖(ダム湖)からの水源の水を使っています。
オルター視察風景
『すずきファームからのお手紙』
1.ねがい 
 有機農業という言葉が広く認知される様になって久しくなります。たくさんの人々が本当に良いもの、安全な食べものを必要としており、その声は年々大きくなってきているように感じます。
 土が、水が、光が、空気が植物を育て、私達人間は、それを食べることで生きていきます。百姓はそういった自然と共に生き、時に対立して打ちひしがれながら、常に会話し、その営みの手助けをして農作物という恩恵を賜っています。そして、より良い食べものを求める人がいる時、彼らに代わって「自然」に働きかけ、そうして得た恩恵をお分けして喜んでもらうことが、私達百姓の喜びであり、「農業」であると考えています。「消費者」と「生産者」の基本的な関係はそうした姿なのだと、決してお金のやりとりで結ばれるだけのものではないのだと信じています。
 私達は、「有機」とか「無農薬・無化学肥料」とか外側のナマエに執着するのではなく、その作物を媒介にして生産者と消費者、生産者と流通という枠組みを超えた関係を築いていけたら、と願っています。
 これまで消費者であった人が、供給された食材で何か加工食品を創造することで、新たな生産者となっていってもらいたいと願います。例えば、小麦からケーキやパンをつくって、他の人々にも分けてあげたいと思うとき、この新しい生産者が、仲間のつながりとなって、私達の関係をより豊かなものにしてくれることもあるでしょう。また、自ら農を体験することで生産の喜びを共有することもあるでしょう。みんなが消費者であり、みんなが生産者であることが望ましいのではないかと私達は考えています。
 そして、これからの農業を考えたときに、生産者についても、個々の農家がそれぞれに出荷するという形から、同じ地域の生産者同志で情報交換し、出荷体制をつくり、仲間となって互いに活力を分け合う様な深い関係を築いていきたいと考えています。
 あらゆる基本として、誰かを排除していくのではなく、どんな形にしろ少しでもつながりを保ち、お互いに協力できる「場」としての農場・農法をつくりあげていきたいというのが、私達の願いです。どうか、みなさんの声をきかせてほしい。見に来てほしい。それが私達の次の活力となっていくからです。交信し、会話し、表情を確かめ合いながら、信頼をつちかっていけたら、本当に幸いなことだと思います。
2.基本理念
・「生き方」としての百姓を考えていくこと。百姓であることは、農業を通じて大地と共
  に生きること(生産物は、その「生き方」のあらわれであり、大切な結晶である)。
・ひとりでは越えられない厳しい状況を乗り切っていくために、農家という個人の単位
  から脱皮し、仲間のつながりによって百姓をすること。それぞれのもつアンテナに
  よって互いの視野を広げ、アイデアを出し合い、新しい試みに挑んでいくこと。
・白樫・月ヶ瀬の地区において、農の活性化に寄与できるように、他の生産者との関係を
  大切にしていくこと。また、出荷先とも、共に発展していけるよう、密な関係を築いて
  いくこと。
・生産物を媒介にした消費者とのつながりの中で、農や社会のあり方を、共に考え、少し
  でも良い方向に変えていくよう、共に道を捜すこと。
・良い作物をつくること。技術や品質の向上を追求し、よい土をつくる研究を行う。
  最新の農法から、古い古いやり方まで、良いと思えるものを探求していくこと。
・百姓を楽しむこと。
3.経営内容及び経営目標
 畑・水田・果樹・家畜(主に鶏)及び、その生産物の加工といった
 有畜複合経営を目指し、自分達の生活の延長上に出荷を考えたい。

 ●耕作地
  現在200aを賃借中。年次を追って少しずつ耕作面積を増やす予定。
 また、土地の 購入も視野に入れた耕作計画を検討中。
 ●畑作
 ・人参、じゃが芋、玉ねぎ、ねぎ、キャベツ、大豆などスタンダードで、
 消費者に好まれる野菜を中心に作付ける。
 他に、ごぼう、里芋、さつま芋、大根、白菜、小松菜、ほうれん草、
 豆類、麦類、果菜類も作付け、出荷先の声に応えていきたい。
 ・畑の土づくり、輪作という観点も取り入れ、
 緑肥や花、ハーブなども栽培したい。
 ・新しいものや、これまで作ったことのないものも、実験的に栽培していきたい。
 ●稲作
 ・農の基本として、ワラの自給という点からも稲作に取組みたい。
 当面は自給用として20a程度を始める予定です。
 ●養鶏
 ・鶏舎は、100羽用×4室を賃借。
 本年度、採卵用100羽、肉用200羽を飼育し出荷。
 ●果樹
 ・自給用として、梅、柿、栗、山椒、ユズ、月桂樹などを徐々に植付けていきたい。
 ●加工
 ・農場産の材料を使い、加工する。漬物、みそ、パン、ジャム、梅干、
 スモークチキンなど。
 ・将来的には出荷することを視野に入れて、食肉加工や調理の免許を取得し、
 加工場も整備して、上記の加工品の他、季節野菜のそうざいや、
 カレーといった親しみやすい調理品を提供していきたい。


   ―文責 西川栄郎―


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