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医療現場からの警告45 【家族を危険にさらすタバコの副流煙】
通信865号資料記事
食品と薯らしの安全No.190 2005.2.1 発行より転載

タバコの害は、喫煙者本人だけでなく、
周りにいる人の健康を害し、寿命を縮めています。
タパコの煙が部屋の中にただよっていると、
子どものぜんそくのリスクは、4倍も高くなります。
 タバコのタールにはベンツピレンやニトロソアミンなど、知られているだけで9種類の発ガン物質が含まれていますが、フィルターを使っても半分しか除去できません。
 また、タバコの煙には4000種の化学物質と200種類の有害物質が含まれています。粒子成分としてニコチンやタールなど、ガス成分として一酸化炭素や二酸化炭素。さらに、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、ベンゼンン、トルエンなどの揮発性有機化合物(VOC〉が含まれています。
 しかも、喫煙者が吸い込む主流煙よりもタバコの先端から出る副流煙の方に有害物質は多く含まれ、家具や寝具、カーテン、壁紙を汚して、臭いは容易に除去できません。
■ タバコを止めて湿疹が治った
 21歳のS君は18歳からひきこもり状態です。酒とタバコが手放せません。ひきこもり始めてから顔とひじ、ひざに湿疹が出ていました。軟膏を塗っても改善傾向はありません。いろいろ話し合った結果、カーテンが大変汚れていることがわかり、新品に取り替え、タバコも減らしました。すると、まもなく湿疹は消えていました。現在、治療のための軟膏はまったく必要ありません。
 タバコの副流煙がカーテン生地に染み込んで部屋の空気が汚染され、カーテンなどの家具にも臭いが染み付いていたと思われます。
 S君は喫煙者の例ですが、受動喫煙した(副流煙を吸った)子どもが、ぜんそくや湿疹が悪化することは十分想像できます。タバコがぜんそくを悪化させる原因は、VOCと考えられます。
 小児のぜんそくと家庭内でのVOC濃度との関係を調べた研究では、家庭内のVOC濃度がぜんそく群はぜんそくのない群に比べ有意に高く、総VOC濃度が60μg/m3以上の環境にいる小児は、より低濃度の群に比べぜんそくを発生するリスクが4倍も高かったのです。
 化合物の中でぜんそく発症のリスクが高いのは、ベンゼン、エチルベンゼン、トル工ンです。なかでもトルエンとベンゼンの場合は、濃度が10μg/m3上昇するごとに、ぜんそくのリスクがそれぞれ2倍、3倍に上昇しました。
 また、ぜんそく発症はホルムアルデヒドより総VOCと強い相関関係があるという報告もあります。
 タバコを気密性の高い室内で吸うと−時的な室内空気の汚染だけでなく、壁やカーテンを汚染して長期間健康を害します。
 英国の医師3万5千人を対象にした50年にわたる調査によると、タバコを吸う人は10年寿命が短いのです。しかし30歳で禁煙すると、10年寿命が伸びるので、タバコの害は帳消しになるそうです。禁煙はなるべく早くしましょう。

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