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GM対応除草剤が及ぼす子どもの脳への影響
通信845号資料記事
バイオジャーナル2004年9月号記事<今月の潮流>より転載

 除草剤耐性遺伝子組み換え作物に用いられる除草剤が子どもの脳に影響することが指摘された。
 東京都神経科学総合研究所の黒田洋一郎は最近の子どもによる殺人事件に触れて、化学物質が子どもの脳に及ぼす影響について論述(『科学』2004年8月号)した。その中で、帝京大学の藤井儔子(ともこ)が10年前に行った動物実験を紹介している。
 それによると、GM作物に対応する除草剤の主成分「グルホシネート」を投与されたラットが、噛みつくなど攻撃性を持つことが示された。また投与した母親から生まれた仔ラットも、尾を傷つけるなど異常な行動を示した。高用量を投与した親から生まれた、通常は噛みつくことのない雌の仔ラットも凶暴になり、ラット同士で噛みつきあい、ついには片方が殺されるものまで出た。
 グルホシネートは除草剤「バスタ」の主成分だが、除草剤「ラウンドアップ」の主成分「グリホサート」も類似の構造をしていると黒田は指摘し、GM作物が登場して以降、これらの除草剤が残留する作物が広範に流通しており、「子どもの健康を考える人にとって、これらの除草剤は要注意である」と締めくくっている。
●北米事情 「アグリビジネスに乗っ取られた米農務省」
 7月23日、米農務省の規制政策にかかわる主要ポストが、すべてアグリビジネスに乗っ取られたという報告書が発表された。発表したのは、家族経営の農家や市民団体などがつくっている  The Agribusiness Accountability
 Initiative(略称AAI)で、いまや農務省の高級官僚に市民の利益代表者はおらず、モンサント社とかかわりの深いアン・ベネマン農務長官を筆頭に、首席補佐、副補佐、議会関係補佐などすべて、アグリビジネスの利益代表者で占められている、と述べている。
●BSE 「輸血で人から人へvCJD感染」 
 変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)は牛から人間に感染して起きるが、輸血によって人から人に感染した症例を確認した、と7月22日英国保健省が発表した。今回のケースは、vCJD患者から輸血されて別の病気で亡くなった患者で、すでに昨年12月に輸血によるvCJD感染の可能性を示唆する症例が見つかっていたことから、脾臓を分析して確認された。今後、輸血規制の強化が図られる。すでに水面下で感染者が拡大している可能性もあり、BSE問題は新たな局面を迎えた。   〔ガーディアン2004/7/23〕

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