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会員からの問い合わせ 2歳以下の乳幼児について防衛ラインは?
オルター通信1230号 記事
Q. I043 T.Oさん
 生後4ヶ月(1歳まで離乳食は与えず完全母乳で行きたいと思っています)と2歳の子をもつ二児の母です。入会して2年になりますが、オルター会員であることを感謝しない日はありません。
 さっそくですが、2歳以下の乳幼児について防衛ラインは0.1ベクレルであるべきとのことですが、具体的にどのような食品、産地、食べる頻度、料理法etcに気をつければそのラインに近い食生活が送られるのか、真剣に教わりたくてメール致しました。
 推奨されるもの、逆に避けるべきもの、頻度さえ気をつければよいレベルのものであればどのくらいならOKなのか、などをはじめ、どのようなことでも結構ですので、具体的に色々教えて頂ければ大変嬉しいです。
 ちなみに、私と子供は薄味の和食が好きで、野菜・きのこ・海草・魚(小魚も含む)・納豆・味噌汁・果物が大好きで今までよく食べておりました。お肉も好きですが、たまに食べる程度に抑えていました。
 健康や母乳によいと思って行っていたこれらの食生活ですが、前回のQ&Aにありましたように、きのこや柑橘類は放射能を蓄積しやすいと知って愕然とし、魚も食べ過ぎていたかもと不安になりました。
 1ベクレルに近づくための食生活を学んで、すぐ実践したいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。


A. (代表)
 国際放射線防護委員会ICRPは、かつて1万人シーベルト(1万人の被曝合計が1シーベルト)でがん死100としていました。それを根拠に日本政府は輸入品などで 370Bq/Kgという規制ラインを設定していました。しかし、その後このICRPの推定値は甘すぎるという専門家たちの批判が出て、現在ICRPは1万人シーベルト500となりました。
 したがって370Bq/Kg×100/500=74Bq/KgがICRPの数字を根拠とする日本政府にとって整合性のある数字ということになります。4月から日本政府は基準値として 100Bq/Kgを設定しますので、事故後の 500Bq/Kgよりは少しましにはなりました。
 オルターではこのICRPの基準自体、真実を歪めた甘い数字だと考えています。広島・長崎の被害を実際に調査したアメリカの医師、ジョン・W・ゴフマン博士の1万人シーベルト4000人という数字がより真実に近い推定値と考え、オルターではそれを採用しています。
 したがって370Bq/Kg×100/4000=9.25Bq/Kg がより適切な規制であるべきと考えています。ドイツの放射線防護協会が 大人8Bq/Kg、こども4Bq/Kgの方が日本政府の基準より、より適切だといえます。
 放射線被曝の感受性は、こどもは大人の10倍、幼児(2才以下)と妊婦100倍です。これを単純に基準に盛り込むことは難しいことですが、いのちの立場に基づいてより安全を確保することを考慮すれば、こどもの基準9.25÷10=0.925≒1Bq/Kgとして、オルターは1Bq/Kgを防衛ラインとし、行動しています。実際の食卓で大人とこどもの食事を別々にすることは難しいからでもあります。
 そういう意味からすると、幼児や妊婦、授乳中の方は1Bq/Kgのさらに1/10である0.1Bq/Kgが望ましいと考えます。しかし、現実の放射能測定では1Bq/Kgで行うのも難しいくらいで、0.1Bq/Kgというのはいまのところ市民団体レベルでは測定できる体制にはありません。
 福島原発事故の前の日本列島の放射能汚染レベルは0.1Bq/Kg程度でした。チェルノブイリ原発事故や、かつて地球上で行われた24000発の核実験による影響があるからでした。
 すなわち事故前の汚染レベルにとどまっている食べものを選べば0.1Bq/Kgは可能だということになります。
 福島原発による大気中からの放射能汚染はわかっているだけでも地球を3周しています。したがって厳密にいえば北半球に汚染しなかったものはないと言えますが、それら地球を回ったものは、現実的には無視できるレベルのものであり、また気にしても意味のない地球規模の汚染です。
 したがって0.1Bqレベルを問題とするなら、気にすべき放射能は福島原発から直接的に届いたもので、危険性が比較的高いと考えられる 福島、宮城、茨城、栃木、群馬、注意を払うべき 岩手 (南部)、山形、千葉、埼玉、東京、さらに油断できない 岩手(北部)、新潟、長野、神奈川、静岡、愛知 (東部)、さらにその周辺 青森、秋田、山梨、愛知 (西部)、岐阜の一部、などがマークすべき地域と考えられます。
 これらの地域では1Bq/Kg以下であっても必ずしも0.1Bq/Kg以下かどうかはわかりません。一方、原則として、北海道、富山、石川、福井その他、西日本は安心してよいと考えます。
 もちろん地形や気象によってはホットスポットができたり、逆に全く汚染のないところもできますので、必ずしも県単位だけで判断できないことは前提です。防衛ライン1Bq/Kgではありますが全品検査へ向け、オルターとして努力を続け、より汚染の実態を正確に把握していきたいと考えています。


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