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有機生芋100%木灰こんにゃく登場します 中尾食品(1)
カタログ“2005年2月3週”
有機生芋100%木灰こんにゃく登場します 中尾食品(1)
 中尾食品では、現在オルターへは特別栽培(農薬、化学肥料不使用)の生芋100%で、凝固剤として昔ながらの木灰を使ったこんにゃくを製造していただいています。
 一方、一般向けに有機栽培の生芋とこんにゃくマンナン粉末(有機)に、凝固剤としてホタテ貝殻カルシウムを使った有機こんにゃくも製造されています。そこで、このたびオルターに対し、有機栽培の生芋だけを原料に、こんにゃく粉末を使わず、また木灰で凝固させる究極のこんにゃくを製造していただけることになりました。
 堺市にある中尾食品の、中尾康司社長は3代目です。中尾食品の営業担当者がオルターを訪問されたのが、お付き合いの始まりでした。
中尾康司社長
 中尾食品では、機械で大量生産する一般市販タイプのこんにゃくが主流で、一部で消費者団体向けの生芋使用のこんにゃくも造っておられました。そこで、オルターで扱うためには、国産のこんにゃく芋の生芋(出来れば農薬不使用のもの)を原料にすること、凝固剤として水酸化カルシウムなどの薬品を使わず、昔ながらの木灰で固めることを提案しました。このオルターの提案を承諾していただき、何度も試作を繰り返して、農薬不使用生芋100%木灰こんにゃくの製造が始まりました。
 その後、農薬不使用の生芋の確保に苦労されたり、より高い技術で造るための改良を繰り返してこられました。
 中尾康司社長は、木灰こんにゃくがこんなに素晴らしいとは思わなかった。自然のもので自然のものを固めるという単純なことで、薬品で固めた場合にはどうしても避けられないこんにゃく臭のない、これほど風味に優れたこんにゃくが作れるとは、と素直に驚かれています。昔ながらの本物のこんにゃくは、こんなにおいしいものだったという感想をお持ちです。
 生芋100%でおいしいこんにゃくを安定して作るために、自社で生芋から粘り成分のこんにゃくマンナンを取り出す(たいへん手間のかかる方法なのですが)、中尾食品独特の方法も開発なさいました。また、工場からオルターに指摘されたプラスチックやアルミなど有害な材質の機械や容器を排除するために、機械屋でもある中尾さんご自身の手造りで、ステンレス製の機械や容器を製作してきました。
 若い頃、機械化したこんにゃく作りをしている大手のこんにゃくメーカーで働いた経験が役立っています。いい製品を作るのには、いい道具が必要なのです。モノ作りの基本は、道具作りだと考えておられます。
 中尾さんは、いつも現場に入り開発に取組んでいらっしゃいますので、トラブルやクレームが発生したときの対応、解決能力、スピーディーさは素晴らしいものがあります。
 中尾さんは、オルターの提案を受けてこんにゃく造りをして本当によかった、またイベントなどで会員の声を直接聞けて、たいへん励みになったと喜んでいらっしゃいます。
 食べてくれる人たちの顔が見える製品作り、信頼、信用の大切さがよく分かる、真面目にコツコツと仕事をしていくことが大切だと語っておられます。
 世間の人たちが中尾食品のこんにゃくを今以上に認めるのは、もはや時間の問題ではないでしょうか。

中尾食品の有機生芋100%木灰こんにゃく(板こんにゃく)
◇原料
・こんにゃく芋
 有機栽培(★★)の場合
  赤城自然栽培組合(竹内敏昭組合長、組合員24名)
  有機認定JONA
 特別栽培(農薬不使用、化学肥料不使用)(☆☆)の場合
  下仁田蒟蒻有機栽培グループ(代表  広沢充、他4名)
・木灰
 鰹ャ井土蒟蒻
 原料:ナラ、クヌギ、ミズナラ、ケヤキ、クワ、その他広葉樹
・ホタテ貝殻焼成カルシウム
 木灰こんにゃくの凝固を安定させるため、少量のホタテ貝殻焼成カルシウムを補っています。
竹内敏昭さん
広沢充さん
◇製造工程(工場は有機JAS認定工場です。)
@こんにゃく芋を芋洗い機で洗浄。土、根、小石などを除去する。
Aこんにゃく芋をミキサーで粗く切る。
Bセラミックの特殊なミクロナイザーで、さらに細かくすりおろす。
Cこれをメッシュ上で水をかけ、でんぷんを除き、粘り成分のこんにゃくマンナンを取る。
DAで作った生いもこんにゃくの細かくすったものと、Cで作った粘り成分をミキシング容器に入れ、混合する。
 これで引きのよい粘りのあるものが出来る。この工程はたいへん手間がかかっていますが、中尾食品独自の生芋100%こんにゃく作りのポイントです。
Eホッパーに入れ、こんにゃくの仕上がりがプリン プリンになるよう、2〜3時間熟成する。
F捻り機に入れ、木灰と少量のホタテ貝殻カルシウムを調合する。
G型に入れ、ボイル槽につけ、トロ火(75℃くらい)で12時間煮る。
H冷やしてから大きめに切り、3〜4時間熟成させ、さらに1丁の大きさに切る。
I袋詰めする。
 工程で使用する水は、井戸水に電子をチャージした活性水を使っています。これもおいしいこんにゃく作りのポイントです。また活性水のおかげで、工場はくさい臭いがありません。製造工程に使う容器、機械はステンレスで作られており、中尾さんが工夫したり、手作りしたものです。

こんにゃく洗浄
型入れ
市販のこんにゃくの問題点
 市販のこんにゃくで生芋を100%どころか、一部でも使っていることは皆無に近いでしょう。こんにゃく芋から作ったマンナン粉を溶かし、水酸化カルシウムで凝固させたものが一般的です。
 これをこんにゃくらしく見せるために海藻粉末が添加され、黒く着色されています。どんな海藻が使われているか、わかったものではありません。
 水酸化カルシウムで作ったこんにゃくもどきは、どうしても石灰臭があり、これをこんにゃくらしいと勘違いしている人も多いはずです。マンナン粉や、薄く切って干したこんにゃくなどには、その乾燥中に亜硫酸ガスなどが触れています。そのために漂白され、白くなっています。
 それほど多くはないと思いますが、ひどい場合には粗悪な粉末寒天で増量しているものさえあります。
 かくして、形や色は昔ながらのこんにゃくには似ていても、風味や安全性において、昔のこんにゃくとは似ても似つかない、まずいこんにゃくもどきが出来上がり、たいへん安く売られています。


          −文責 西川栄郎−


煮る工程
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