通信販売の法規(特定商取引に関する法)に基づく表示

渡辺雄二氏講演会
オルター通信1042号 記事
〜ヤマザキパンはなぜカビないか〜
安全食品連絡会 お知らせNo590より転載(抜粋)

2008.6.4 pm1:30〜4:30 
神戸クリスタルタワー6F 
ひょうごボランタリプラザにて




山崎製パンが臭素酸カリウムを使い始めた!
 2004年6月、パン業界の最大手であり、日本で最大級の食品会社であるヤマザキが「国産小麦食パン」と「サンロイヤルファインアローマ」に臭素酸カリウムを使い始めた。日本中に浸透しているヤマザキパンに使われたことに驚きを覚えた。その影響力は大きい。
 週刊金曜日2004年10月8日号の記事「新・買ってはいけない」に取り上げられた。


臭素酸カリウムをめぐる激しいバトル
 1976年、旧厚生省が臭素酸カリウムに変異原性があると発表(変異原性とは遺伝子を突然変異させたり、染色体を切断したりする、などの作用をもつこと)。消費者団体は厚生省に臭素酸カリウムの使用禁止を求め、学校給食のパンにも臭素酸カリウムが使われていたので、PTAの母親たちも禁止を求めた。
 それに対し、厚生省は「変異原性だけでは使用禁止できない」と拒否。消費者団体と母親たちはなおも反対した。 1980年大手パン業界が反対に折れて臭素酸カリウムの使用を自粛、中小のメーカーもそれにならった。その後、動物実験で、臭素酸カリウムの発ガン性が確認され、1992年、FAO(国連食料農業機関)とWHO(世界保健機関)の合同食品添加物専門家会議が「臭素酸カリウムを小麦粉改良剤として使用するのは不適当」と結論を出した。
 しかし、厚生省はパン業界に使用自粛を求めただけで、完全禁止をしなかった。
 ヤマザキは臭素酸カリウムの残留が0.5ppb以下であることを確認する技術を開発して、2004年6月から使い始めた。1ppmとは、100万分の1を表わす濃度の単位で、ppbはその1000分の1。「0.5ppb以下を確認できれば使用してよい(厚生省)」が、25工場で生産されるパンが全部0.5ppb以下ということがいえるのか、偏在は無いのか、人為的ミスは無いのか。嫌なら食べなければよいが、外食すれば知らずに食べてしまうこともある。消費者心理も考えて欲しい。また、表示では「臭素酸カリウム」が何なのかわからない。発ガン性があることもきちんと書くべきだ。だから本を出して問うた。タイトルに「ヤマザキ」を出さざるを得なかった。しかし、残念ながら消費者の反応は鈍い。
 ヤマザキは柔らかいパンを消費者が好むと思い込んでいないか。フランスのパンは硬いが、噛めば噛むほど味わい深く美味しい。また、敷島製パン(パスコ)は逆路線で、「超熟」には添加物は使っていない。


臭素酸カリウムの毒性
 ラットに臭素酸カリウムを飲料水に混ぜて投与する実験で、発ガン性がわかった。投与実験は普通0.1%、5%で行うが、0.025%(250ppm)、および0.05%で、腎臓腫瘍、腹膜中皮腫(ガン)になった。
 AF2(合成殺菌料)より強い発ガン性と考えられる。さらに、赤血球を壊し、脾臓が腫れ、尿が出なくなることも。人間の場合、10〜15gで危険な状態になる。 
(後略)


ヤマザキとの消費者側の対話集会報告
2008.7.23 安食連主催 
神戸クリスタルタワー6F 
ひょうごボランタリプラザ
 
 ヤマザキの研究部から3名の研究者が出席して、「臭素酸カリは安全」との説明のあと、私たち消費者側との討論会を持ちました。詳しい報告は後日のこととして、結論的に言えば、ヤマザキの研究者には「臭素酸カリが毒性の強い化学物質であることの自覚が全くなかったこと」「その分解物から発生するかもしれない臭素ダイオキシンや他の臭化物の毒性に対する認識が全くないこと」などが明らかになりました。「これから勉強します」との回答でしたが、この程度のメーカーが、日本のパン業界でシェアが1位だとは驚きです。そして、すでに追放されたはずの毒性の強い化学物質をまたぞろパンに入れて、消費者に食べさせ続けていることはたいへん問題です。ヤマザキパンを食べている人を見つけたら、たいへん危険であることを教えてあげましょう! 

 (代表)


戻る