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怖いコンビニ弁当 豚にも被害
オルター通信1045号 記事
 2005年夏、福岡県の「西日本新聞」の記者が、神戸港見学に来ました。見学案内後の懇談の席で『食卓の向こう側』(西日本新聞社)というブックレットをいただきました。いろいろな事件が紹介されていました。その中から、一つ紹介します。
 福岡県のある養豚農家で、豚がお産をしますが、次から次と死産が続きます。本来は透明であるはずの羊水がコーヒー色に濁っている。やっと生まれたと思っても、奇形であったり虚弱体質で育たない。その農家の人は、エサが原因だとすぐに気づいたそうです。そしてもとのエサに戻していったら、次第にお産も正常に戻っていったのです。 そのころ養豚農家の人は、豚のエサにコンビニで売れ残った賞味期限の切れた弁当やおにぎりを与えていました。
 本来、賞味期限が切れると業者に頼んで廃棄処分にします。そのためには手数料が取られますから、もったいないというので養豚農家に回していたのです。農家の方も、これで1ヶ月20万円ぐらいエサ代が助かるということで、使っていたのです。子豚に与えると肉質にむらができるので、親豚に与えました。一日に3kgほど与えていました。その結果、予期しないことが起こってしまいました。25頭の母豚が被害を受けて、本来生まれてくるはずの250頭の子豚がフイになってしまいました。
 一般的にコンビニのお弁当は、高脂質で、味が濃く、野菜が少ないのが特徴です。食べ物は腐るという自然の摂理から逃れるために、コンビニのお弁当には腐らないように人間が特別に手を加えています。家庭では使わない、見たこともない、名前も知らない、多量の添加物が使われています。 そのため、こうしたことが起こってしまったのです。私たちの子どもや孫たちが、こういうものを食べ続けると、どういうことになるかを暗示しています。コンビニ弁当などが、子どもたちの食事としてふさわしいものかどうか、豚が教えてくれているように思います。

  初出(検証「港から見た 食と農」
  柳澤尚著 クリエイツかもがわ発行)

  (安食連「お知らせ」No.590より転載)


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