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おいしくて、日持ちがして、 病気に強い作物作り
カタログ2013年6月4週号
農薬、化学肥料を使いません。
◆肥料の過剰投入のみならず、放射能汚染にも気をつけています。
 徳島県阿波市市場町のヤマサ有機農園の楠 正人代表は、農薬、化学肥料を使わず、米、野菜(トマト、ミニトマト、レタス、サニーレタス、グリーンリーフ、ブロッコリー、小松菜、菊菜、ホウレン草、ナス、キュウリ、玉ネギ、ニンニク)、果物(スイカ、柿)を栽培しています。
 JAS有機で認められている資材も使うことがありますが、使用する前にオルターと確認して、その使用の是非を判断しています。肥料としては、自家製の米糠や籾殻を中心にした堆肥を主に使っています。近隣の農薬を使用していないサトウキビの搾りカスなども堆肥の原料に使うことがあります。放射能汚染のあるような資材は使っていません。
 土壌診断(土壌の肥料成分の分析)を実施して、肥料成分の過剰や微量要素の欠乏に十分な注意を払っています。有機農業といっても、過剰な施肥は硝酸イオン値を高くし、まずくて有害な野菜となり、環境をも汚染しますので、特に注意をしています。
 露地栽培の野菜については次作の計画を立てて、連作障害も発生させないよう心がけています。
 現在の課題としては有機種子の導入をすすめることです。

◆優秀な農業者
 楠さんは、農家の長男として1959年に生まれ、小さい頃から両親の農業を手伝って育ちました。地元の農業大学校を卒業し、農業改良普及員の資格を取得しました。派米農業研修生に合格し、2年間ワシントン州やカリフォルニア州の大学や農場で学びました。
 日本に帰国してからは、両親とともに、水稲を基本に、施設園芸や露地野菜栽培での農業経営を始めました。経営を全て任されていたのが、今に続く大きな経験になっています。

◆作物の品質を大切に
 その当時から、良い品質の作物を生産するために、肥料はできる限り有機肥料にこだわり、土作りをしながら、農薬や化学肥料に頼らない農業をしていました。なぜなら、化学肥料を多用し農薬を多量に散布した結果、理想のイチゴとは程遠い代物になっている農家をたくさん見ていたからです。
 当時主に取組んでいたイチゴ栽培において、人とは違う、おいしくて、日持ちがして、病気に強いイチゴを生産しようと毎年堆肥づくりや土壌診断に取組み、農薬や化学肥料に頼らない土作りをしました。

◆私(オルター代表)との出会いがきっかけ
 安全で安心できる、おいしい農作物を栽培するためには限られた知識だけを詰め込んでいてはだめだと気づき、徳島県下や全国で、農業関係者が集まる勉強会や消費者との交流会に数多く出席するようになっていました。そんな講演会のひとつが30年以上前の徳島時代の私の講演会だったのです。
 私との出会いで、楠さんは自分の目指すところは間違っていなかったと確信し、有機農業を生涯の仕事としてやっていくことを決心されたそうです。1983年のことです。

◆アジアの人々とともに
 当時はまだ有機農業に関心を持っている消費者が少なく、販売面では相当苦労されました。私が設立した「徳島暮らしをよくする会」とともに、有機米やニンニク、スイカなどを少しずつ出荷し始めたのがヤマサ有機農園のはじまりでした。
 近年の異常気象に様々に苦しめられてはいますが、現在は奥様が保育士の仕事をしながら支えられ、農業経営も順調になり、地域農業の牽引者として若い農業者(研修生)の育成や知的障害者の雇用に尽力されています。
 今後はお米の栽培面積を拡大して有機農業の柱とし、トマト栽培の導入をはかり、施設園芸をもう一度再編していこうと計画されています。
 夢としては有機農業の技術や知識をカンボジア、ラオス、ベトナムなど東南アジアの人々に伝え、一緒に活かして、アジアの人達にも安全で安心できる農作物の生産をしていきたいと考えています。


ヤマサ有機農園の農薬不使用の米と野菜(オルター基準
●栽培品目
米、トマト、ミニトマト、レタス、サニーレタス、グリーンリーフ、ブロッコリー、小松菜、菊菜、ホウレン草、ナス、キュウリ、玉ネギ、ニンニク、スイカ、柿(大和・愛宕)

種子は有機種子、在来種、固定種へ切替中です。

●防除
農薬不使用

●資材
ボトキラー バチルス・ズブチリス芽胞(微生物資材)

●肥料
発酵米ぬか、発酵モミガラ、バカス(サトウキビ)、古代天然苦土、天然加里エース、アイアンパワー

この他、これまで有機JAS適合品である以下の肥料[牛糞堆肥、鶏糞、発酵大豆油カス、ケルプペレット、ハーモニーシェル、カキ殻石炭、海藻粉末、オーガニック8-5-3、菌床堆肥、放線菌堆肥、ミミズ太郎、マグマックス、マグラックスフミン(腐植に石炭 苦土を入れたもの)、ファームパワーフィッシュ、木炭]を使ってきましたが、現在は使用をやめ、オルター推奨のシグマ菌ぼかし、植物ミネラルへの切替えを検討しています。



―文責 西川榮郎(NPO法人 安全な食べものネットワーク オルター代表)―



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