通信販売の法規(特定商取引に関する法)に基づく表示

宮下富実夫の世界 ヒーリングミュージック
カタログ2011年5月1週号
心身の安らぎと癒しの音楽。聴き流すのが効果的な聴き方。


◆心に優しい音楽
 オルター顧問・土岐好子先生の操体法の教室で、楽健法を学ぶときのBGMとして使っていたCDがありました。このBGMをかけると妙に気持ちよく学べるのです。土岐先生が不在のとき、別のよく似た音楽をかけても、なかなかしっくりいかず、どうしてだろうかと思っていたところ、後日、そのCDは宮下富実夫さんのヒーリングミュージックであり、病院、針灸院、温泉リゾートなどでよく使われているものであることが分かりました。
 「ヒーリングミュージック」とは、宮下富実夫さんが癒しの音楽という意味で初めて使った和製英語で、商標登録もされているものです。音楽によってストレスなどを癒そうとするヒーリングミュージックが口コミでベストセラーになり、注目されるようになっています。
 宮下さんのヒーリングミュージックとは、シンセサイザーを使って自然の風やせせらぎのような1/fのゆらぎの繰り返しがベースになって構成されている音楽です。一般の音楽のように左脳で聴くものではなく、自然と右脳に直接入り込んでくる音楽です。そして聴くものに、気持ちよく眠りについたり、ホッとくつろいだり、気持ちを高めたり、集中力や創造力を高めたりする心に優しい音楽です。歌手の安室奈美恵さんが胎教に使って話題となったり、酒造りや野菜作りにも効果があったといわれているものです。宮下さんはこのヒーリングミュージックの聴き方として「聴き込むな、聴き入るな、聴き流せ」と提唱なさっていました。
 宮下さんご自身が作曲なさったときは、作ろうと考えて作ったものでなく、自然から感じたものを形にしていったものだとお話なさっています。こうして作曲された音楽が聴く人の脳波にリラックス状態に発せられる安らぎの波動、α(アルファ)波やθ(シータ)波を出しやすくしているという医学的裏付けは、IRI生体計測研究所・副所長、河野貴美子氏によって確認されています。 有線放送(USEN440)では、CG-19チャンネルで、1日中この宮下音楽を流しています。

◆音楽療法との出会い
 宮下さんは若い頃、幾度かバンドグループを結成なさったことがあります。高校時代に作ったバンドは、やがてオリジナリティーがないことが嫌になりました。次にストーリー性のある楽曲を聴衆たちに伝えていこうという姿勢を持った、プログレッシブ・ロックへと傾倒していきました。さらに、イギリスの有名バンド、ピンクフロイドの影響を受け、東洋的な精神世界への志向が芽生えました。そして1973年に結成した「ファーイースト・ファミリーバンド」には喜多郎がいました。シンセサイザーに出会ったのはその頃でした。やがて、メンバーとともに音楽表現していくことに限界を感じ、ご自分の個性を表現したいと思われるようになりました。
 その頃、小川のせせらぎや小鳥たちのさえずりなどの自然音を意識的に取り入れた「天空人」というアルバムを作り、その「天空人」に使用した音をもとにして「天川のひびき」という作品を作られました。
 かつて舞台から落ちて腰を強打したことで、当時アメリカの自宅で受けていた鍼治療の際、この曲をある日かけていたところ、鍼の先生が音楽治療に使いたいとおっしゃったのです。インドではすでに五千年も前の「アーユルヴェーダ」の古文献において、鍼や灸、薬草とともに音楽を使用していたというのです。これが音楽療法との出会いでした。
 「天川のひびき」は、ツボを開かせる効果があることを知りました。人間の心身に最も安らぎを与えてくれるのは、90〜20ヘルツくらいの間の重低音であることも分かりました。こうして、ヒーリングミュージックへの探求が始まったのです。
 1981年、映画「空海」の仕事で、勝新太郎氏から音楽監督を頼まれ、そのため空海が一番大切な修行の場とした奈良県天河神社を訪れたおり、柿坂神酒之祐宮司との運命的な出会いがあったのです。当時アメリカ在住だった宮下さんに、宮司はヒーリングミュージックを完成するために日本に帰るようにアドバイスされたのです。これがきっかけで宮下さんは日本に帰り、長野県の戸隠、飯網高原の自然の中で、次々とヒーリングミュージックを創作なさるようになったのです。
 それ以来、これらの作品が、幾多の人に癒しの効果があるという体験を積み重ねておられます。宮下さんのコンサートでは、聴衆が眠りにつくという「眠りのコンサート」が話題となっていました。しかし残念なことに、宮下さんは2003年、54歳の若さで他界されました。これからも宮下さんが魂を注がれた100作を超えるヒーリングミュージックは、多くの人たちと出会い、心身の安らぎと癒しを与え続けるはずです。


(株)琵琶の宮下富実夫オリジナルヒーリングミュージックCD
 (株)琵琶は生前、宮下富実夫さんがお創りになったレコード会社です。今は、奥様のリンダさんと息子のジョディー天空さんがお継ぎになっています。宮下さんのオリジナルCDを扱っています。社名はご縁のあった天河神社がある琵琶山と響き・エコーの意味「ビワ」から取り、マークは同神社に「天の岩戸」伝説のものとして伝わる五十鈴がテーマになっています。
 ヒーリングミュージックの音の波動は、大自然に囲まれたときのように、聴く人に安らぎを与え、心と身体の機能が調和するように体内リズムを整える働きがあります。健康な人はより健康に、病気で悩んでいるときは自然治癒力を高めてくれます。現代人が抱えているストレスがもとで生じる、様々な病の「気」を調和する働きを期待されています。


●宮下富実夫のヒーリングミュージックによって導かれるθ波

 脳波は周波数の高い方から順に、脳の活動時にみられるβ波、閉眼リラックス状態で多くみられるα波、入眠時のθ波、熟睡時のδ波と分類されています。目を閉じて、音楽をゆったりと聴いているときには、α波が後頭部に大きく現れます。
 通常は眠くなると、そのα波が消えてθ波が現れ始めるのですが、宮下富実夫のヒーリングミュージック静聴時にはα波が前頭部にも広がるとともに、その周波数が徐々に遅くなり、やがてα波に混じってθ波が現れてくる傾向がみられます。これは、禅などの瞑想時に似た現れ方です。つまり、脳は外界からの心地よい音刺激により、ある程度覚醒状態を保ちつつも、眠りに近い休息へと導かれたような状態ということができるでしょう。
 (国際総合研究機構 生体計測研究所 副所長 河野貴美子)


●ヒーリングミュージックの使い方

 ヒーリングミュージックは、さあ聴こうと気負って聴くものではありません。ちょっと疲れたなと思った日や、入浴時にBGMとしてお使いください。仕事、家事、学習、読書などのBGMに使っても邪魔しません。むしろ集中力や創造力が高まります。
 福岡歯科総合医療研究所・福岡明博士、および福岡博史博士は、歯科治療のBGMに使っています。この他、医療、カウンセリング、健康法など多くの場でBGMとしても使われています。胎教音楽、不眠症対策、ペットの癒し、野菜の育成、醸造などにも幅広く使えます。聴き込まず、聴き入らず、聴き流すように、小さな音量でリピートをかけて生活空間にいつも添えておくのが効果的です。
 ヒーリングミュージックは、全ての音を受け入れて統合させていくように制作されていますので、ヒーリングミュージックが流れる空間は、例えばクーラーや冷蔵庫、ビルの工事の音まで全部統合させて、ヒーリングサウンドに変えていくことができます。


市販のヒーリングミュージックの問題点
 レコード店でヒーリングミュージックというコーナーが作られるまでになっていますが、そこに並んでいる曲は、単に耳ざわりの良さそうな音楽であって、必ずしも宮下さんのもののように、右脳に働いてα波のみならず、θ波をも出しやすくする効果のある音楽というわけではありません。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


戻る