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樹脂加工フライパンの安全性、EPAが研究を開始
通信837号資料記事
世界の環境ホットニュース [GEN] 395号 発行:別処珠樹04年7月8日より記事転載

 いま売られているフライパンの多くには「テフロン加工」・「フッ素樹脂加工」という表示があります。その表面がテフロン(これはデュポンの商標登録)や、フッ素を含む類似の合成樹脂で覆われているため、調理に使ったときにくっつきにくいとされています。
  ところがこのようなフッ素樹脂製品が多くの製品に使われるようになり、今ではほとんどのアメリカ人の血液にPFOA(パーフルオロ・オクタン酸)という化合物が含まれていることが分っています。朝鮮戦争時の兵士の血液を調べた例では、たった一つのサンプルにこの物質が含まれていただけでした。しかし今では中国奥地の住民にさえ微量のPFOAが含まれているといいます。
 PFOAは、炭素数が8個ですから、フッ素樹脂が分解してできた物質であると考えられてきました。6月下旬にアメリカ環境保護庁(EPA)が、この物質について調査を開始すると発表しました。1980年代の初めにこの物質についてデュポン社が調査を行い、直近に出産した八人の女性から高い濃度のPFOAが検出されました。そのうち二人の赤ちゃんから障害がみつかっています。その後、この物質がどのような影響を与えるか、はっきりした研究がほとんどないままです。PFOAの原体を製造している3Mは、何らかの健康影響の可能性を指摘しています。当然くわしい研究がなされて当然ですが、EPAも業界もそれを怠ってきました。
しかし、フッ素樹脂加工の調理器具で調理すると、飼っている小鳥が死ぬ事故が 相次いだため、昨年になって環境ワーキンググループ(EWG)というワシントンにある団体が「台所のカナリヤ」という報告書を出して警告しました。(これについて私は昨年の『週刊金曜日』6月6日号に「樹脂加工フライパンから有害 ガス」というレポートを書きました)もっとも問題なのは、この物質が非常に分解しにくいことです。したがって、すぐに生産を止めたとしても、人の血液中には依然として残りつづけます。これがどういう影響を与えるのか何も分っていない。ちなみに私のところでは樹脂加工フライパンを使っていません。

※オルターのおすすめは、鉄製品や土鍋(日本酸器)です。

イラスト食品と暮らしの安全NO.171より転載
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