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手間のかかる袋がけをしている、樹上完熟りんご
カタログ"2006年10月2週"
手間のかかる袋がけをしている、樹上完熟りんご
有機農業のふる里から届く、皮ごと安心して食べられるりんごです。
りんごの実ひとつひとつに袋がけをしています。


●日本の有機農業のふる里
 山形県東置賜郡高畠町は、宮崎駿のアニメ「となりのトトロ」の風景モデルになり、有機農業の理念を語る青年との恋物語「おもひでぽろぽろ」の原点ともなった村です。
 高畠町有機農業提携センター(河合三夫所長)は、日本有機農業研究会の故・一楽照雄元代表幹事が「有機農業」という言葉を使い始めた初期から、高畠町有機農業研究会として活動を始め、その活躍は有吉佐和子著「複合汚染」にも紹介されました。その活動が紹介されているドキュメンタリー映画「いのち耕す人々」 も本年公開され、各地で上映されています。
 高畠町有機農業研究会時代の代表・星寛治さん(高畠共生塾塾長)は、高畠の活動の理論的支柱です。ご自身、農民詩人としても知られ、地元の教育委員長も務めてこられました。土に根ざした生き方とインテリジェンスが特徴的な農民集団です。
 この影響で、上和田有機米生産組合など6団体で構成する高畠町有機農業推進協議会(中川信行会長)が立ち上げられ、現在では高畠町の農家の半数が減農薬栽培など何らかの農薬を減らす取り組みをするようになり、名実ともに有機農業の里となっています。高畠町で農薬空中散布が問題になったときも、地道な努力を重ね、その中止を実現。さらに現在は、遺伝子組み換えの農作物を作らない町の条例化に取り組んでいます。これまでに都会から多くの研修生を受け入れ、そのうち移住者が60人を超えており、有機農業をめざす人的資源を育てる努力が続いています。
 私との出会いは、高畠との提携を始めていた関東の消費者団体・所沢生活村の白根節子さんのお姉さんで、関西で初めてよつ葉牛乳の共同購入を始めていた鈴蘭台食品公害セミナー元代表・安藤康子さんからのご紹介でした。


●高畠の有機農業の取り組み
 いのちと環境にやさしいオルタナティブな農業をめざして、1973年に高畠町の若い農民38人が立ち上がり、有機農業に着手して33年が経ちました。土作りが基本。商品としてではなく、人間が食べる食べものとして作っています。持続性の高い環境保全型農業に取り組むその活動のキーワードは、「農村の自立」「労働を楽しむ豊かな自給の復活」「農民や消費者の健康被害を招く農薬、化学肥料との決別」「顔の見える関係」「共に生きる関係」などです。
 高畠町有機農業提携センターからオルターへは、りんご、ラ・フランス、米、みそ、そば粉、りんごジュース、ワインなどを届けていただいています。今回はりんごのご紹介です。


高畠町有機農業提携センター・中川信行さんのりんご
 提携センターでは、研究会時代から「農薬を使わない」農業をめざし、米、大豆、そばなどでは無農薬栽培を実現しています。しかし、果樹であるりんごの無農薬栽培は難しく、幾多のチャレンジにもかかわらず未だ低農薬栽培です。
 ただし、農薬の使用は可能な限り最少限にとどめる努力をし、農薬の種類はなるべく毒性の低いものを選択しています。散布回数を最少限にし、1回の散布量は慣行栽培での散布量の1/3にとどめます。かつ、りんごの実に直接農薬がかからないように、毎年7月頃、りんごの実ひとつひとつに手間を惜しまず袋をかけています。
 オルターでは、メンバーのおひとりで技術水準も高い中川信行さんのりんごを指定させていただいています。


●りんごの品種
つがる(9月上旬〜)、紅玉(9月下旬)、千秋(10月上旬〜)、スターキング(10月中旬〜)、北斗(10月下旬〜)、やたか・王林(11月上旬〜)、紅フジ・フジ(11月中旬〜)

●栽培の特徴
1.30年来の土作りが基本。有畜複合農業による自家製完熟堆肥を使用。ミネラル要素として焼成骨粉、自然石(サンララール)を使用。
2.会の栽培基準の最小の農薬を使用。害虫の交尾撹乱により孵化を抑える誘引ホルモン「コンヒューザー」を利用。
3.果実1個1個に袋(農薬を使用していないパラフィン紙)をかける。散布農薬が直接かからないようにすることにより、水洗いで皮ごと丸じりできるりんごを作るためです。
4.樹の上で完熟させて収穫する。おいしいりんごを作るためです。


●市販のりんごの問題点
 意外と気が付かないかもしれませんが、アメリカから日本へは生食りんごの輸入があり、ポストハーベスト農薬が使われています。トラックにカゴ積みされたりんごへ農薬を直接散布する設備があるくらいです。
 国内産りんごにも、栽培暦に示したように農薬がたくさん使われます。特に、フジを無袋栽培する「サンフジ」は、日光に当たって育つイメージで人気ですが、袋がけによる物理的な病虫害の防除ができないため、かえって農薬の使用量は増えます。手間のかかる袋がけをしないで農薬に頼る、このようなりんご栽培が一般的なのです。また、袋がけをしても、あらかじめたっぷりと農薬をしみ込ませた袋を使うのが一般的です。
 出荷に際して、あるいは店頭で、保存性を高めるためのワックスがけがあります。もともとりんご自体、天然のワックスを分泌するものですが、発がん性の心配がある人工的なワックスが使用されているりんごを皮のまま食べるのはやめるべきです。



ー文責 西川栄郎(オルター代表)ー


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