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なかなかの味とコシ。
◆個性的な「鳴ちゅる」うどん 徳島県鳴門市のウマイ(株)の馬居 優さんは、国産小麦や海洋深層水など原料にこだわって安全でおいしい麺作りをしています。 冷凍うどんは、解凍するとほぼできたての味になります。コシのあるうどんの好きな人におすすめです。「鳴ちゅるうどん」は徳島県出身の写真家、中野 晃治さんの著書、鳴門うどん探訪記「鳴ちゅる」が名前の由来。徳島県鳴門市で数百年に渡って愛されてきたうどんは細麺が特徴、しかも太い、細い、長い、短い、厚い、薄いと不揃い。おもしろいうどんです。
◆ラーメンスープはオルター仕様ではありません ラーメン、冷やし中華、焼きそばなど中華麺は、かん水を使わず比較的に安全なアルカリ剤として貝殻を高温で焼成してイオン化した貝殻焼成カルシウムを使っています。また焼そば製造工程では、他社で通常行っている蒸し工程を「ゆで」工程に変えています。蒸す場合、ボイラーを使いますがそのボイラーのスケールやスラッジを除去する目的で使用される制缶剤(塩化カルシウム、ヒドラジン)が混入することを避けるためです。 ラーメンに付けているスープは残念ながらオルター仕様ではありません。とくに(×)印の原料はオルターとして通常認めない原料です(これでも市販よりはずいぶんとましな材料です)。オルターの万能たれをベースに自家製のだしを工夫して作られることをおすすめします。ラーメンのスープは近い将来オルター仕様のものを完成させたいと考えています。しかし、現状では「よりまし」なレベルのものしか手に入りません。ラーメンを食べるのに、いちいち本格的なスープを手作りしなければならないのでは、困る人が多いという意味で扱っています。暫定的な取扱いです。 ラーメンは日本人の好む代表的な食べ物の一つです。しかし、市販されているラーメンはまさに食の荒廃の権化ともいうべきもので、ラーメンばかり食べていた若者が健康を壊している例は珍しくありません。 冷やし中華のスープはラーメンスープのような心配はありません。
◆良い品を届けたい 馬居さんは、製麺屋3代目です。祖父が素麺で創業しました。祖父のモットー「お客様に良いものを届けよ」を今も守っています。安全に関して知り得る限りの努力を心がけています。 国産小麦は、輸入小麦と比べると蛋白質であるグルテン含有量が低く、こしを出すのに苦労します。そのうえ異常気象などで作柄も不安定で銘柄の変更を余儀なくされます。昨年3・11の原発事故以来、西日本の小麦粉の需要が急激に高まってますます入手に苦労が多くなっています。小麦粉が変わると、その都度麺圧遍比や熟成時間を変更しなければなりません。
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☆深層水ゆで手打ち式うどん/海洋深層水冷凍手打ち式太うどん ■原料 ●国産小麦粉 香川県産 豊国製粉 さぬきの夢2000(近く2009に変更予定) ●海洋深層水(源水) 三津漁協(高知県)
■製造工程 @原料混合 A混練 B熟成 C圧延 D切出し Eゆで F水洗 G調量 H冷凍うどんの場合は、凍結 I包装
☆国産小麦100%鳴ちゅるうどん(細麺タイプ、不揃い麺、冷凍です) ■原料 ●国産小麦粉 北海道産 ホクシン 徳島製粉 ●塩 メキシコ産 天日塩 鳴門塩業
■製造工程・・・同上
☆海洋深層水 中華そば/深層水国産小麦粉100% 冷凍鳴門楽園ラーメン ■原料 【麺】 ●国産小麦粉 佐賀県産 ニシノカオリ 理研農産、北海道産 ホクシン 徳島製粉 ●海洋深層水 三津漁協(高知県) ●貝殻焼成カルシウム 鳥越製粉 【スープ】オルター仕様ではりません ●醤油 国産丸大豆 美瑛農協(北海道)/国産有機丸大豆 ×岩手県産(放射能汚染区域)国産小麦 美瑛農協(北海道)・JA香川/国産有機小麦 北海道産/食塩 メキシコ、オーストラリア ほか 国産にがり メキシコ、オーストラリア ほか ●魚醤 鮭 アラスカ、カナダ、チリ/△食塩 日本/×プロテアーゼ(微生物由来) スウェーデン、日本 ●×肉エキス ×ポークエキス 中国産 丸善食品/×チキンエキス 国内産 アリアケジャパン ●ごま油 ごま 主にアフリカ、中国 ●食塩 △青い海 ●×酵母エキス ×酵母エキス 興人/×デキストリン 興人 ●×魚介エキス ×かつおエキス (株)マルハチ村松/×ほたてエキス 焼津水産 ●香辛料 ×オニオンエキス タンフーズ(株)/×ガーリックエキス タンフーズ(株)
■製造工程・・・同上
☆海洋深層水国産小麦粉100%冷やし中華 ■原料 【麺】 ●国産小麦粉 佐賀県産 ニシノカオリ 理研農産 ●海洋深層水 三津漁協(高知県) ●貝殻焼成カルシウム 明友産業
【スープ】 ●酢 国産有機純米酢 庄分酢 ●砂糖 甘蔗分蜜糖 新光糖業 ●醤油 国産大豆、国産小麦、天日塩 (株)ヤマヒサ ●食塩 メキシコ 天日塩 鳴門塩業
■製造工程同上
☆深層水 焼そば ■原料 ●国産小麦粉 佐賀県産 ニシノカオリ 理研農産 ●海洋深層水 三津漁協(高知県) ●貝殻焼成カルシウム 鳥越製粉
■製造工程・・・同上
☆海洋深層水国産小麦粉100% 生スパゲティ ■原料 ●国産小麦粉 香川県産 吉原食糧 ●貝殻焼成カルシウム 明友産業 ●海洋深層水 三津漁協(高知県)
■製造工程・・・同上
☆薄力粉 ■原料 ●国産小麦粉 さぬきの夢2000 豊国製粉
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一般のうどんでは小麦粉はレルダン(クロルピリホスメチル)やリン化アルミニウムなどで、ポストハーベスト農薬のある危険な輸入小麦です。安さや保存性を考えてpH調整剤(リン酸ナトリウムなど)あるいは酸味料(酢酸ナトリウム)を使っています。さらに保存剤としてはプロピレングリコール(以前輸入ワインが、許可されていないジエチレングリコールが使われていて毒入りと問題になったことがありましたが、そのジエチレングリコールより毒性が強い)やエチルアルコール(酒精)を使っています。このプロピレングリコールは品質改良剤として、しっとり感や麺のこしをこりこりとさせて、一見手打ちうどん風に化けさせる役割も果たします。インスタントうどんの場合では、このプロピレングリコールを使っためんにだしのしみ込みが悪いため、だしにキサンタンガムのような増粘多糖類を使うことになってしまっています。 このプロピレングリコールの苦味を消すために、甘味料としてソルビットが一般的に使われています。水分活性を落とす材料としてリン酸ナトリウムなどのpH調整剤の使用も行なわれています。これらの薬品は、単に有害というだけでなく全て不必要なものです。
●一般のつゆの問題点 醤油や砂糖みりん風調味料など粗悪な一般品が原料となっています。甘味が強くてコストダウンができる果糖ブドウ糖液糖(ポストハーベスト、遺伝子組換えコーン)。グルタミン酸ソーダーや旨味調味料などの合成調味料。かつお節エキス、昆布エキス。とにかく安くて粗悪な材料が使われています。
●かん水の話 ラーメンの製造に使われてきたかん水とは、もともとは中国産の鉱物「唐あく」のことでしたが、重金属を含む恐れがあるので国内では禁止されています。このかん水の成分をもとに現在では中華製麺の製造に用いられるアルカリ剤のことをかん水と呼び、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよびリン酸類(ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸など)のカリウム塩またはナトリウム塩のうち1種類以上を含む食品添加物のことです。かん水を使用するとアミノ酸と反応してリジノアラニンが生成する可能性があり、それには変異原性が心配されています。生協や自然食業界では差別化のために「無かん水」のラーメンが出回っています。 しかし(1)「無かん水」というために消費者の無知につけ込んでより危険な「唐あく」を使用していると謳っているものがあったりします。(2)たまごでも麺のこしを強くできるので、たまご使用を謳うものがあります。このたまご使用も後述のように問題があります。(3)スキムミルクもたまごと同様な理由で使いますが、充分なこしの強さを得るのが難しいのと、コスト高です。その原料乳の安全性(ポストハーベスト、遺伝子組換え、薬漬け畜産)も問題です。 ウマイ(株)では、当初はスキムミルクを苦労して使っていましたが、現在では貝殻焼成カルシウムを使ったラーメン作りをしています。これもアルカリ剤ですが、ラーメンの麺にこしの強さを求める以上、相対的に安全な原料と判断しています。
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市販のラーメン、冷し中華、ヤキソバなどの中華麺の問題点 |
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●麺 原料はレルダン(クロルピリホスメチル)などポストハーベスト農薬のある輸入小麦。国産小麦は小麦蛋白量が少なく、通常メーカーでは使用しにくいからです。自然食業界のもので国産小麦使用と表示があっても、国産50%使用のものでもこの表示が認められているので要注意です。 加工でんぷん(アセチル化タピオカでんぷんなど…このタピオカデンプンにはシアン化合物が含まれています)、かんすい、唐あく(かんすいのことであり、表示そのものが法律違反です)、粉末卵白、全卵粉(玉子を使うため、サルモネラ菌対策など衛生管理上、24時間稼働の機械でないと採算がとれません。薬品の助けなしではそのような工場は存在し得ません。またたまごのポストハーベスト農薬、遺伝子組換えや抗生物質、合成女性ホルモンなど薬漬生産も問題です)、増粘多糖類(グアガム、キサンタンガム、CMC)、pH調整剤などが麺のこしを強くするために使われているのが一般的です。 酒粕(エチルアルコール)、ソルビット、プロピレングリコール(変異原物質)は保存料として使われます。 クチナシ色素は黄色く見せかけるために使われます。品質の悪い小麦粉(灰分の高い小麦粉)でも黄色く見せることができます。国産小麦の場合は幾分、くすんで見えます。 塩は公社塩、イオン交換塩を使っています。
●スープ ・原料 化学調味料(アミノ酸など)…L-グルタミン酸ナトリウムが主で、他にもイノシン酸ナトリウムをはじめ、グアニル酸ナトリウム、コハク酸ナトリウムなどの合成化学調味料をうまみ調味料として使っています。素材の品質が悪いものでも一見おいしく仕上げることができます。グルタミン酸ナトリウムには、脳障害や胎児異常誘発などの毒性が知られています。また、中華料理症候群や痛風の原因にもなります。また、グルタミン酸の熱分解物には強い遺伝毒性を示すものが知られています。 蛋白加水分解物(人の毛髪などを塩酸などで加水分解して作っている)は発ガン性が問題となっています。 増粘多糖類などの食品添加物も問題。食塩もイオン交換塩です。
・その他…動物性の原料由来のエキスや油脂の場合、畜産におけるエサの安全性、薬漬け畜産の問題があります。醤油、食塩などの調味料にも粗悪なものが使われているのが一般的です。
●容器 カップラーメンなどの場合、ポリスチレンなどのプラスチック容器からの環境ホルモンの溶出がたいへん問題となっています。とくに温かいお湯を注ぐのですから。
●インスタントラーメン(揚げ麺)の場合 使用する油に、ポストハーベスト農薬、遺伝子組換え、トランス脂肪酸(精神病、心臓病、ガン)、酸化防止剤(BHA、BHTなど)、油の酸化など、問題だらけです。
―文責 西川榮郎(NPO 安全な食べものネットワーク オルター代表)―
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