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虫歯になりにくい 昔ながらの純黒糖
カタログ2013年7月4週号
今では珍しいサトウキビ栽培から製糖までの一貫生産。
◆貴重な国産純黒糖
 奄美諸島の喜界島にある南村製糖の南村 邦行代表は、今では奄美諸島でもすっかり珍しくなった、サトウキビ栽培から黒砂糖への加工までの一貫生産を行ない、混じり気のない純黒糖を作っています。超貴重な一品です。アイスコーヒーやぜんざいに向いています。

◆減農薬栽培
 南村さんのサトウキビ栽培は国内では珍しい減農薬栽培です。ハリガネムシ対策として殺虫剤カーバメート系のカルボスルファン(商品名 アドバンテージ)を一回だけ使っています。一般的なサトウキビの害虫、チチンパックに対しては農薬の使用を行なっていません。
 肥料は化成肥料を使っています。かつて牛糞堆肥を使ったことがありましたが、黒砂糖の味が渋くなったため、それ以来現在の栽培方法にしています。有機物を多投して硝酸イオン過多になると作物が苦く、渋くなることがあります。化成肥料での栽培の方がましといえるケースです。

◆自園のサトウキビを原料に
 南村製糖では、5ヘクタールの自園で減農薬栽培しているサトウキビを原料に黒砂糖を作っています。ごくたまに近所の人のサトウキビを使うことがありますが、自園産の使用量は99%以上です。黒砂糖は年中同じ味ではありません。畑ごとや釜ごとに色や味が変わります。
 南村製糖での純黒糖の製造期間は11月後半から翌年8月までです。純黒糖を作らない9月から11月のあいだには一部加工糖(粗糖、ざらめ、サトウキビ汁を原料)の製造も行なっていますが、純黒糖以外はオルターへの出荷は行ないません。

◆ほんものの黒砂糖は虫歯になりにくい
 黒砂糖は昔から虫歯になりにくい砂糖として知られてきました。製造工程でアルカリ性のさんごや石灰岩などを使っており、アルカリ食品だからです。
 しかし、現在一般に売られている黒砂糖は食べると虫歯になってしまいます。黒砂糖をざらめや白砂糖で増量し、カラメル着色して黒く見せかけているニセモノの黒砂糖ばかりになってしまっているからです。
 虫歯になりにくい南村製糖の黒砂糖は、この意味でも超貴重といえます。

◆手作り黒砂糖の伝統を守るために
 南村製糖の担い手は南村 邦行さん、フサエさんご夫妻、長男夫婦の和弥さん、忍さんご夫妻の4名です。創業は2000年です。地元、志戸桶集落に製糖工場が一軒もなかったため、教えてもらえる技術を持つ年寄りが亡くなってしまわないうちにと、製糖工場を建てようと南村邦行さんが思ったのがきっかけでした。
 当時は小菊栽培を営んでいたのですが、農薬を使うのが嫌だったことと、市場価格も下がってきたので見切りました。親の代にはサトウキビ栽培の経験がありましたので、サトウキビ栽培に戻り、選花場跡に製糖工場を作り、一からの出発でした。
 南村ご夫妻の何よりの喜びは、物産展などで消費者と直接顔を合わせて購入してもらい、あとで礼状が届くことだそうです。そんな買ってくれる人達の喜ぶ顔のために、安全、安心な昔ながらの手作りのなつかしい味の純黒糖作りを続けていきたいとおっしゃっています。長男夫婦を島に呼び戻し、後継者ができたので、この純黒糖の価値を、より多くの人に認めてもらいたいと願っておられます。
 オルターへのご紹介は、神戸消費者クラブの元代表前迫 志郎さんからです。


南村製糖の純黒糖
■原料
●自園栽培のサトウキビ(使用率99%以上)
ごくたまに近所のサトウキビを購入することがあります。
●サトウキビの栽培
減農薬栽培
●殺虫剤(ハリガネムシ対策)
1回使用、カーバメート系のカルボスルファン(商品名 アドバンテージS)
●肥料
サトウキビカス、化成肥料(硫加燐安14‐12‐9  または有機入り化成肥料「オールマイティ12‐8‐10」)
●使用目安
80kg/10a(慣行栽培の1/2の使用量)
●収穫
手刈り

■製造工程
@サトウキビの収穫(手刈り)
Aサトウキビを圧搾機で搾汁
B消石灰投入
Cアク取り
D一次煮詰め(二段釜を使用)
E二次煮詰め
F撹拌(空気と混ぜ粉状にする)
Gふるい(団子状のものを除き、きれいな粉状にする)
H冷却
I袋詰
J金属探知機で検査


市販の黒砂糖の 問題点
 サトウキビを搾った汁に、石灰を混ぜて煮詰めただけの純黒糖は、国内ではほとんど作られていません。通常はざらめや水アメなど外国から安く輸入される原料で増量し、カラメル着色で黒くみせかけているものが売られています。そのため、本物であれば虫歯になりにくい黒砂糖なのに、虫歯になってしまうのです。
 この増量以外にも黒砂糖にはいくつかの問題があります。まず農薬の使用です。農薬を空中散布しているケースもあります。次に化学肥料の多投です。肥料を過剰施肥するとサトウキビ汁の糖度が低くなり、炊き上げるのに時間がかかり、カラメル化して黒くなってしまい、風味も低下します。また硝酸塩、すなわちアクが多くなり、渋くにが味も多くなります。古くなった黒砂糖を新物と混ぜて炊く、炊直しをすると、風味が劣ります。
 黒砂糖にはカラメルの着色がありますので、真黒な黒砂糖は要注意です。良質な黒砂糖は、真黒ではなく「淡い黄緑色」や「淡い茶褐色」など、いろんな色をしています。


―文責 西川榮郎(NPO法人  安全な食べものネットワーク  オルター代表)―



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