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国内最大の有機農家
カタログ2012年2月4週号
安心安全な食べものがいっぱい。


◆自己完結循環型農業
 金沢農業の井村辰二郎さんは、農業は千年の展望を持ったものであるべきだと考えて、「自己完結循環型農業」を志し、金沢市の広大な河北潟干拓地や能登半島の中山間地で、有機農業に取り組んでいます。営農面積は185haにのぼり、個人の営農面積としてはおそらく国内最大で、文字通り国内最大の有機農家です。
 年々、耕す人が減ってゆき、休耕地が広がっていく中で、これからもますます井村さんへの期待が大きくなり、耕作面積も拡大していくはずです。これだけの面積をもって、グリーン雇用に力を入れて、18名の生産チームを率いて耕しています。
 農場には、多くのトラクターやコンバインが並び、問題のTPPをも迎え撃つ気迫十分のたくましい農場風景です。

◆有機、不耕起、在来種
 有機JAS認定圃場で、うるち米、もち米、大豆、小麦、大麦、そば、野菜など輪作で、多品目、多品種栽培を行っています。不耕起栽培、忌避作物利用などの新しい栽培技術も導入し、金沢伝統の野菜をはじめ、在来種、自家採種にも取り組んでいます。

◆トレースできる肥料原料
 肥料は圃場内に堆肥舎、レインボーコンポストを設けて、年間3,000トンの堆肥を生産しています。その原料には、単一の生産者までも追跡できるレベルの安全なものが使われています。自家製の米ぬかやもみ殻などです。施肥は主として肥料を欲しがる麦作期間のみに行い、麦の後作の大豆栽培には使いません。

◆農産加工に力
 金沢農業が生み出すこれらの大量の農産物は、同じく井村さんが経営する農産加工会社、金沢大地が様々なメーカーと提携して多種多様なプライベートブランドの製品を生み出しています。小麦粉、きな粉、味噌、醤油、酒、塩糀、麦茶、もち、豆腐などです。
 最近特に力を入れているのは米を原料にした麦芽米あめです。消費者が有害な砂糖を使わなくてもすむように、昔ながらの甘味料・米あめを調理やジャムに使ってほしいと考えておられます。

◆オルター生産者の原料として活躍
 オルターでは、井村さんの大豆を、あらいぶきっちんさんや尾崎食品の豆腐、湯葉弘のゆば、末広昆布の昆布豆の原料として使わせていただいています。小麦はパプアニューギニア海産などの品ものの原料になっています。くず大豆、大麦、小麦などはタナカファームでニワトリのエサになっています。

◆千年産業
 井村さんは大学の農学部を卒業し、一時期サラリーマンを経験しました。その後、Uターンして父親の井村滉さんの農業を受け継ぎました。バブル経済の崩壊とともに、多くの産業が存在自体が矛盾を起こし始めていることを見てとり、農業こそ未来永劫に続く産業であると考えて、「自然回帰」をキーワードに「千年産業」を目指し、環境保全型農業に着手しました。

◆野鳥のいる圃場の風景
 井村さんの主な耕作地域である河北潟干拓地(1390ha)は、もともと米を作る目的で計画された干拓地です。その後、水田事業から畑作に計画を移行したところです。湿地保護などのラムサール条約に登録されてもおかしくないくらい、野鳥や野生動物の豊かな自然のある土地です。その鳥たちや動物たちと共存する優しい農業をなさっています。畑の土壌はメッシュの細かな泥で、雨が降るとぬかるみ、乾くと石のようにゴロゴロします。必ずしも畑に向かないその大地で、農薬や化学肥料を使わず、生態系に優しい豊かな農業を営んでいます。

◆国際化に負けないで
 大豆や小麦には国際価格との価格差や、逆ザヤによる価格差があります。そんな国際価格に対して、井村さんは、それを食べさせていただく私たちの側とも協力し合って、あえて国際競争力を持てるように挑戦しています。現代で百姓魂というものを求めるなら、まさに、ここにそのお手本がいらっしゃるのです。
 オルターへの井村さんの紹介は、神戸消費者クラブの前迫志郎代表からでした。


金沢農業の有機農法
■栽培法
●防除
麦・大豆に農薬は一切使いません。条件が悪く、有機栽培ができない小さな水田のみ、除草剤を1回だけ使用する水田(一部)があります。生態系を検証したり、忌避効果のある植物を利用した防除技術や、おとり作物による防除法などを試みています。

●施肥
化学肥料は一切使いません。地元、隣県を中心に有機系産業廃棄物を利用。自家製の原料での農産加工残渣、おから、米ぬか、酒粕、醤油粕、ふすま、油粕を使っています。
有機資材は土の中にすきこんで腐敗など起こさないよう、土の表面において地表発酵技術を実施、研究しています。富山県からの貝化石は土壌診断により適所に投入。米ぬか、大豆くずは大豆の雑草抑制を兼ね、散布しています。

●播種
土をこねず、ミミズも殺さない不耕起栽培を試みています。
ヨーロッパ製の不耕起播種機を導入しています。

●除草
畝だけでなく、株間の除草もできるロータリー式の除草機を使っています。井村さんの創意工夫で開発されたものです。このような先駆的な努力によって、広大な面積での栽培が可能になり、リーズナブルな価格が可能になっています。収穫近くでは、手による除草も行います。



―文責 西川榮郎(オルター代表)―


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