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ミネラル豊富な野菜作りをめざして
カタログ‘2010年10月2週号’
発酵微生物資材、ミネラルを駆使しておいしい安全安心の野菜作り。


◆農薬や減反を拒否して
 茨城県稲敷市にある「有機栽培あゆみの会○(以下、あゆみの会)斉藤公雄代表は、微生物とミネラルによる土作りを大切に無農薬・減農薬に取り組む約240世帯の農業生産者団体です。オルターへは原則として無農薬野菜を出荷いただいています。あゆみの会の生産物の物流は自ら設立した「農業生産法人 有限会社アグリクリエイト」斉藤公雄代表が担っています。
 あゆみの会は、農薬に依存しすぎる農業や減反政策に反発した斉藤さんら米農家5人が1989年に結成しました。(有)アグリクリエイトは1995年に設立し、あゆみの会の有機栽培農産物の物流のほか、有機肥料、土壌改良材など微生物資材の販売、農業技術の指導、食品リサイクルシステムの提案、環境保全型農業資材の卸など、じつに幅広い活動をしています。

◆元気で楽しい営農を続ける道
 斉藤さんは農家の長男として生まれました。高校卒業後に勤めに出ましたが、その翌年父親が交通事故で亡くなり、1973年から地元に戻って農業を始めました。田んぼは3haありましたがコメ余りで価格が下がり、生計が立たず農閑期に出稼ぎに行き、やがて会社勤めを再開して兼業に。農機具メーカーや肥料会社などを転職なさいました。
  機械化貧乏、肥料代や農薬代が経営を圧迫する悪循環を断ち切り、元気に楽しく営農を続ける道を求め、やがておいしさや安心安全の消費者ニーズと連携することの大切さに気付かれ、有機栽培にたどりつきました。
 茨城県は、私の古くからの仲間であるたまごの会や有機農業研究会のメンバーが活躍する、有機農業の盛んなところ。その気風を受けてこの地域の生産者には有機農業を志す人たちが多くいました。

◆微生物とミネラルによる土作りが基本
 斉藤さんは、土作りの基本は生命の源といわれる腐植(ヒューマス)だと考えています。「落ち葉などが朽ちて悠久の時を経て堆積した腐植を、戦後の日本農業は使い切ってしまった。そして微量ミネラルも欠乏していった」と。
 そのため、あゆみの会の野菜を食べている家庭の食品残渣をリサイクルし、その生ゴミに有効微生物群などの微生物資材を使い、さらに貝ミネラル(カルシウム、マグネシウムなど)、ケイ酸などのミネラルを加えて発酵した堆肥を活用し、「サプリメントの要らない、食べて病気が治るような農作物作り」をめざしています。

◆適切な堆肥の使い方が大切
 いうまでもなく、有機肥料を多く使えばよいということではありません。土壌中の微生物をいかに活性化するかがポイントで、腐敗ではなく発酵させて有効菌を増やすことが大切です。
 生産者を多く抱えているあゆみの会では、生産者ごとの技術的レベルの格差が当然問題となります。斉藤さんは熱心に技術指導を行い、オルターへはいつもレベルの高い野菜を届けていただいています。オルターとしても亜硝酸態窒素のモニタリングを常時行い、施肥が行き過ぎないようチェックを怠りません。
 オルターへのご紹介は神戸消費者クラブの前迫志郎代表からでした。


斉藤公雄さん(前列右から2番目)
あゆみの会の無農薬・減農薬の野菜
■「あゆみの会」の栽培基準は
1)有機堆肥を使うこと
 (土づくりには、土質と作柄にあった堆肥作りが必要)
2)土壌消毒はしない
 (土中の微生物を殺す、有機農業とは相反する行為)
3)除草剤はまかないこと
 (畑だけではなく環境にも影響を与える)
4)基本的に反農薬のこと。ただしやむを得ず農薬を使用する場合、その判断は子育てと同様に作物の母親である農家に任せるが、何のために、どのような農薬を何回使用したのか必ず報告すること。お互いに納得できる信頼関係こそ基本である。
5)自家食用と分けないこと(残念ながら多くの農家はきれいな市場出荷用の野菜や果物と、安全な自家食用のものを区別して生産せざるを得ないでいる)

 あゆみの会では以下のような様々な有機資材を工夫して使っています。もちろん生産者や作物によってそれぞれの工夫があります。
 あゆみの会の野菜をとる会員宅の乾燥生ゴミに酵素資材(乳酸菌群、酵母、光合成菌群、放線菌などが作り出す生理活性物質)、海洋系ミネラル、アミノ酸、キトサン、海洋ゲル(貝カルシウム、マグネシウム)、糖蜜、ゼオライトなどを加えて発酵したもの。EMボカシ、オリジナル活性液、木炭、カニ殻、海藻、骨粉、ヒューマス、油粕、魚粕、米ぬか。無農薬の工夫は主としてこの有効微生物を利用する土作りです。
 他にも防虫ネット、木酢液、活性キトサン、ニーム、ヒノキオイル、発酵ストチュー、ニンニク液、シェルionパワー、パパイヤ酵素、オリジナル活性液など天然の殺菌、殺虫剤を工夫しています。
 虫が発生したときには酢と焼酎などから作るアルコール系の「エステル」を作物にかけたりしています。それは虫にアルコールを分解する酵素がないことから、かけた作物を虫が食べたら死んでしまうからです。
 あゆみの会の野菜はこのようにほとんどが無農薬ですが、メロン、すいかなど作物によってはあゆみの会が微農薬栽培と名付けている最少限度の化学農薬を使っているものもあります。あゆみの会では月1回農家の勉強会をして、何が必要か、何がだめなのかを考えています。


関治男さん(小松菜、チンゲン菜、ルッコラ、バジルなど)
市販の野菜の問題点
「食べもの百科」P49を参照してください。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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