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伝統あるヨーロッパの世界最高レベルのチーズを超える国産チーズ
カタログ2011年8月1週号
感動するほどおいしいチーズが勢揃い、人も牛も自然もキラキラと輝いている。


◆超一流のナチュラルチーズ
 北海道十勝平野西北部、新得町のなだらかな丘陵地にある「農事組合法人 共働学舎 新得農場」の宮嶋望代表は、国内はもちろん、世界に出しても通用する超一流のナチュラルチーズを作っています。まさに自然のリズムに沿ってつくる本物の味。
 その牧場や、チーズ工場のたたずまい、そこでいきいきと働く人たちは輝きを放ち、感動的でさえあります。
 飼育している牛は、放牧や粗飼料に向いていて、カゼインの細かい乳質がチーズ作りに最適のブラウンスイス種です。牛の飼い方は、管理している96.4haのうち、46haの牧草地での放牧を基本とし、牛舎は開放的な木造建築(電位を失わないよう)で微生物が活発に働く発酵床になっています。牧場の各所に炭を埋設し、土地のマイナスイオンレベルを上げています。畜産独特の嫌な臭いのない清潔な牧場環境です。
 餌は牧草と国産の粗飼料をたっぷりと与え、ポストハーベスト農薬が問題となる輸入穀物を可能な限り排除しています。
 搾乳したチーズ作り用の原乳は、クリーム粒子など乳質に悪い影響を与えないよう最短距離で、かつ、ポンプを使わない自然落下の力だけでチーズ工場に運ばれ、毎日毎日新鮮なうちに、チーズへと加工しています。
 自社牧場の安全で高品質の原乳だけを使うことで、トレーサビリティなどの安全性を確保するだけでなく、最高品質のチーズ作りを実現しています。

◆牛乳を運ぶな!
 チーズ作りは、フランスチーズの最高権威、フランスAOCチーズ協会(ANAOF)のジャン・ヒュベール会長からの直伝で、「牛乳を運ぶな!」(トレーサビリティを守る、乳を傷めない)という教えを守り、牧畜の土地条件から牛種、製造法、熟成法まで最高の水準で管理しています。
 AOC(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ、原産地統制呼称の略)とは、もともとフランスのボルドー地域の伝統的なほんもののワインを守るため立ち上げられた認証で、チーズやバターなどにも与えられる、たいへん権威のある認証です。オルターとしても将来作っていきたい日本の自然食の認証のお手本とすべきものです。

◆世界トップレベルの賞を次々と受賞
 共働学舎のチーズは、フレッシュタイプ「フロマージュブラン」「クリームチーズ」、ソフトタイプ「雪」「笹ゆき」「コバン」「さくら」「プチ・プレジール」、ウォッシュタイプ「酒蔵」、プレスタイプ「ラクレット」「エメレット」、プレスタックタイプ「シントコ」「レラ・ヘ・ミンタル」、特殊製法ソフトタイプ「チッチ」など、いずれも素晴らしいチーズです。
 このうち、八重桜の花を載せた日本風のチーズ「さくら」は、ヨーロッパで開催された山のチーズのオリンピックで2003年フランスにて銀賞、2004年スイスにて金賞、グランプリを受賞し、Monde Selectionでは2006年金賞、2007年バルセロナ最高金賞を受賞しています。
 さらに、「エメレット」は山のチーズオリンピック2007年ドイツにて銀賞、笹で北海道をアピールした「笹ゆき」はモンドセレクション2007年最高金賞。暖炉の火で溶かして削ってジャガイモやパンに載せて食べる「ラクレット」は1998年第1回オールジャパン・ナチュラルチーズコンテスト最優秀賞、2010年米国ワールドチャンピオンズシップチーズコンテスト・セミハード部門で銀賞を受賞しています。
文字通り世界の最高峰のチーズの中での受賞で、世界に共働学舎のチーズが認められた瞬間です。
 夏期は「酒蔵」「チッチ」「エメレット」を販売しておりません。

◆競争社会ではなく協力社会を
 全国5ヶ所にある共働学舎は、望さんの父、宮嶋真一郎さんが創設したものです。真一郎さんは「婦人之友」を創刊したジャーナリストで、クリスチャンの羽仁吉一・もと子夫妻が創立した、自由学園のカリスマ的教師でした。その自由学園を退職し、「競争社会ではなく、協力社会を」理念に、心や体に不自由を抱える人たちと数人の仲間によって、長野県小谷村で1974年に始めました。新得農場はその4番目の農場として1978年に開設しました。望さんは、自由学園を卒業後、米国ウィスコンシン州のブリーダー(ブラウンスイス牛の育種)牧場で酪農実習経験、ウィスコンシン大・畜産学部を卒業し、帰国後26才のとき奥様の京子さんとともに、共働学舎 新得農場の一からの立ち上げを行う。沢から水を引き、プレハブの住宅、牛舎を建て、さながらサバイバル生活をして今日の見事な牧場作りを成し遂げられました。
 地域にも受け入れられ、1978年には農事組合として法人格を取得しています。

◆まさにソーシャルファーム
 現在、新得農場には心身に障がいをもつ人や家族のない人、鬱、ひきこもり、登校拒否など、この社会にうまくなじめない様々な人間と、チーズ造りや農業を目指す人達70人が集まり、共に暮らし働いています。自然エネルギーの活用と皆で協力することで暮らしの効率を高め、コンパクトな経済で暮らしています。
 「寄付だけに頼るのではなく、農事組合として自立し、給料も払っています。」障害者あるいは労働市場で不利な立場にある人々に仕事に応じた賃金や給料が平等に与えられるソーシャルファームを目指しています。
 欧米では牛乳よりチーズの消費が主であるように、共働学舎のほんもののチーズ作りを理解する心ある生活者、消費者が日本国内でも増えてきてほしいと願っています。共働学舎のチーズ作りのうわさは以前から耳に入っていましたが、これほどのものとは今回取材まで私は知りませんでした。オルターへのご紹介はフードコーディネーターの高井瑞枝さんからです。


共働学舎 新得農場のブラウンスイスナチュラルチーズ
■乳業
ブラウンスイス(成牛24頭、育成牛30頭、肉用牛12頭)
ホルスタイン(成牛23頭、育成牛24頭)

■飼い方
林間放牧地(22ha)で昼夜放牧。乳の活性が高く、熟成したとき深い風味のチーズになります。草の生長点に含まれる酵素をたくさん摂取し、牛の第1胃での発酵をスムーズに行えるよう10cm以下の草を食べさせています。
冬期は開放型(フリーバーン)発酵牛床(バイオベッド)で舎飼い。木造の牛舎の下に炭を埋設し、マイナスイオンを供給して、環境を酸化しにくくし、微生物によってハエや汚水対策をしています。

■粗飼料
牧草(チモシー、オーチャード主体の採草地28ha)、デントコーン(8.4ha)でほぼ確保。他にビートパルプ、醤油カス、たまにヘイキューブ。秋には炭、鉱塩、アースジェネター(土壌菌)をトッピング、牛の第1胃の中をできるだけ野性に近づけている。

■チーズの原料
●牛乳…自社牧場
●レンネット…クリスチャンハンセン社製(ニュージーランド)、子牛レンネット 遺伝子組み換えやBSEの心配はありません。
●乳酸菌

■チーズ工房
乳を傷めないため、ポンプを使わず、搾乳室からチーズ工場のチーズバットまで自然の傾斜を利用した自然流下式。
半地下のチーズの熟成庫はインカの石使いを参考に札幌軟石やレンガを使って、結露のない良い環境にしています。

■製造方法(ラクレット)
@牛乳の搬入
Aクリームの採取
B原料乳の殺菌70℃ 1分
C冷却
D乳酸菌の添加
Eレンネット添加
F静置
Gカッティング
H撹拌
Iホエー排出
J加温
K撹拌
Lカードマット形成
Mフリープレス
N型入れ
Oプレス反転
P冷水浸漬
Q塩漬
R予備乾燥
S熟成
21.カット、包装


市販のチーズの問題点
 チーズの原料は牛乳。したがって牛乳の問題点は全てチーズに共通します。
 エサに輸入穀物を使うのでポストハーベスト農薬が一番問題。動物医薬品による化学薬品も問題。(詳しくは2009年7月5週号を参照。)
 大手メーカーのチーズ作りは、牧場から工場へ運ぶ原乳を使います。クラリファイヤー(遠心分離機)を使って小さなゴミや細菌も分離しています。当然チーズ作りに大切なクリーム粒子などの乳質が劣化し、傷みます。そのため、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウムなどのカルシウム剤を使わないといけなくなります。これらは使いすぎると苦みの原因となります。使われていてもキャリーオーバーで表示されていません。
 一般的に牛乳を凝固させることに使う子牛のレンネットはBSEが疑われて使いにくくなっています。その分遺伝子を組み換えた人工凝固剤が使われるようになっています。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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