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雪害で7割の鶏舎が倒壊、再建中。安保農場の比内地鶏応援感謝セールです
カタログ“2006年6月5週”
●たくさんのご協力、ありがとうございました
 安保農場ではこの冬の大雪で鶏舎が7割も倒壊してしまいました。そのためオルターでも再建応援カンパを実施させていただき、5月31日現在までに合計524,000円のカンパが集まりました。同時に、鶏舎が手狭になった分、少しでも比内地鶏を出荷しようというセールの取り組みにも、たいへん多くの会員さんのご協力を頂戴しました。ご支援ありがとうございました。
 安保鶴美さんと妻の啓子さん、お嬢さんの小春さんからもお礼状が届き、オルター通信927号でご紹介しました。このカタログの裏表紙にも再録しました、併せてご覧ください。
●比内鶏の旨みを十分保った「比内地鶏」
 安保農場とオルターの出会いのきっかけは、オルターの無農薬米生産者、ライスロッヂ大潟の黒瀬正さんが毎年年末に企画なさってきたキリタンポ鍋でした。それに使われている比内地鶏がおいしいので、その生産者、安保鶴美さんをご紹介いただいたのです。安保農場はオルターのモチ米などを生産していただいている、山本開拓農場の土橋敏郎さんのおとなりでもあります。
 安保鶴美さんは比内地鶏を飼って約8年ですが、採卵鶏については20年来のキャリアがあり、そのたまごで作ったマヨネーズは消費者団体に出荷なさっています。
 秋田県比内町原産の在来種「比内鶏」は国内の地鶏の中でも最も改良が遅れ、野生種に近いものです。ヤマドリに似た風味とコクがあり、日本一の美味鶏だと絶賛する人がいますが、現在ではその純粋種は天然記念物に指定されており、もちろん食用に供されることはありません。比内鶏の雄に、外来種のロードアイランドレッドの雌を交配したF1(雑種第一代目)が「比内地鶏」で、比内鶏の風味を十分に保ち、とくに鍋料理に向く、と評判です。


●孵化から精肉加工まで一貫生産
  2003年11月1週カタログ表紙でご紹介した当時は、初生雛を孵化場から仕入れて飼育していましたが、3年前、「自前の雛とエサ。牛飼いだったら当然のことが、なぜか鶏の世界では分業が当たり前。飼料は自家配合で作っているのだから、自前の雛にも挑戦しよう」と一念発起されました。
 秋田県畜産試験場に相談し、比内鳥の原種(初生雛)を導入して、6ヶ月育てて成鶏にし、種卵の生産から始めました。その卵を自分で孵化させた雛を育成して、出荷するのです。「雛つくりは奥が深いよ。毎週水曜日、3週間前の種鶏の状態が通信簿みたいに孵化率という数字で出てきます」と安保さん。親鳥の元気が、元気な雛の基本、そして健康でおいしい比内地鶏の基本です。
 孵化・育成・精肉処理、自家配合での飼料作り、安全・安心のテーマにより近づいた安保農場の比内地鶏。安保さんへの更なる支援と、会員の皆様のカンパなどのご協力に感謝して、再建セールを企画しました。ふるってご注文ください。


安保農場のPHF比内地鶏
■品種:比内地鶏
 (比内鶏♂×ロードアイランドレッド♀)

◆飼料:以下の材料を指定配合したもので す(2006年5月末より)。
●とうもろこし、大豆油かす、コーングルテンミール…PHF(ポストハーベストフリー)、NON-GMO(非遺伝子組み換え)●魚粉●ふすま●米ぬか油かす(※)●炭酸カルシウム●アルファルファミール●動物性油脂(回収食用油)(※)●リン酸カルシウム●食塩●飼料添加物(※)…ビタミンA、D3、B、K、B3、ニコチン酸、パントテン酸、ビタミンB12、メチオニン、コリン、葉酸、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸亜鉛、ヨウ素酸カルシウム、エトキシキン
(※印は、改善が必要と思う原料です)

 この指定配合された飼料に発酵菌(島本酵素)と米ぬか(国産米)、もみがら、鋸くず(国産材)、さらに自家製のジャガイモがあるときはそれを加えて、二晩発酵させています。そのほか、草などの緑餌、ときどきはハーブ(アップルミント)、燻炭(もみがらを炭にしたもの)などを与えています。水は地下水を使用しています。鶏糞は畑に散布して循環させています。

■飼い方
 昨冬までは手作り開放型鶏舎での平飼いでしたが、鶏舎が倒壊したため、ビニールハウス型の単棟鶏舎での平飼いに変更しました。坪あたり15〜16羽の密度です。微生物(島本酵素)を使っていますので臭いがなく快適な鶏舎です。自宅の孵化場の孵化機で卵からかえした初生雛を入れて、180日で仕上げます。出荷時で210日齢ほどになります。予防注射はニューカッスル病ワクチンだけを実施しています。

■精肉加工まで一貫生産 
 安保さんは食鳥処理事業許可証をもっていらっしゃいます。農場で屠殺した鶏は、加工場で骨抜きし、精肉にするまで一貫生産なさっています。そのため、私達からの細かい要求にも対応していただけます。孵化場・生産農場・加工場は明確に分離し、衛生面を重視しています。
 また、加工場の床には炭やゼオライトが使われていますし、鶏肉はマイナスイオン水に浸して雑菌対策を行なっています。流通は真空パック包装で、冷凍扱いです。


  ー文責 西川栄郎ー
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