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100%国産小麦から作られるお麩
カタログ“1999年8月1週”
  麸は小麦粉の蛋白質グルテンを原料に作られる食べものです。しかし、現在ではその原料となる小麦粉のほとんど全てがポストハーベスト農薬のある輸入小麦にとって代わられているのです。自然食業界のいわゆる「無添加」ものでも、原料のグルテンがこのような輸入小麦からのものであり、そのグルテンはむしろ残留農薬が心配な部分の抽出物でもあるのです。そのため、安心して食べることのできる国産小麦を原料としている麸を探しておりましたが、他団体の紹介で、宮田さんの麸に出会うことができました。


古都金沢の老舗、加賀麸司「宮田」
 宮田さんは明治8年創業以来、麸一筋の会社です。古都金沢だから守ることのできたのれんを、戦後も守り続けてこられました。戦後、麸の原料は輸入小麦にとって代わってしまいました。しかし、宮田さんはその小麦をなんとか品種だけでも定められないかと努力されました。そのうち「伝統」を大切にするため、すなわち日本古来の麸に合うには過去の国産小麦に戻すべきとのお考えに至り、その後、ポストハーベスト農薬の問題にも気付く中で、今日のように国産小麦を使われるようになられたのです。
 輸入小麦のグルテンは成分が安定していて焼きやすいものです。それに対して国産は品質にムラがあるものです。そのため、その国産小麦の中から品種の良いものを求められた結果、大きな製粉会社のものでは無理で、札幌の小さな製粉会社の小麦を見つけ、その100%の国産小麦限定で麸作りを続けていらっしゃいます。今では「やっぱり日本の食品には、日本でできる小麦が適している」と確信をもっておられます。
 でも、ほとんどの製粉会社さんが年々の収獲不足で、国産パン用小麦のハルユタカ100%の粉が確保できなくなっている現在、なお単独品種での製粉を維持されているのはどういうことでしょうか? ひとつにはこの両社の関係が長年におよび、製粉会社さんにとっても一番のお得意。その上、麸のグルテンをとるのは小麦の外側部分からで、内側部分からとる上質粉はパン用小麦として使えるため、とのことでした。麸の業界におられる宮田さんでも、他に「国産小麦だけでの麸は一店あるかないか」としか聞いておられないそうで、ひょっとしたら世界唯一のハルユタカ100%の麸かもしれません。
 製造は、今もなお丹念な手作りです。生産者の顔がいつでも見える作り方を心掛けていらっしゃいます。職人の勘や技術を重んじ、常に新しい麸の魅力を提案されています。だからこそ、こんなにも美味しい麸ができているのです。お味噌汁に使えばしっかりとした麸で、「車麸でピザを作ってみたら、今までにない美味しさで、家族にも大好評」なのです。

宮田さんの焼麸・生麸
●焼麸 
<原料>
100%国産小麦(横山製粉のハルユタカ)、国産小麦グルテン(横山製粉のハルユタカを原料に、北国フーズがとった100%国産小麦のグルテン)だけです。餅麸の場合は餅米粉(宮城県産餅米)を加えています。
<製造方法>
グルテン(北国フーズにて、小麦に食塩を加えて練る。水洗いしてでんぷんを除く。)と小麦粉を練って焼く。小麦粉が多いと軽い麸になり、少ないと重たい麸に仕上がります。餅麸の場合は、以上に餅米粉を加えています。車麸の場合は木の棒に巻いて、赤外線電球の直火で焼き上げています。おつゆ麸などは鉄板の上で蒸し焼きにして白く仕上げています。

●生麸 
<原料>
国産小麦グルテン(同上)と餅米粉(同上)をベースに、「よもぎ」は青森県のよもぎ粉、「ゆず」は国産ゆずをスライスして冷凍しておいたもの、「ごま」は大村の練りごま(中国産)を加えています。
<製造方法>
これらの材料を混合して、蒸して仕上げています。「しっとりとまろやかな口当りは風雅のひとこと」に仕上がっています。

宮田の100%国産小麦の手作り麸
●焼麸
・おつゆ麩
・小町麸(おつゆ麸)
・もち麸
・すきやき麸
・車麸
・麸のとんかつ粉:パン粉の代わりに使って下さい。とてもおいしくなります。

●生麸:冷蔵保存(長期保存の場合は冷凍して下さい)
・よもぎ
・ゆず
・ごま

【 メニュー 】
●車麸メニュー
・ピザ風
@車麸は牛乳につけてもどす。
Aツナ缶に玉ねぎのすりおろし少しと辛子マヨネーズを混ぜる。
B形を崩さないように水気を切った車麸の両面に軽く小麦粉を付けて、油をひいたフライパンで少しカリッとするまで焼く。
CBの上にAをのせ、シュレッドチーズとパセリのみじん切りを散らしてオーブントースターで焼く。

●生麸メニュー
・お刺身
真空パックのまま熱湯に3分間浸し、封を切り流水を袋に入れながら、取り出す。好みの大きさに切り刺身たれでお召し上がり下さい。わさびを入れると一層美味しくいただけます。
・ステーキ風
一口大に切った生麸に塩・コショウし、片栗粉を全体にまぶす。フライパンに多めの食用油を入れ、ほんのり両面に、こげ目がつく程度に焼き、残りの油を紙でふきとり火を弱め、ステーキたれ(醤油・みりん)を入れる。器に盛り、削りかつお、ネギ、貝割れを上にのせ、野菜と一緒にお召し上がり下さい。
・フライ田楽
一口大に切り、下味に塩・コショウし、溶き卵・麸粉(パン粉)の順につけ、油で揚げ好みの味噌をつける。
※天ぷらの一品としてもお召し上がり頂けます。
・煮物、鍋物
普通の煮物の中に一品として加えてもよいし、一度揚げてから煮ても又おいしい。


  ―文責 西川栄郎―







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