通信販売の法規(特定商取引に関する法)に基づく表示

怖い外食  驚愕のプロ用ソース
オルター通信933号記事
食品と暮らしの安全No.205(2006.5.1発行)より転載
お好み焼きや、焼きそばを外で食べるときは、厨房を覗いて、ソースを見てからご注文を
「ウスター」「中濃」「濃厚」を置いてあればOKですが、「お好みソース」「焼そばソース」だったら、 ソースを使わない別のメニューにするのが無難です。
 業務スーパーでソースを見たとき、まず2.1kgが298円と、格安なことに驚きました。570gでも138円です。
「お好みソース」「焼そばソース」の原材料表示を見ると、さらにびっくり。野菜と果物がまったく使われていませんでした。
 原材料は多い順に、砂糖、食塩、小麦粉、コーンスターチ、醸造酢……。つまり、小麦粉とコーンスターチで作った糊に、砂糖と塩と酢を混ぜ合わせたものがベースで、それをカラメル色素で茶色にし、香辛料でソースらしい香りを付けて、化学調味料で強烈なうま味を加えたもだったのです。
 「肉のハナマサ」で売っている「プロ仕様」の「焼そばソース」にも、原材料表示には、野菜・果物が書かれていません。それなのにラベルには「野菜やフルーツをベースにしてまろやかに仕上げ」と書かれているので、これは不当表示です。
野菜カスでも使っているだけまし
 疑問なのは、野菜と果物をまったく使っていないのに、「ソース」と呼んでいいのかどうかです。
 日本ソース工業会に聞いてみると、「そんなソースは聞いたことがない」。
 ところが、本来ならソースでない「焼きそばソース」で、焼きそばを作っている店もあるのです。目立つのはお祭りの屋台で、夜店の焼きそばにカロリー以外の栄養素は期待できません。
 ソースの原材料に使われる野菜や果物は、ジュースの搾りかすなどが使われることが多いので、私たちはまっとうな栄養を期待できないと問題にしていました。しかし、それでもまったく使わないとなると話は別です。
 野菜・果物カスでも、使っているだけましだった、と言うほかありません。
 どうしてこんなにひどいソースが存在しているのでしょうか。JASの「ウスターソース類品質表示基準」では、野菜や果物を濃縮したものを用いていないと、「ウスターソース」「中濃ソース」「濃厚ソース」の表示はできません。ですから、JASマークか、この3種類の表示が付いているソースを選んでいれば、常識外れのソースはありません。
 ところが、「お好みソース」や「焼そばソース」には基準がないので、どんな原材料を用いてもいいのです。
「とんかつソース」や「たこ焼きソース」も、表示欄の「品名」に「とんかつソース」「たこ焼きソース」とあれば同様ですが、「濃厚ソース」となっていれば、野菜や果物を使っていなければならなくなります。大手ブランドはすべて濃厚ソースなので、まず大丈夫です。


戻る