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アロマなどに良質なエッセンシャルオイルを
カタログ2010年2月2週号
安全な柑橘から作ったほんもののエッセンシャルオイル。


◆ジュースを搾った残りの皮を活用
 愛媛県西予市明浜町の(株)地域法人 無茶々園(カタログ2002年1月2週号参照)は、有機農業で柑橘栽培に取り組むかたわら、その果皮を活かしたたいへん良質な柑橘系のエッセンシャルオイル(精油)を開発しました。もちろん生産者のわかった伊予柑、ポンカン、甘夏、柚子などの柑橘がその原料です。
 柑橘のほとんどは生食用として私たち消費者に届けられています。しかし規格外などの柑橘はジュース用(ストレート果汁)に回されます。そのジュースを搾った残りの果皮に含まれるオイル分を抽出し、精油を作ります。

◆農閑期の安定した仕事作りを目指しています
 精油の工場は明浜町の無茶々園の敷地の一角にあります。そこで無茶々園のメンバー自らが水蒸気蒸留をして精油作りを行っています。
 いうまでもなく、精油のためだけの精油作りではありません。有機農業に長年取り組んできたみかん産地・無茶々園が、柑橘の有効利用と農閑期の安定した仕事の確立を目指して行う精油作りです。地域起こしの新たなチャレンジです。

◆アロマ効果が期待
 農薬漬けの市販の柑橘を使った精油の場合、いちばん農薬が残留している果皮から精油へ農薬が濃縮され、その農薬をアロマで嗅ぐということになってしまいます。その点、無茶々園の精油は、オルターに届いている安全な柑橘と同じ栽培方法の柑橘果皮から作られますので安心です。
 伊予柑・ポンカンは甘い香りが特徴で、誰にも親しみやすい香りです。甘夏は甘さに渋さが加わったような香りが特徴です。柚子は爽やかな香りが特徴です。これら柑橘系の精油の主成分はリモネンで、人に対する血流促進作用や、不安・緊張を和らげる鎮静作用があることが知られており、空気中の殺菌作用もあります。
 (株)風水プロジェクトの安荘栄代表がこの無茶々園の精油作りの後押しをし、販売も担当しています。
 風水プロジェクトでは世界各地の良心的なエッセンシャルオイルを紹介する取り組みもしています。安代表は「食べもの百科」P348でご紹介したこだわりのペットフードの紹介者でもあります。


無茶々園のエッセンシャルオイル
■原料
 (株)地域法人  無茶々園の生産者が十分に安全性を配慮して栽培している柑橘類(伊予柑、ポンカン、甘夏、柚子)(オルター栽培基準:原則として☆☆)。
 栽培方法は無農薬・無化学肥料栽培が原則です。果皮に影響を与えない開花前に、有機JAS法でも使用が認められているマシン油、銅剤を使うことは認めています。ただし病虫害の異常発生時に許可制で一部化学農薬を使うことがあります。除草剤、化学肥料は使用していません。詳しくはカタログ2002年1月2週号参照。精油原料として、最低限の農薬の使用に徹していること、収穫までに間隔をあけていること、薬剤を限定していることから、問題はないと考えられます。

■製造方法
@冷凍果皮
Aスライス
B蒸留器に投入
C蒸留器下部に水を入れ、沸騰させて水蒸気蒸留
D蒸気冷却
E静置
Fオイル分のみ分離
G成分分析
H瓶詰め

■エッセンシャルオイルの種類
●伊予柑エッセンシャルオイル
 甘い香りが特徴。主成分:リモネン。
 作用:人に対して血流促進作用や、不安・緊張を和らげる鎮静作用

●ポンカンエッセンシャルオイル
 ほの甘い優しい香りが特徴。主成分:リモネン。作用:同上

●甘夏エッセンシャルオイル
 甘さに渋さが加わったような香りが特徴。主成分:リモネン。作用:同上

●柚子エッセンシャルオイル
 爽やかな柚子の香りが特徴。主成分:リモネン。作用:同上


市販のエッセンシャルオイルの問題点
 アロマセラピー(芳香療法)に植物の精油が使われています。精油に含まれている薬効成分が症状に直接作用を及ぼしますので、アロマセラピー効果は精油の効果に左右されます。アロマセラピーに際して、マッサージや吸入により精油が体内に取り込まれますので、その品質が高くピュアなものであることが必要です。アロマセラピーを安全に効果的に行うためには精油が良質であることが前提です。しかし、精油は一般的には雑貨扱いとされており、内容成分の規制はありません。
 良質な精油の場合、1tの植物から例えばユーカリは20kg、ラベンダー10kg、ゼラニウム1〜3kg、ローズ30〜80gしか抽出されません。したがってたいへん高価なもので、種類によって価格差もあります。100円均一で売れることなどありえません。しかし現実には安い精油もどきが出回っています。それを可能にする偽装技術は、まず工業製品レベルの合成香料を使うことです。粗悪な合成香料入りのものがアロマセラピー用として売られているのは安全上たいへん問題です。アロマセラピー効果も期待できません。バラやジャスミンなど花びらを使うものは、水蒸気蒸留では大量に花弁を必要とするので、アブソリュートというアルコールを抽出に使用する方法がありますが、溶剤が最終製品に若干残りますので肌へのマッサージ用には向きません。
 ある種の精油では、皮膚に対する刺激が少なくなり成分自体が変性しにくくなるようモノテンペル炭化水素類という成分を抜くことがあるそうですが、この成分がないと空気中に噴霧しても殺菌効果は発揮できません。
 種類の異なった似た香りの植物の精油を混ぜるケースがあります。抽出量が多く安価なラバンジン(ラベンダーの一系列)をラベンダーと偽っていることがあります。効果・効能は真正ラベンダーよりも弱く、またカンファーという刺激の強い成分が多く含有しているため、マッサージに使用して接触性皮膚炎を起こした事例があります。また高価なバラの代わりに、バラと似たゼラニウムやパルマローザをバラと称して販売しているところもあります。
合成香料などは含まれていなくて植物と水だけで抽出しているという100%ピュアでナチュラルな精油といっても、残留農薬をチェックしなければ(とくに柑橘類)、農薬は蒸発してくるものがありますので、アロマセラピーで農薬を吸入するということになりかねません。したがって原料段階から農薬を使用していないものを選ぶことが大切です。残留農薬のない有機栽培された植物の精油がアロマセラピー用としてベストの品質だといえます。ただし、天然物だけに供給の不安定さや価格が比較的高価という問題はあります。
 精油を購入する際、使用した植物の学名、原産国、抽出部位、抽出方法、ロット番号、有機栽培の植物を使用しているか、含有成分が明示されているかがチェックポイントです。また遮光瓶に入っていることも大切です。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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