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北海道・青森・秋田・新潟にも汚染の懸念? 放射能分析の優先順位を上げます
オルター通信1212号 記事
オルター代表
西川榮郎

 米国宇宙研究大学連合USRAの安成哲平研究員らの研究チームがまとめ、11月15日の米国科学アカデミー紀要電子版に発表した、日本国内におけるセシウム137の土壌分布シミュレーション(推計値)がマスコミで報道されました。これについて、何人かの会員からは、関西方面や、北海道、青森県の農産物汚染は大丈夫なのかという問い合わせをいただきました。
 このシミュレーションは、実測値ではありませんが、わたしたちがこれまでに入手していたデータとの大きな差異はなく、汚染傾向としては、ほぼこのようなものだと考えてよいものと思います。食べものに1Bq/kg以上の汚染の可能性があるとオルターが判断している地域と、このシミュレーションにおいて土壌が100Bq/kg以上の汚染があると推定されている地域とは、長野県を除いてほぼ重なっています。
 シミュレーションでは長野県の土壌汚染は5Bq/kg以下となっています。しかし、オルターとしては、すぐに警戒を解くことはせずに、今後データの蓄積をはかっていきます。したがいまして、食べものに1Bq/kg以上の汚染の可能性があるとオルターが見なしている地域は、福島、宮城、岩手、山形、茨城、栃木、群馬、千葉、埼玉、東京、山梨、長野、神奈川、静岡、とこれまで通りの各地域で、変更はありません。
 西日本にまで汚染が及んでいたか、という点については、もちろん皆無ではなく、しかし、その量は十分に少量であったと判断し、問題にする緊急性は低いと考えています。
 ただし、北海道、青森、秋田、新潟に関する推定値は、10〜100Bq/kg程度の土壌汚染の可能性がシミュレーションされていますので、これまでより警戒の度合いを高める必要があると判断しています。
 しかし、秋田県の黒瀬米などは、1Bq/kg以下であることは実測済みです。それとともに、これらの地域の生産者の皆さんには、消費者の安心のためにも、検出限界が1Bq/kgの測定・調査を行っていただくように、あらためて要請しました。
 これらの地域での、これまでの実測値データからすると、食べものが1Bq/kg以上汚染している地域であるとは考えていませんが、小さな子どものいる家庭では、12月14日から運用を予定している「オルター分析センター」での正確な判断ができるまで、念のために警戒をしておいてください。


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