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国産小麦の風味、固さが特徴。
◆「地産地消」の道長さんプロデュース 愛知県岡崎市にある神谷製菓、神谷忠弘三代目社長は、自然食業界向けのかりんとうを専門に作っています。オルターへは、オルターの漬物の生産者、道長さんプロデュースの「地粉かれんとう」「つぶ塩がりんとう」を出荷していただいています。 「地粉かれんとう」は、いわゆる黒糖かりんとうです。日頃から地産地消の活動をしている道長さんが親交のある米農家「こだわり農場鈴木」の鈴木晋示さんの作った小麦を使って何か加工品が作れないかと考え、かりんとう作りを思いついたのが製造のきっかけでした。大手のかりんとう会社では小回りをきかせてくれないため、規模の小さな神谷製菓にかりんとう作りを打診してみたところ、快く引き受けていただけました。 神谷忠弘さんは大学時代、工学を学び、バンド活動もしていた異色の生産者。新製品の開発が大好きです。一般のかりんとうは強力の小麦粉を使っています。鈴木さんの小麦粉はどちらかというと中力粉。グルテン(小麦粉蛋白)が少なく、試作当初はなかなか思うようにはなりませんでした。完成までに数ヶ月もかかり、完成したのは2007年です。今でも日々の気温や湿度に合わせて、水分量、練り加減、酵母の量、発酵時間の調整に職人技を必要としています。 鈴木さんのグルテンの少ない小麦粉で作るかりんとうはどうしても固めになります。そのかわり黒糖が生地の中に浸み込むことなく、さっぱりとした甘味となり、地粉の風味がしっかりした特徴のあるかりんとうとして評判は上々です。
◆がりんとうと命名 「地粉かれんとう」が好評で、さらなるかりんとうの開発ということになり、道長さんはいろんな人に参加を呼びかけ、加工品学習会を開催、半年かけて姉妹品としての「つぶ塩がりんとう」を開発しました。硬派な歯ごたえということで“がりんとう”と命名しました。 非加熱天日海水塩を塩粒のまま生地に練り込んでいますので、口の中で噛むうちに塩粒にあたると心地よい海の味が広がります。神谷製菓ならではの逸品です。神谷さん曰く、これほどかりんとう作りで苦労したことはなかったそうです。
◆どだわ印のかりんとう 道長さんがプロデュースするこだわりは、小麦粉の製粉にもあります。製粉は愛知県武豊町の「わっぱ知多共働事業所」で行っています。障がいを持つ人たちの笑顔がそこにあります。 全ての材料にもこだわっています。揚げ油は太田油脂のオーストラリア産非遺伝子組換え菜種の圧搾一番しぼり、洗いゴマは、オルターのゴマの生産者である国産胡麻栽培ネットワークの金ゴマ、風味付けのための大豆粉はこだわり農場鈴木の大豆を焙煎してきな粉にし、発芽抑制因子(ミトコンドリア毒)を失活させ安全にしています。 オルターとしては、放射能汚染可能性地域と考える愛知県産原料が使われているため、注意深くチェックをしています。小麦粉は現在のところ、3・11事故前の2010年産を使っています。事故後のものに切替わるまでに対策を完了していただく予定です。 ゴマはND(検出限界 1Bq/kg)を確認しています。
◆健康的がモットー 神谷製菓のある岡崎市福寿町周辺は、昔から製菓業が盛んな城下町です。神谷製菓の初代である三代目の祖父、神谷一雄さんは戦後、1953年に創業しました。ろくに食べるものがなかった戦後、甘いものが好まれると考えてのことでした。 現在の神谷製菓の自然食業界向けというコンセプトを考えたのは二代目である三代目の父、神谷武司さんでした。食品添加物を使うと大手メーカーといっしょになってしまい、特徴がなくなる。折りしも自然食ブーム到来。「健康的なもの」を作るのがこれからのメーカーのあるべき姿であると。
◆職人の創意工夫に満ちた工場 神谷製菓の工場は、たいへん創意工夫に満ちたすばらしい工場です。パン用のミキサーで混合、麺用の機械で成型、あげ用の機械で揚げるなど随所に工夫を加えています。このような工程のベースは二代目がつくり、三代目がそれに改良を加えてきました。小ロット単位の製造が可能で、道長さんのこだわりのプロデュースが実現したのでした。 神谷忠弘さんは通天閣で開催した「通天閣で知るほんまもん」イベントで初めて、消費者から直接生の声を聞けて大いに刺激を受けたとおっしゃっています。
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≪地粉かれんとう≫
■原料
●小麦粉 こだわり農場鈴木(愛知県豊川市)が栽培した小麦 慣行栽培レベル 農薬使用7回を、種子消毒を温湯殺菌に切り替え、2回に(オルター基準 ◆ )をわっぱの会 知多共働事業所で製粉。3・11事故前2010年産を使用。 事故後2011年以降産に切替えるまでに放射能対策を完了する予定。
●黒糖 西表製糖(沖縄県西表島産)
●菜種油 太田油脂 オーストラリア産、非遺伝子組換え菜種 圧搾一番搾り。n-ヘキサン、消泡剤不使用。
●洗いゴマ 和田萬商店 国産胡麻栽培ネットワーク(キコソーレ) 亀山周史さんら(愛知県安城市)栽培の金ゴマ(オルター基準☆☆☆)(ND) 拙著「あなたのいのちを守る安全な食べもの百科」p35参照
●天然酵母 白神こだま酵母 秋田十条化成 拙著「あなたのいのちを守る安全な食べもの百科」p119参照
●食塩 カンホアの塩(ベトナム カンホア省)天日海水塩
■製造工程 @原料混合 A発酵 B成型 C油揚げ D蜜かけ E乾燥 F冷却 G選別
≪つぶ塩がりんとう≫
■原料
●小麦粉・・・同上
●菜種油・・・同上
●てんさい糖・・・ホクレン甜菜糖
●食塩ソルトビー・・・非加熱天日海水塩(高知県黒潮町)
●洗いゴマ・・・同上
●重曹・・・丸紅商会 純度100%
●大豆粉 こだわり農場鈴木(愛知県豊川市)の大豆(オルター基準 ◆ )を愛恵ワークスで焙煎・製粉。 発芽抑制因子アブシジン酸ABA(ミトコンドリア毒)を無害化するよう焙煎して、きなこに加工しています。 3・11事故前2010年産を使用。 事故後2011年以降産に切替えるまでに放射能対策を完了する予定。
■製造工程 @原料混合 A成型 B油揚げ C冷却 D選別 E計量、包装 F計量、包装
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原料の小麦粉はポストハーベスト農薬の問題のある輸入小麦が使われています。揚げ油はポストハーベスト農薬や遺伝子組換え、さらにはトランス脂肪酸の問題のある輸入穀物原料の大豆油、コーン油が使われています。水アメにはポストハーベスト農薬などが問題となるトウモロコシ由来の異性化糖が使われます。生地を膨らませるのにトランス脂肪酸などの問題のあるショートニングが使われています。 食品添加物としては、長期保存を目的とする酸化防止剤、さらに、合成着色料、合成香料などが使われています。
―文責 西川榮郎(オルター代表)―
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