通信販売の法規(特定商取引に関する法)に基づく表示

8月わいわいゲスト小出宗治さんごあいさつ
オルター通信936号記事
「マッチカラー」と私   
    企業組合 まっち絵具製造   代表理事  小出宗治
大手メーカーの粗悪な絵の具
 私と水彩絵の具との出会いは、私が中学生になった頃ですから今から56年も前の事です。
 小学生時代の私は、絵の大嫌いな子供でした。
ある熱心な美術教師との出会いが、私を一変させ、数人の仲間と無我夢中で絵を描きまくりました。この時はやがて、不幸な時代がやってくる事をまったく知りませんでした。
 不幸な時代とは、1985年に制定された「水彩絵の具」のJIS (日本工業規格)です。工業規格ですから、毒物等、品質の規格でしたら制定は当然の事かと思います。このJIS規格は、「学童用水彩絵の具」を対象に制定されたものです。この規格は、毒物の規制は緩やかで、色は「37色」。容器は「金属押し出しチューブ」と定められました。色も、使う原材料も同じ、容器も同じとゆう事になれば、この規格の制定に名を連ねる、大量に作るメーカーに都合の良い絵の具を子供達は、いやでも使う事になります。案の定、使いにくい「学童用不透明水彩絵の具12色」という奇妙な絵の具が市場を席巻する事になりました。
 心ある中小のメーカーは廃業せざるを得なく、この規格に反発した「資生堂」さえ業界から撤退しました。
 この絵の具の不透明という事は、半透明で白い増量剤を多量に入れた、安価な絵の具に、他なりません。
 色は汚いし、混色すれば、ひどい濁りを起こします。色数の多い物ならと、多色組みも使ってみましたが中間色が増やされているだけです。ツーンとした嫌な臭いも致します。あきらめて、きれいで色数の多い「油絵の具」に転向せざるを得ませんでした。


アメリカの絵の具にビックリ!

 東京に出て、絵や他の芸術を学んでいた私に思わぬ転機がやってきました。
 長野県とアメリカのミズリー州とが姉妹都市提携が結ばれ子供の絵の交換がなされました。
アメリカの子供達の絵は、明るく、色彩も豊富で、伸び伸びとした表現がなされています。“驚愕”しました。それに比べて日本の子供の絵は、色は貧しく、表現がいじけているようにさえ見えました。何が原因かを調べましたら、日本の子供達とアメリカの子供達が使う絵の具とは歴然とした違いがあります。日本の子供達の不幸を見過ごす事は出来ません。

 絵の具の色と材質、色組みの研究に没頭しました。
知己を得た、日本の水彩絵の具の創始者から、製造技術も学びました。科学、化学、物理、生物。絵の具に必要な知識は貪欲に学びました。
 この研究結果を持って、日本の実情をお話し、数社のメーカーを説得して回りました。「「JIS規格」の製品を作っている。何をいまさら」と、どのメーカーも相手にさえして貰えませんでした。
 如何しても、子供達の幸せな成長を思う気持ちが捨てがたく、自分で作るより仕方が無いと決意しました。住まいの一角に製造機械を入れ、妻と二人で「理想の絵の具」を求めて絵の具の製造に着手を致しました。
 「使う子供達の為の絵の具」を考えJIS規格を全て無視し、チューブは子供が落としても壊れず、中身の色が外から見える「ポリチューブ」を考案し、開け易い大きなキャップの形態も考えました。すぐ壊れる紙箱も廃止し「ポリ(ポリスオレフィン)袋」を採用。安全性を何より重視し、JIS規格で容認されている有毒物を一切排除しました。混色の不得手な子供の事を考え、混色せずにも使える色と色が調和する色組みの絵の具、「まっちカラー19色」を誕生させました。

 「JIS規格に反した絵の具。」として、他のメーカーから逆宣伝の集中砲火を浴びました。JIS規格の監督官庁・工業技術院からも、「メーカー組合に加盟し、JIS規格の製品を作るように」との再三勧告を受けました。
 しかし、「子供達の為の」という信念は妥協する事無く、二人三脚で貫き通しました。やがて先生方の理解も、消費者の皆様のご理解も得、長野県の企業誘致もあり、現在の地に工場を移し、同志と共に、組合を設立しました。
 この地は、農業地帯の真ん中です。毒物は使わない、排水にも毒物は混入させない、という、自己規制にもなります。
日本製絵の具から有害物
 私共の正しさが証明されたのは少し年月が立ってからです。

 香港に輸出された日本製の大手メーカーの商品、色鉛筆や水彩絵の具から、規制値を超える毒物が検出され押収されると言う事件が起きました。
 これは、絵の具で申せば、「JIS規格のチューブ、金属押し出しチューブ」が原因です。チューブの金属は、重金属の「鉛」を薄い錫メッキをしているものです。ここから、安価の顔料や、有機溶剤、界面活性剤が金属を侵食し、鉛等が、絵の具に溶け出していたのです。大手メーカーは、なりふり構わずチューブも包材も私共の類似品を、作りました。笑止としか申せません。


混色しても濁らない絵の具を開発
 
さて、水彩絵の具の理想を求め研究開発の手は緩めず十数年前、漸くこの理想を達成しました。

 「水彩絵の具の色を混色すると、なぜ濁りが出るのだろう。」という疑問から現在の絵の具の研究に着手しました。
 絵の具の色は、光の反射と吸収により私共の目に入り色として識別します。絵の具の色の元は顔料と言い、それぞれの色は固有の結晶体から出来ています。その結晶体の粒子の形状や、大きさは様々です。一つの色が、そのままでも濁って見えるとすれば、それはその色自身が持つ結晶体の粒子の大きさや、形状が、ばらばらな大きさをしているからだと気が付きました。
 各色の粒子の大きさや、形状を統一してやれば、反射角度は一定になりますので色は何色混ぜても、色は決して濁って見えないはずです。色同士の、粒子の大きさは、どの大きさの時、一番良く混ざり合うのだろう。
いろいろな、大きさの顔料を作り、実験を開始しました。

 ある外国の古い文献に、「白と黒を混合した時、1ミクロンの大きさの時が一番良く混ざり合う。」という記述を見つけました(1ミクロンは、1ミリメートルの1,000分の1)。では、結晶の異なる各色の顔料を、この大きさに、統一してやるにはどのように顔料を作れば良いのか、何回も試験を繰り返しましたが、研究は行き詰まりました。
 ある晩、空に輝く星を見つめていましたら、「星や地球が丸い形状をしているのは、星雲がある条件の時、無数に結び付き、球体を作るからだ」と気が付きました。
また、一度結び付いた星雲の塊は、堅固な結び付きをし、決して離れる事はありません。これが、結論で、様々な研究の結果、1ミクロンの大きさと一定の大きさの粒子を作るのには、これを更に細分化(0.01ミクロン〜0.1ミクロン)して、これにある粘度を持たせ、ある回転数を与えると任意な大きさに結合する。という結論が見つかりました。
 ここに到達しましたのは「うどん打ち」をしている時の、分子の結び付きがヒントになりました。すなわち「造粒力学」です。こうして出来たのが、堅固な結び付きをした、大きさも形状も統一された顔料の粒子です。

 こうして作った顔料で絵の具を作ってみました。鮮明な発色が得られ、同じ粒子の大きさと、形状を持つ顔料の絵の具では、他の色と混合しても、まったく色に濁りは出ません。これに、幾多の改良を重ね、作り上げたのが、私共の絵の具です。
安全性の追求
 次は、安全性の追求です。
 古来より、水彩絵の具に使用する糊は、西アフリカ原産のアラビアゴムが最適とされています(スーダン、ナイジェリア、タンザニア)。良質の物はスーダンの物です。
 この糊を精製し、不純物を除いた物は、医薬品や食品に使われています。このアラビアゴムの不純物を除いた物は、腐敗が少なく、多くの防腐剤を使う必要はありません。今、急増している「化学物質過敏症」の患者さんにも安心して使って頂けます。
 大阪では、この専門医療機関「ふくずみアレルギークリニック」で、病院に絵の具の見本を置き、患者さんに勧めて下さっています。いまや「化学物質過敏症」の患者さんの喜びの声が多数寄せられ患者さんの「駆け込み寺」になっています。

 学童用、専門家用を問わず、市販の絵の具の糊は、利益の追求から、澱粉を原料とした、「デキストリン」が使われています(アラビアゴムの20分の1の価格)。
澱粉は腐敗し易く、多量の防腐剤(劇毒物の〈石炭酸・フェノール〉や有機リン)が使われています。この物質が薬害を引き起こすのです。
 悲しい現実ですが、日本のJIS、ヨーロッパのCE、アメリカのAPでもこの現実を容認しています。私共が製造する絵の具は、この規格の申請はしておりません。

 価格は、何方にもお使い頂けるよう製造の合理化により、良質、低価格を実現しています。


以下は、ホームページ「商品コンセプト」からの引用文です。
 “使う人の立場での水彩絵の具作り”。一言でいえばこれが私共の考え方です。
Match Colors(マッチカラー)は専門家用絵の具に負けずとも劣らない高品質でありながら低価格、しかも安全性が高く、けんろうな耐久性を併せ持っています。
低価格な絵の具は粗悪品であるのが当然、毒物も絵の具であるから許される。といった安易な考えを、使う人の立場から問い直しました。
環境を守り、人体を薬害から守ることが私共製造者の使命だと考えます。先人の知恵に学び、安全性をどこまでも追求する。そのことが私共製造者の努めであると思います。

Match Colorsは高品質です。
従来の「絵の具」では、色を混ぜれば確実に彩度が低下しますが、Match Colorsは色を混ぜても、鮮やかさを失いません。 
Match Colorsは3原色の原理を、「絵の具」で実現しました。 
Match Colorsは混色しても化学変化を起こしません。 
Match Colorsは定着力が強いため、油面以外のものなら何にでも描くことができます。 
Match Colorsは安全です。
Match Colorsは毒性のない顔料だけを厳選して使っています。 
Match Colorsは人体に大変有害なフェノールを添加していません。 
Match Colorsは、鉛が溶け出す可能性が高い金属チューブを使わず、ポリチューブを使用しています。 
Match Colorsは高品質でありながら低価格です。
Match(まっち)は英語の「調和」の意味から名付けました。
 「色の調和」と言う狭い意味からではなく、「ユーザーと生産者の調和」、さらには「人間の創造性と自然との調和」を商品作りの根幹を成すものと考えています。
 堅牢さと、使い易さの追求。これ等の理想を常に求め続ける創造性と技術開発が、世界に例の無い、従来の常識を超えた、優れた製品を生み出しています。

このたび、「オルター」様のお誘いを受け、ご当地に参ります。皆様とご一緒に、この絵の具を使って実際に体験をなさって、ご覧になりませんか。ご質問は何でもお受け致します。
 当日、他社の絵の具、学童用でも専門家用でも構いません。お持ちの方はご持参頂く様お願い致します。塗り比べ、使い比べを致して見ましょう。
参加のご希望や、ご質問が御座いましたら、事前に「オルター」様まで、お寄せ下さい。

楽しい一日を皆様と過ごさせて頂ければ幸いと存じます。



戻る