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土佐のカツオ節は、 まっことウマイきに
カタログ2013年3月1週号
近代鰹節製法発祥の地 宇佐の伝統技術が生きる絶品の土佐節。
◆「農林水産大臣賞」の逸品
 高知県土佐市宇佐町にある(有)竹内商店の2代目、竹内 昌作さんは、現在のような鰹節を創った発祥の地として知られる宇佐で、昔ながらの鰹節作りに一番向いている焚納屋で焙乾する伝統製法で、今なお鰹節製造を続けています。竹内商店の「カビ付け本格派の鰹節」は丁寧に時間をかけて行う焙乾、カビ付け、天日干しの工程を経て、約4ヶ月もの期間をかけて仕上げられ、その風味は絶品、まさに鰹節職人の技が光る逸品です。宇佐でも数軒ほどになった節屋の中で、伝統の本枯節を作っているのは、竹内さんを入れてわずか2軒となっています。2012年に行われた第19回全国鰹節類品評会において、竹内商店の鰹本節(本枯節)が見事、一等賞である「農林水産大臣賞」を受賞しました。
 この品評会は、近年5年に1度開催されるいわば業界のオリンピックのようなもので、ここで評価されるということは全国の鰹節生産者の中でトップクラスの腕を持つ証となります。
 もともとカツオを干すだけのものは古くからありましたが、江戸時代に煙でカツオを燻す製法が紀州(和歌山県)で確立され、それが土佐に伝えられた後、バラ(小骨)抜きし、本格的に薪で燻して焙乾し、カビ付けして、天日干しで仕上げる、いわゆる現在の本節(本枯節)へと改良したのが、宇佐の播磨屋亀蔵と佐之助だといわれています。
 宇佐は昔よりカツオの一本釣り漁が盛んな土地柄で、それとともに鰹節製造業が盛んとなり、改良土佐節が発祥したのです。今から200年ほど前の江戸後期のことでした。その後、この製法は土佐藩内の鰹節産地へ、そして枕崎や焼津など全国の鰹節産地へと拡がっていきました。
 竹内商店の「枯本節削り」は、本枯節を使いやすいように削ったもので、通常流通している荒節を削ったものとは一味違い、本格的な本枯節の風味を手軽に楽しみたい方におすすめです。
 「荒節」は、土佐市宇佐近隣の雑木林のナラ、カシ、サクラ、クヌギなどを燃料木として使用し、約20〜30日間焙乾して仕上げたカビ付け前の鰹節で、分厚く削り、天日干しにした削り節です。生臭さがなく、透明な澄んだ出汁が取れます。
 「土佐のかつおの花吹雪」は、土佐の近海において伝統の一本釣り漁で獲った新鮮な鰹を限定して作った土佐節といえる荒節です。土佐近海でのカツオの漁獲量が減って希少な品となっています。
 「宗田節」は、ソウダガツオが原料の鰹節で、マガツオの鰹節より濃厚な出汁がとれ、独特の味と香りで、濃口醤油や味噌を使った味の濃い料理の出汁に合います。
 「新節削り」は、2日〜3日の焙乾で仕上げた半生タイプの削り節で、少ししっとりとして焙乾の風味が強いので、そのまま召し上がるか、漬物、ほうれん草のおひたしなどにかけて楽しめます。マヨネーズとの相性も良く、サラダにも向いています。
 「生節」は 30〜40分火入れしただけの半生タイプの柔らかい鰹節です。スライスしてそのまま食べられます。
 「焼きかつお」は、新鮮なカツオを天日塩を使用して、独自の製法で焼き上げた焼鰹です。オーブンなどで軽く温めて、ポン酢、マヨネーズで、またはサラダの具として重宝します。

◆検出限界1Bq/Kgで放射能対策済み
 3・11福島原発事故以降、太平洋に多くの放射能が流れ出し、遊泳力のあるカツオはオルターとして要注意の魚種のひとつと考えています。竹内商店の本枯節、宗田節など全ロットについて検出限界1Bq/Kgの不検出を確認しています。
 昔ほど家庭で出汁を使わなくなったことや、外国産の安い鰹節の流通などの影響から、現在の高知県内の鰹節製造の主流は、あまり時間をかけずに作れる“生節”などの商品に移っており、本節の「土佐節」を製造しているエ場はわずかになっています。また生産現場においては、熟練の鰹節職人の高齢化、後継者不足と、「土佐節」を取り巻く製造環境は厳しい状況にあります。
 竹内商店でも、各ご家庭で手軽に使える“新節”や“生節”などの製造が多くなっていますが、それでも良い物は良い、「土佐節」製造の技術を残していきたい、との思いから、新しい技術を取り入れながらも、こだわりの伝統製法で質の良い本節の製造を続けておられます。
 外食産業はもちろん、今や家庭まで化学系調味料や即席出汁を使う時代です。しかし、それらには脳障害や発ガン性の心配があるだけでなく、画一的な味、料理となっています。おいしく安全な食生活には、できるだけ鰹節と昆布で本物の出汁をとってほしいものです。意外と簡単なことなので、面倒くさがらなくてもよいのです。


竹内商店の鰹節
■原料
 現在は主に脂分の少ない南方の冷凍鰹と、高知県沖で捕れる近海一本釣り鰹を使っています。生節用には、焼津で水揚げされる東沖(千葉〜気仙沼)の脂ののった冷凍もの、いわゆるトロガツオを使います。

■製造方法
 作り方は今なお昔ながらの製造方法を大切にし、5層になっている焚納屋で、下の方の段で強く乾燥させたあと、だんだん上の方へ火から遠ざけるようにしてじんわり乾燥させ、手前、奥へとまんべんなく乾燥するように、幾度となく手間ひまをかけて作っておられます。鰹節作りの労働力は昔から女性が中心。竹内商店でもそのほとんどが女性です。
 酸化防止剤など化学薬品を使用しておりません。

■本枯節の工程
@解凍(冷凍魚を使用する場合の工程)

A「生切り」(カツオ切り)
「土佐切り」と呼ばれる独特のさばき方でカツオを3枚におろす。大は1匹で4本
(背、腹)…「本節」という。小は1匹で2本…「亀節」という。

B籠立て
ザルのようなものに1本1本並べ、釜に入れる。並べ方が悪いと身の反った形の悪い節になるので注意深い作業です。

C煮熟(しゃじゅく)
しばらく釜で煮る(95℃の熱湯で約1時間40分)。

D放冷
高知ではこの煮た状態の節のことを「ナマリ節」と呼んでいます。おいしくいただけます。

Eバラ抜き
釜から揚げ、小骨を抜く。

F水抜き(焙乾)
「そくい」の前に一度焚納屋で軽く焙乾を行い、水分を抜きます。

Gそくい(モミツケ)
カツオの骨など、節に使わない部位についている身をミンチ(すり身)にして「モミ」を作ります。
「モミ」を水に伸ばしながら節の傷や欠けた部位に擦り込み、形を整えます。
こうすることで焙乾や、天日干しで節が乾燥するときに起こる身割れを防ぎます。全て手作業です。

H焙乾(燻蒸・乾燥)
焚納屋と呼ばれる焙炉(ほいろ、地下と地上部5階)で格子棚に並べ、下から木をたいて、燻しながら焙乾する。一気に乾燥させると表面だけ乾いて内部に水分が残ったり、節が割れたりするため、乾き具合を見ながら約1ヶ月もの期間に亘って、「燻しては休ませる」を何度も繰り返し、ゆっくりと水分を抜き乾燥させます。使う薪は地元産のナラ、カシ、サクラ、クヌギなど堅い木を使っています。そのため味、香りが大変良くなります。機械化されたやり方ではないので、煙のつき具合が違います。

I削り作業
焚納屋から出し、天日干しした後(全て天日干しです)、タール分で黒くなった部分を削りながら整形。

J天日干し・カビ付け
カビ付けしては干す作業を4回繰り返す。天日干しは殺菌と水分の乾燥のため。休み休みやらないと節の中に隙間ができる。カビ付け室(むろ)で1回約2〜3週間おく。通常は3〜4回これを行っています。カビ付けは加湿器のついたカビ室で青カビ付けします。カビ付けすることによって余分の脂をカビに食べさせ、保存性を高め、味もよくします。

K本枯れ 
約4ヶ月かかって仕上り。仕上りは原魚の1/5の重量になります。このサイクルは昔は年2回の仕事でしたが、現在は年3回しています。

■荒節の工程
 本枯節の削り作業の後、カビ付けへ回さず使う。通常の花かつおはこれを薄く削ります。

■生節の工程
 原料は冷凍のカツオを使う。「火入れ」作業を30分〜40分、1回だけした後、真空包装しています。

■本枯節の保存
 未開封であれば常温で6ヶ月間。開封後は食品用ラップで巻き、冷蔵庫で保管してください。虫がつかないように、ときどき天日干しします。


●鰹本枯節
鰹節削り器で削ってお使い下さい。
最高の出汁が楽しめます。

●荒削り節
カビ付けしていませんが、約1ヶ月燻した本格的鰹節です。
上品な出汁が出ます。

●新節削り
3日程度の燻しで、マイルドで食べやすい製品です。醤油をつけて、おにぎりに入れるなど、そのままで食べるものです。

●宗田節
ソウダガツオが原料です。鰹節より濃い出汁が出ます。プ口はこれと鰹節を混合して出汁を工夫しています。サバ節のようなくさみがなく、おいしいです。

●生節
これも切ってそのまま食べるもので、そのまま酒の肴にしたり、マヨネーズやドレッシングをかけて食べたり、小さくきざんでチャーハンに入れたりして食べます。

●粉がつお
宇佐の組合で竹内さんの鰹節を花かつおパック用に削っています。削ったときに出る脂肪の多いところの粉ではなく、その花かつおをパック詰めするときに出る、花かつお自体の上粉です。したがってすばらしく美しい粉です。従来は竹内さんの原料以外の宇佐の組合の上粉もいっしょに、竹内さんの粉がつおとして出荷していましたが、今回ご紹介しているものは「竹内さんの放射性セシウム1Bq/kg以下・NDと確認されたもの」もしくは同様にNDが確認されたものに限定しています。この限定は海の安全性が確認できるまで続けます。したがって、粉がつおの数量に限りがありますので、注文が多すぎると欠品になる可能性があります。


市販の出汁の 問題点
 市販の鰹節の場合、機械を使って大量生産します。薪ガスを併用して熱を逃がさない構造の部屋で強制的に熱や煙を送って、短時間に仕上げているのです。そのため、どうしても十分に煙もつかず、風味も焚納屋で時間をかけて行う焙乾に比べて劣るのです。
 以前は鰹以外の魚を、鰹節に仕立てていたこともあり問題となりました。最近ではニセモノを作るほど鰹節が売れなくなったせいか、あまりそのようなニセモノは聞かれなくなってはいます。
 原料の冷凍魚に使われる酸化防止剤のような薬品や、味付けした製品に使われる調味料なども心配です。
 グルタミン酸ナトリウム(通常アミノ酸と表示されている化学調味料)は急性脳障害である中華料理症候群の原因になります。犬肉を食べるアジアの国で、肉エサにそれをたくさん入れて、食べてひっくり返った犬を捕獲するという話があるくらいです。味の素の有害性が知られるようになってからこのグルタミン酸に核酸素(イノシン酸など)を加えたうまみ調味料が登場していますが、本質的には何も変わっていません。第3世界の人々の毛髪を薬品で加水分解して作る蛋白加水分解物が市販の加工食品によく使われていますが、これは発ガン性が問題となっています。「○○出汁」と天然系を装っているものも本質的に同類です。これらの出汁に鰹を原料にと謳っているものも、使っているのは鰹節ではなく、鰹節を作るとき最初に煮るときの捨てるような煮汁を利用しているのです。



―文責 西川榮郎(NPO法人 安全な食べものネットワーク オルター代表)―



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