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白糠産の本ししゃも、絶品です。
カタログ“2000年1月1週”
 北海道の共同購入団体、しっでぃぐりーんネットワーク(代表 川原智道さん)から紹介していただいた山内 明三さんの本ししゃもなど海産物をご紹介します。現在市販されているししゃものほとんどは外国産です。アイスランド産(スマートな形をしている。放射能汚染の心配あり。)、千島沖産(カペリン、樺太ししゃもとも呼ばれている。200カイリ以前は日本の漁船が漁獲していたので、国産ししゃもとして売られてきた。現在は入漁料を払っている。)などであり、いずれもキュウリウオ科でししゃもの仲間です。これに対し、そのおいしさから市場で最上級の評価を受けているのは北海道白糠沖(太平洋)で獲れるししゃも(本ししゃも)です。通常のししゃもは買い上げたらいったん冷凍して、そのあとで干されていきます。しかし、山内さんのところでは、冷凍せず、干せる日に仕入れた分を、その日のうちに生のまま天日干しにしているのです。これが山内さんのししゃもがめちゃくちゃおいしい秘密なのです。今年はなぜかししゃもが不漁で、例年の1/10程度しか獲れません。残念ながら市価も高騰しています。遅れて獲れるのか、このまま獲れないのかわかりません。しかし、出来たししゃもの出来は非常に良いとのことです。
本ししゃも
本ししゃも―冷凍―
ししゃもの本場である白糠産のししゃもだけを使っています。獲れたその日のうちに(通常は次の日)、塩(輸入天日塩)をさっとまぶして軽く塩味をつけ、水洗い後に1日干します。酸化防止剤など一切の薬品を使っていません。一番味ののる時期のものだけを使って造ります。ししゃもというと、どうしても子持ちししゃもが持て囃されますが、おいしいのは卵に栄養をとられていないオスの方なのです。天日干しした物を冷凍にしてのお届けです。家庭で焼くときは必ず冷凍のままで焼いて下さい。大きさを分けない無選別で価格を下げています。

ししゃも干しの風景
ししゃもの食べ方あれこれ
素焼き・・・冷凍のまま中火で焼いて下さい。
天ぷら・・・表面が少し溶けたら、ころもを付け170℃〜180℃の油で揚げる。
鍋・・・昆布、カツオでとっただし汁に好みの野菜を入れて沸騰したら、ししゃもを最後に入れて、ひと煮立ちさせる。
カラ揚・・・醤油、おろししょうが、お酒で漬汁を作り、お酒でししゃもをさっと洗った物を10分〜20分漬汁に漬けておき、小麦粉をつけ170℃〜180℃の油で揚げる。
保存・・・冷凍で保管

市販のししゃも
どこの産地のものか、素人には判断がなかなか難しいのです。冷凍時の薬品の使用や、また機械干しでも天日干しでも照りを出すために薬品を使います。また酸化防止剤の使用も一般的です。とくにノルウェー沖から大量に日本にくるものは放射能汚染や薬品使用が問題です。

オルター大阪で扱っている三陸水産のししゃも
千島沖の冷凍ししゃも(昔は、これも日本の漁船が獲っていたので、国産ししゃもとして売られていた)が使われています。これを三陸水産で薬品を使わずに天日干しにしています。冷凍のためお味は落ちることになります。

山漬けの秋味(昔ながらの塩ザケ)
山漬けは、伝統的かつ秘伝的な秋味(サケ)の保存方法で旨みを逃がさず凝縮させ、長期保存ができるようにしたものです。しかし造るのに非常に手間と時間がかかるのと、長い経験を必要とするために、ほとんど造れる人がいなくなってしまいました。昔はこの山漬けの秋味を漁師に給金として渡し、その山漬けを町で金銭に換えたと言われています。山内さんは、白糠沖の定置網で獲れた魚体の大きなオス(4〜5kg)だけを使用しています。オスの方が身がおいしいからです。獲れたその日のうちに天日塩(輸入もの)で塩漬けにして重しをかけて、約4日おきます。その後、塩をさっと洗い流して天日干しに適した気候になるまで冷凍にします。通常は11月中頃、解凍して塩抜きしたサケを一匹づつひもで縛り、1〜2週間かけてじっくり浜の天日干しにして造り上げます。造り方を読むと誰でも作れそうですが、魚の選び方、魚に合わせた塩の使い方(使う塩によっても出来上りが全く違います)、重しの仕方、天日干しの天候、気温、風向き、干し加減などなど意外と難しいのです。山内さんは数少ない、本物の山漬けを造れる人なのです。


   ―文責 西川栄郎―



山漬け秋味をもつ、山内明三さん
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