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古細菌(光合成細菌)を有効活用した有機農業
カタログ“2007年6月4週”
古細菌(光合成細菌)を有効活用した有機農業
オルターから山ひとつ向こうの地元産地。
環境を大切に循環農業に取り組み、おいしい野菜を届けています。


●ルーツは梁瀬義亮医師
 
 奈良県五條市の故・梁瀬義亮医師は、病院に治療にやってくる農家の人々の症状が農薬中毒によるものだと気付き、早くから国内で農薬の危険性と農薬を使わない有機農業の必要性を社会に向けて訴えられました。梁瀬先生の活動は有吉佐和子著「複合汚染」でも紹介されています。
 この梁瀬先生の影響で、奈良県や和歌山県は有機農業を志す農家をたくさん輩出しました。當麻有機の会の永座康全会長もその中のお一人で、奈良県有機農業連絡協議会の会長も務めておられます。
 永座康全さんの畑は、戦前戦後もずっと農薬や除草剤を使わずに農業を続けてこられました。1978年に永座有機園を設立し、有機農業を旗印として活動を開始。やがて百貨店やスーパーなど市場で認められ始め、仲間の農作物も共同で出荷が始まりました。しかし、市場ではその仲間の農家の品物も永座有機園の名称で並べられていたため、会の名称を変えることにし、1995年からは當麻有機の会と名乗ることになりました。


●小林達治博士の光合成細菌の技術が光っています
 當麻有機の会の栽培技術の中心は、京都大学の小林達治農学博士提唱の光合成細菌を使った技術です。
 光合成細菌とは太古の地球から生き続けていると言われているいわゆる古細菌グループに属する細菌で、有機農業において良質な土を保障する技術です。土壌中の悪い菌にもそれなりの役割があり、光合成細菌の働きで悪い菌がおとなしくなり、良い菌と悪い菌の共存共栄が実現して土が蘇るのです。
 この小林達治博士の光合成細菌の農業技術は、沖縄大学の比嘉照夫博士に大きな影響を与え、EM菌の開発につながりました。まさに微生物を活用する農法の主要な柱となった技術です。


●若い後継者が育っています

 當麻有機の会は、永座康全会長が60才代ですが、あとの6人のメンバーは第二世代の30〜40才代のバリバリの中堅で、たいへん若く頼もしいグループです。しかも、オルターからは二上山を越えて20分もかからない最も近い農家グループのひとつで、今後は軟弱野菜の出荷など、オルターの主力生産グループに成長していただきたい生産農家グループです。
 オルターとの出会いは奈良よつ葉牛乳を飲む会からのご紹介で、私の徳島時代からの長いお付き合いです。


當麻有機の会
●生産者
永座康全、中井秀靖、奥野修司、奥野和樹、永座孝泰、西勝美、下村恵郎(敬称略)

●農薬
オルターへの出荷は原則無農薬のものをお願いしています。栽培者、畑、作物によって下記の種類があります。

有機栽培(オルター基準★★)…農薬使用ありません。認証:奈良県防疫協会。
無農薬無化学肥料栽培(オルター基準☆☆)…農薬使用ありません。有機栽培と同じレベルですが、有機認証を取得していないもの。
低農薬栽培(オルター基準◆)…最少限の農薬使用のあるもの。

農薬の代用として、漢方農剤(黄苓、黄担、苫参、大黄)、フェロモントラップ、食酢、アクト(海藻抽出エキス、ニームオイル、パインオイル、トールオイル、ヤシ油、ヒマシ油、蒸留水)、BT剤(有機除外農薬)など農業用資材を使っています。

●肥料
本田肥料は、堆肥(當麻地力増進組合共同堆肥舎にて製造。原料は牛糞60%、もみ殻30〜35%、米ぬか及び微生物剤5〜10%)、魚粕有機、セルカ、オーレスG(光合成細菌、放線菌、酵母)、光合成細菌(ランソウ類)、ソフトシリカ、コーヒー粕、マリネックス(海洋性珪藻抽出物)、ブライオゾーア(苔虫類化石)、サンゴ・貝化石。育苗床土は、山土65%、ピートモス(北海道産)25%、バーミキュライト10%、オーレスG微量。

●主な出荷物
春…アスパラ、新玉ねぎ、食用アロ  エ等
夏…新玉ねぎ、なす、ピーマン、ト  マト、オクラ等
秋…小松菜、いんげん、わけぎ等
冬…ホーレン草、大根、水菜、春菊、キャベツ等


市販の野菜の問題点
 収量を上げる目的で化学肥料を使っています。そのため、亜硝酸態窒素が多く含まれています。たとえ有機質肥料を使う場合でも、施肥量が多い場合はやはり亜硝酸態窒素の問題が起こります。この亜硝酸態窒素は、アクとしてにが味・えぐ味・しぶ味などまずさの原因となるだけでなく、その成分は血液中のヘモグロビンを破壊するため貧血の原因ともなっています。また電子レンジでの料理や口で咀嚼する段階で、蛋白質と結びついてジメチルニトロソアミンなど発ガン物質の発生の原因ともなります。
 このアクの多い分、栄養価が少なく、国が行なう日本食品標準成分表の調査でここ二十数年、日本の野菜の栄養価が激減している原因となっています。ゆがくとこのアクが煮汁に逃げて、野菜はすっかりぺしゃんこのカサとなり、結局は割高な野菜なのです。
 化学肥料を使えば、作物も土も病弱となり、その結果が農薬使用につながります。出荷直前まで農薬を使用しているケースもあり、最近では海外からポストハーベスト農薬が使われた野菜・果物までが続々とスーパーなどに登場してきているのです。
 市販の野菜には国の基準(その基準もずいぶん甘い)を超える農薬が残留しているものが珍しくありません。また有機を名乗っていても偽りのケースも起こっています。無農薬、有機栽培はその前提としてまず「顔の見える関係=提携」「情報公開」が必要なのです。
 防虫対策に木酢液を使う農家が増えていますが、その木酢液の原料に注意が必要です。なぜなら、建築廃材の捨て場に困った業者が、炭や木酢液のブームに目をつけ、建築廃材を炭や木酢液にして安く売っているからです。建築材などには白アリ用のヒ素が使われているものがあり、そのヒ素が木酢液に含まれています。


―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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