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今年の6月ある関西の企業の幹部社員研修を行った時、夕食として市販のサンドイッチが出されて、驚きました。 ―この企業の経営者は自社の従業員の健康をどう思っているのだろうか? (実際は、実に真面目で、誠実な経営者でした。) 私がそう思った理由は、2つあります。 その1つは、市販のサンドイッチは食品添加物まみれであることが常識だからです。 このことに関しては、『週刊現代』(2006年7月29日号)の記事を引用しましょう。 たとえば、皆さんがよくコンビニで買うミックスサンド。これにはのべ60〜80種類もの添加物が使われています。例えば、卵サンドイッチの具のゆで卵があんなに鮮やかな黄色をしているのは着色料が使われているためです。 パンに塗られていて、皆きんがマヨネーズだと思っているものも、じつはマヨネーズではありません。これは、水と油を乳化させたものに、とろみをつける増粘多糖類、酸味料、グルタミン酸などのうまみ添加物を混ぜたものです。 具のハムや野菜の変質や変色を防ぎ、日持ちをさせるためにpH調整剤も使用されています。pH調整剤とは一つの物質ではなく、本当は4種類から多いと10種類くらいの添加物を混合し、一括りにした呼び名です。こうすることで実際にどんな添加物がどのくらい入っているのか消費者には分からなくなっています。 (同誌、41〜42ページから)
でも、私が本当に驚いた理由は、2つ目の理由でした。 それは、そのサンドイッチにマーガリンが塗られていたことでした。 エヴァ・カンボ著『脳を育てる食べもの』(川本英明訳、創元社)から引用します。 水素添加された脂肪に注意 油を安定させたり、扱いやすくするために、食品工場では熱や圧力を加え、油に水素添加する処理を施すことがよくあります。このプロセスを経ると脂質の分子構造は完全に変性してしまいます。つまり、多くの水素原子が付着するために飽和してしまい、栄養価の点でもっている多くの長所を失ってしまうわけです。実際に、化学の世界では”トランス型”と呼ばれる未知の物質に変化し、消化酵素も容易に受け付けず、私たちの健康に害を及ぼす物質になってしまうのです。 マーガリンは、ほぼ全体が水素添加された脂肪で作られていますし、ビスケットやタルト、生クリームを使ったケーキなどオーブンで焼いた大部分の菓子類、加工食品、フライ料理、各種ソースなどにも水素添加された脂肪が含まれています。 いずれにせよ、マーガリンは食卓に載せるのは避けたほうがよいでしょう。 (後略) そうなのです。健康のことを考えれば、マーガリンは食べないほうがよいものです。
2006年6月16日の日経産業新聞に次のような記事がありました。 トランス脂肪酸含んだ調理油 波紋 米消費者団体、KFC提訴―使用中止求める ウェンデーズは切り替え
6月16日の日経産業新聞から、続けて引用します。 [ロサンゼルス=猪瀬聖]米国で心臓病との関連があるとされるトランス脂肪酸(TFA)を含んだ調理油の使用が社会問題になり、食品業界を揺るがしている。米政府が今年からTFA含有量の表示を義務付け、消費者団体もTFAを含んだ調理油の使用中止などを求めてファーストフード大手を提訴し始めた。TFA規制が世界的に広がりを見せるなか、早急な対応を迫られそうだ。 米有力消費者団体の公益科学センター(CSPI)はこのほどケンタッキー・フライド・チキン(KFC)やピザハットなどを展開する米ファーストフード大手のヤム・ブランズを相手取り、TFAを各む調理油の使用中止などを求めてワシントンの裁判所に提訴した。 CSPIは「KFCがフライドチキンなどを揚げる際にTFAを多く生成する調理油を使用していると主張。別の調理油に切り替えるか、顧客への『警告』を店舗に表示するように求めている。CSPIによると、例えばフライドチキン三ピースを各むセットメニューは15グラムのTFAを含むが、これは大人が一週間に摂取してよい量の上限を上回るという。 (後略) ▼トランス型脂肪酸:植物油で食品を揚げたり焼いたりする際に生じる副生成物。動脈硬化のリスクを高めるとの研究結果もあり、米政府は今年から加工食品の栄養成分表示欄にTFAの含有量を明記するよう義務付けた。 ニューヨーク市は昨夏から市内レストランや食品店にTFAを含む調理油の使用自粛を呼び掛け、欧州ではデンマークが2004年から全食品のTFA含有量を2%以下に制限するなどTFA規制の動きはせ界的に広がっている。 (後略) 翻訳家の高瀬まどかさんから聞いたところ、アメリカ(米)では0.5%以下、カナダでは0.2%以下でないと、トランスファット・フリーとは言わないそうです。 (ニューヨーク在住のフードライターからの情報)
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