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『 興農ファームの名誉のために発言します。』
通信890号記事
私たちはともにポストハーベスト農薬・遺伝子組換え・飼料添加物・動物医薬品(抗生物質を含む)を追放しています。
 某宅配団体が、その会員向けに右図の内容のチラシを配ったそうです。
これを見たオルターの会員I.K.さんから「興農ファームの牛肉は大丈夫ですか」
との質問があり、それに添付されていて入手したものです。

 飼料添加の抗生物質は当然使用すべきではないものです。「食品と暮らしの安全」基金は反抗生物質キャンペーンをしていたのにトキワグループと興農ファームの子牛用ミルクに抗生物質が使われていたのを知らずに勧めていたために、謝罪記事を出されました。
 オルターとしては、興農ファームの飼育管理において、子豚には離乳時期に1日あたりせいぜい10gまでの粉ミルクを10日間他の離乳食に混ぜて与えていたこと、子牛には興農ファーム到着後約30日間粉ミルクを与えていたことを了解してきています。粉ミルクを与えていたことはオルターカタログ2001年11月4週号でも明記しています。
 粉ミルクに輸入脱脂粉乳を加える際には、国の指導で抗生物質の添加が義務付けられています。これまでは、粉ミルクの開発を興農ファームが単独ですることは難しく、しかも粉ミルクの給与をせずに育成する態勢もとれないという状況判断から、興農ファームさんとしては、やむをえず使用を続けておられました。
 現在、一般に市販されている家畜用の粉ミルクにはすべて例外なく抗生物質が入っており、この宅配団体が取り扱っている肉も、子豚段階では、新生児期に母乳が与えられていたとしても、離乳時には離乳食に粉ミルクが混合されないで育成されることはまずありえません。
 オルターの立場としては、粉ミルクの抗生物質については、やがては改善する必要があるという指摘にとどめておりました。なぜなら、抗生物質の代謝は1週間程度と比較的速く、子豚や子牛が成長して、その影響が数ヵ月後あるいは1年数ヵ月後に私たちが食べる肉にまで残るようなものではないので、離乳期に限定されている抗生物質の利用に関する取り組みは、課題としての優先順位は高くないと判断したからでした。
 それよりも、むしろ現在、粉ミルクを与える場合に気をつけなければならないのは、狂牛病の原因といわれている代用乳への肉骨粉の使用です。こちらのほうは、成長後も狂牛病感染の恐れを持ち続けるわけですから、当然ながら排除していただいています。また、畜産の場合、赤ちゃんのときの抗生物質摂取も問題がないとは言いませんが、肉にされる直前まで食べ続けているエサの輸入穀物のポスト・ハーベスト農薬汚染や、遺伝子組換えのほうがはるかに実害が大きいのです。だから、可能な限りエサを国産のものに切り替えて、努力されている興農ファームの基本姿勢をオルターとしては高く評価しています。
 ちなみに、現在の興農ファームは、子豚用の粉ミルクについて、試験的に開発した抗生物質のないものにすでに切り替えを終えています。また、子牛用についても、(株)兼松と共同研究・開発した、国産の脱脂粉乳を使ったものへ切り替えを終えています。ただし、輸入脱脂粉乳を使った製造ラインを共用していますので、ごく微量ながら従来品の混入の可能性は残っています。
 このような水準の抗生物質をことさらに大きく取り上げながら、ポストハーベスト農薬などのエサそのものの安全性については中途半端なままにしているならば、それはこっけいとしか言いようがありません。
 重箱の隅をつついて、これまで努力をしてきた生産者つぶしを図るようなことは、安全な食べものを求める運動としては不適切なことだと言わざるをえません。
 この宅配団体が扱っている牛肉は、飼育している牛ではなく、北海道・標津で市場のせりに出された牛を購入し、パック詰めしたもので、抗生物質はもとよりポストハーベスト農薬や遺伝子組換え、飼料添加物、動物医薬品の投与などに関して、まったくトレーサビリティーの確保されていないものという情報があります。豚については飼育はしていますが、与えているエサは、オルターの扱っているもののような、ポストハーベスト農薬、遺伝子組換え、放射能汚染などのチェックはできていないもののはずです。抗生物質についても前述したような離乳期の粉ミルクからのキャリーオーバーまでは排除できていないはずです。今一度みずからが扱っている畜産物のエサの安全性はどうなのか、見つめなおされたら良いのではないでしょうか。
 また、有機野菜に関してはわりと熱心に取り組んで来られた団体だと評価しておりました。しかし残念ながら、その取扱い品目の中には、ニセ有機ともいうべき生産者がいらっしゃるという情報があります。かつて、オルターとして問題があることを指摘して取扱いを停止した「ハートのふとん」や「黒ウサギ印のカレー」もいまだに扱っておられます。タイ米でできた「味の母」をみりんとして取扱い、トランス脂肪酸で揚げたお菓子も取り扱っています。
 このように、オルターの仕様水準から見ると、改善なさったほうが良い品物をたくさん扱っておられるようです。消費者のためには、この現状をこそ早く改善なさるようおすすめしたいと思います。
 興農ファームと提携している関西の団体は、オルターを含めて3団体。そのうち、大阪は2団体です。オルター以外のもう一団体は大阪での活動をまだほとんどしていないので、このチラシは、事実上オルターを名指ししたものだということになります。
 仲間をおとし入れるようなキャンペーンは、言うまでもなく、「有機」的な世界観とは相容れないものです。
 オルターは食べものの安全性において、その時点で国内最高水準の品揃えをし続けていると自負しており、今後ともこの姿勢を貫いて行く覚悟でいることを改めて申し上げます。
    
    安全な食べものネットワーク 
     オルター 代表 西川栄郎

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