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有機農業にうってつけの新しい品種 山形 95号、極上の食味のお米
カタログ2015年1月3週
平家ホタルが飛びかう40年間農薬不使用の田んぼから届きます。
◆平家ホタルが飛びかう無農薬の田んぼ
 高畠町有機農業提携センターの星 寛治さんは、高畠町上和田の水がきれいで、昼夜の寒暖差が大きい、まほろば(盆地)のおいしい米どころにおいて、粒が大きく、香りよく、食味が極上のおコメ、山形95号を農薬不使用で栽培しています。有機農業に40年間取りくんできた星さんの田んぼの土や泥は、微生物の活気にあふれ、通常の土よりプラス3℃と地温が高く(冷害に強い)、田んぼには平家ホタルが飛びかいます。

◆有機農業にうってつけの米
 山形95号は山形県水田農業試験場で試験中の新しい品種でニックネームはまだありません。病気に強い、冷害に強い、倒伏しにくいなどの特徴がある今までにない画期的な品種で、農薬を使わない有機農業にうってつけの品種です。星さんの田んぼのある高畠町上和田の気候にもよく合っています。星さんとしても今後コメ作の主力品種にしたいと考えておられます。
 山形95号はいもち病圃場抵抗性“強”の良食味品種の育成を目標に、「山形69号」を母に「奥羽366号(後の「ちゅらひかり」)」を父に品種改良されました。話題の品種「つやひめ」の姉妹品種です。高畠町有機農業提携センターの仲間の生産者の中でも栽培面積を拡大中です。
 2013年私が、急逝されたそばの生産者 後藤 治さんのご葬儀に出席させていただいたおり、星さんから大変おいしいお米がある、よかったらオルターでどうぞ企画して下さいとおっしゃっていただいたものです。世に出るのはこれからの品種の特別なお米です。

◆日本の有機農業の草分けのお一人
 星 寛治さんは高畠町有機農業提携センターの前身、高畠町有機農業研究会を1973年に 20代の若い農民38名とともに結成しました。研究会を結成した直接のきっかけは、前年の1972年、リンゴが病害のため全滅し、近代農法による地力の衰えを実感したことでした。当時高畠町の農業には、農薬使用による農民たちの健康被害、田畑の土の地力低下と生産力の減退、生物相の衰退など環境の異変、農家の自給の質の喪失、過剰投資や出稼ぎなど農家経営の困難さなど、農業近代化の悪影響が拡大、深化していました。
 星さんら研究会のメンバーは「儲かる農業」「出稼ぎ」を拒否し、近代農業と対峙する「もうひとつの農業」を志し、「農民の自立」「自給力の向上」「生きた土作り」「健康で安全な食べもの作り」「環境を守る」などを合言葉に、自給的農業への回帰を開始しました。
 星さんたち高畠町有機農業研究会のこの活動は、有吉佐和子著「複合汚染」で紹介され、私たち全国の消費者団体とも提携が始まりました。
 1975年には NHK「一億人の経済、よみがえる土」で紹介。1990年には都市市民との交流拠点たかはた共生塾を開始。1991年スタジオジブリ、高畑勲監督のアニメーション映画「おもひでぽろぽろ」のモデルにもなりました。1997年には 800人の農家で高畠有機農業推進協議会が結成されました。2004年にはNHKラジオ深夜便「心の時代」で「土のぬくもり」が放送。2008年には高畠町として「食と農のまちづくり条例」を制定するまでになりました。
 現在、高畠町では特別栽培レベルまで合わせると、町の農家の実に半数以上が何らかの形で有機農業を実践しており、まさに「有機の里」と呼ぶにふさわしい活況を呈しています。星さんのこれまでの功績は大きく、まさに日本の有機農業運動の草分けのお一人です。
 嬉しいことに、この星さんの志は、高校三年生の孫、星 航希さんが後を継ぐと言ってくれています。
 農民詩人としても活躍し、長年教育委員長を務められた星さんは、山形県から斎藤茂吉文化賞も受賞しています。

◆生きている土からの贈りもの
 高畠町有機農業研究会発足から 40年経った今、一時は姿を消していたアカトンボ、タニシ、ドジョウ、フナ、ホタルが戻ってきました。生きている土からの贈りものである生産が安定し、本物の食べものを、その価値を共有し、提携関係を結んできた全国の自覚的な消費者市民に届けることができるようになっています。
 3・11の福島原発事故で一時は絶望的と思われた高畠町の環境でしたが、放射能測定を進めてきた結果、オルターの放射能防衛ライン1Bq/kg以下の安全な状況を保っていることがわかりました。福島県と山形県の県境にそびえる奥羽山脈が、有機の里高畠町を守ってくれたのです。
 高畠町有機農業提携センターの仲間の生産者の皆様の取りくみは、これまで「中川 信行さんのリンゴ」(「あなたのいのちを守る安全な食べもの百科」p.60)、「後藤 治さんのそば」(オルターカタログ2010年3月2週号)、「河合 三夫・泰子さんのブドウ」(オルターカタログ2014年8月4週号)、中川 信行さんの架掛米(オルターカタログ2010年2月4週号)、星 寛治、中川 信行、渡部 務、高橋 稔、猪野 惣一、本田 哲夫さんの米(オルターカタログ2011年5月4週号)、「佐藤ぶどう酒の高畠ワイン」(オルターカタログ2010年12月3週号)、高畠町上和田農産物加工生産組合のみそ(オルターカタログ2010年3月1週号)などでご紹介してきました。


星 寛治さんの天日干し農薬不使用米 山形 95号☆☆☆
■防除
種子消毒、床土消毒、育苗中防除を含めて、
一切の農薬の使用はありません。
カメ虫対策としてニーム液(センダンの樹液)や
桧の木酢液を使うことがあります。

■除草
手除草、マガモ放し飼いによる除草 10羽/10a

■肥料
●牛糞堆肥
地元の酪農家のもの  施肥量は10a当たり1tと控えめです。 
●水田用 
網中産業(JAS 認証)粒状有機664(菜種油カス、骨粉、魚粉、米糠など) 20kg/10a
●ボカシ  
網中産業(JAS 認証)アミノ薬元853(魚類蛋白液、脱脂糖<吸着剤>、ポテトグルテンフィード<吸着剤>) 20kg/10a
●タフライト 
山形県産 天然鉱物(土壌改良用)



―文責 西川榮郎(NPO法人  安全な食べものネットワーク  オルター代表)―



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