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震災孤児の自立支援 ムトーの家 建設にご協力を
オルター通信1201号 記事
東日本大震災
子ども達の自立を支援するネットワーク(NPO法人申請準備中)
理事長 山本朝子

 6月より毎月の被災地訪問を行っています。被害は、テレビの画像で見る以上、まさしく想像を絶するものです。親を失った子ども達、愛する家族と生活の場を失った人達の悲しみが溢れ、今なおも積み上げられている「がれきの山」が復興の遠さ、進行の鈍さを物語っています。それでも、現状を乗り越えようと努力をされているこの地の人々の気持ちの強さには頭が下がる想いです。私たちが支援をさせて頂くと言うよりも、こちらが教えられ、励まされる事の方が多いのが現状です。こんな時にこそ、実力を発揮するべきであろう公的な支援は、行政機能自体が大打撃を受けているためもあって、遅々として進まず、ましてや、細やかな暖かい配慮が添えられるはずもありません。震災、津波、原発事故の三重苦にあえぐ国も地方行政も力量を超えた悲惨な現状の前で立ちつくしているようなものです。赤十字が3000億円を越える義援金を集め、著名人が教育支援基金を設立し、銀行は手厚い融資制度をスタートさせました。これら、個人に分配される機会均等的な支援は、たいへん重要です。しかし、大きな金額も分けてしまえば、一人が享受できる金額は驚くほど僅かになり、到底失ったものを償えるものではありません。
 そこで、こう考えました。
『もし、支援金を個別で分けてしまわず、まとまった金額を一括りに使い、複数の人達が利用できる、たとえば、家族を失った人達がお互いを支え合い、共に生活できる支援施設(ファミリーホーム)のようなものが建設できたら、善意のお金はもっと有効に使えるのではないか? 』
『常日頃から安心安全な暮らしを目指して活動している私たちが、個人で、又は団体同士で協働し合い、できるだけ早く機能可能な、しかも永く継続可能な形で、このような支援施設の創生を実行に移せたらどんなに良いだろう!』
『良い食べものと良い環境、そして、木造のすばらしい居住スペースを子ども達に!』
 しかし、ファミリーホーム建設には、行政を巻き込む福祉の形が必然です。この要において、滋賀県で永きに渡り、田村一二先生のお考えを柱として福祉活動をされてきた茗荷村、社会福祉法人美輪湖の家グループの高城一哉さん(理事長)、茗荷おおきな木の山梶さん((暮らしを考える会滋賀というオルターACさんの代表でもある)から、そういう活動をされるなら、力を合わせましょうと、全面的にご指導を頂けるとの嬉しいお申し出がありました。

 オルターでは災害後集めさせて頂いた「被災地の生産者さんへの義援金を募る千縁カンパ」の残り1.259.809円を、この支援プロジェクトに寄付することを決定して頂きました。
 
 このカンパ金は、当初オルター生産者で被災された方々にお送りしたもので、その後も継続してご寄付頂いた金額の残金を会員の皆様のご主旨に合うよう使わせて頂く方法を画策しておりました。おかげさまでこの活動は、被災地での創業という意義のある社会貢献も果たせそうです。
 人と人との繋がりは暖かい絆を次々と深め、まるで美しい紡ぎ物が織り上がるように続いていくものです。
 私たちの動きを知ったパプアニューギニア海産の武藤さんご夫妻からありがたいご提案がありました。武藤さんは、震災と津波で会社社屋と工場、お店の全てを失いました。津波により市全体が壊滅的な被害を受けた石巻での復活は、残念ながら事実上不可能との判断から、大阪の地で再起を図っておられるのですが、ファミリーホーム建設を目指されるなら、津波を免れた高台のご自宅を、このプロジェクトのサンプルとなるよう、茗荷村さんにファミリーホームとして使ってもらいたいとおっしゃるのです。人の集まる暖かいスペースを創りたいと、木造でケミカルフリー、薪ストーブを入れ、コンサートもできるようにと人一倍のこだわりで作った広いご自宅を、いくら高値が付くと言われてもお金にいとめをつけず、売ってほしいと言う人たちに手渡すと言う選択肢は自分たちには断固としてないのだと・・。
 この申し出を受けて、高城さんは、もうすでに7月初旬、住民票を宮城県に移し、武藤さんのご自宅に居住、総指揮を執って下さっていて、山梶さんは、そのサポートを細やかに行って下さっています。滋賀県からは、被災地支援、福祉関係の職員の方が現地に出向いて下さり、宮城県への働きかけに強力なサポートをして頂きました。
 ファミリーホーム建設時に必要な具体的な手続きはすでに始まっています。現地スタッフの配備は、地元で活躍され、温かい心の交流を紡いでこられた武藤さんご夫妻の縁故知己に頼り、すでに必要な人数と必要な資格をお持ちの方々にお願いすることができています。
 ファミリーホームを運営する母体となる「運営委員会」も立ち上げ、第一回目の会合も開きました。初めて福祉の仕事に関わることになる現地スタッフは、高城さん山梶さんを始め、茗荷村の経験ある皆さんの指導を受けながら、里親になるための公的研修を受け、的確に機能できる体制を取ることになっています。
 さて、現在、武藤さんご自宅は、ファミリーホーム「ムトーの家」と名付けられ、子ども達を迎える準備に忙しい日々を送っています。お世話できる子どもさんの数は色々な年齢にわたって合計6〜7名、数名の住み込み職員の方の居住スペースも含みます。できる限り早く、9月1日の開所を目指し急ピッチでいくつかの改修工事を進める必要がありますが、急転直下な良い動きに嬉しい悲鳴です。武藤さんご夫婦、高城さん、山梶さん、会員の皆さんに心より感謝申し上げます。武藤さんのお気持ちを大切にしつつ、ファミリーホーム化までの道筋を公表しながら支援を募っていこう、2軒目三軒目のファミリーホームの建設をめざし、組織を調えていこう、この活動を世に確かなものとして広め、賛同者を増やしていこうと思っています。
 荒みつつある現代社会の構造を見る時、住む家と家族を失い悲しんでいる人達は、被災地に限らず日本中にたくさんいらっしゃいます。理不尽な不幸にじっと堪え忍んでいる子ども達も多いです。被災地に、幸せな居住スペースの創生を願う私たちのこの活動が、いずれは日本中のあちこちで活発化し、大きな社会の良識に昇華していくようこころから願ってやみません。
 二軒目、三軒目の「ムトーの家」を建設し続けるため、近日、この支援ネットワークを全国規模で活動するNPO法人として内閣府に申請致します。
 また、当該支援プロジェクトは再三、マスコミ関係からの取材を受けております。子ども達の支援と言うことで大変デリケートな側面を持っておりますので、慎重に公開をしていく必要はありますが、少なくとも次の3点の特徴的な支援であることから、大変注目を集める活動になるだろうということです。
 
1.里親制度を利用して家庭を失った子ども達を県外に保護するという動きはあるが、被災地に支援施設(ファミリホーム)を創生するという活動は今のところ聞いたことがない。
2.支援金を個別に分けてしまわず一括りに使って公的施設をそれも環境に最大限に配慮した形で創生するという動きは今のところ聞いたことがない
3.支援金の集め方を、単発募金だけでなく、一般の有志に月々一定額の継続支援金で募る形を目指す(Monthly Gift)ような動きはまだ現れていない。
(NPO法人登記完了後会員による継続支援システムを構築予定です)
 つまり、この支援プロジェクトは、私たちの支援金が「支援施設」という目に見える形で具現されるものです。そして、私たちは継続的に「支援の行方」を見ることができ、実感と同時に責任感の伴う社会活動となる側面があるということでしょうか。
 まずは、1.2.3.の支援の形を確定すべく、プロジェクトのプロローグからのご支援参加をよろしくお願いします。
 会員の皆さんのご支援金はOCR注文用紙でお申し込み頂き、オルターより支援ネットワークの郵貯銀行口座に総括して振り込むというご信頼頂ける形を取らせて頂きます。

「50517」震災孤児自立支援金 1口
・・・1000円

「50531」リピートくん 震災孤児自立支援金 毎週1口
・・・100円

なお、詳細にご興味ある方はHPをご覧下さい。http://sncss311.jimdo.com/
どうぞよろしくお願い致します。


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