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海を守った漁師が作る水産加工品
カタログ‘2009年4月4週号’
熊野灘の新鮮な魚で漁師が作る、安全な干物。
鮮度そのまま冷凍した魚もおすすめです。


●熊野灘の海の幸を、無添加で加工  

 熊野灘は、紀伊半島南端の潮岬から三重県大王崎にかけての海域の総称です。海洋深層水の自然な湧昇流に恵まれ、プランクトンも豊富で、おいしい魚が獲れる海域です。
 芦浜産直出荷組合の阪口和郎さん・雪子さんは、主として奈屋浦〜長島の熊野灘で水揚げされる新鮮な魚を原魚として、干物や冷凍加工品を、こだわりの安全な調味料などを使い、無添加で製造しています。水産加工品にとって原魚がおいしいこと、新鮮なことは大きな武器です。

●原発反対運動から生まれた消費者との絆
 芦浜産直出荷組合の誕生のきっかけは、1964年に計画が発表された芦浜原発への反対運動でした。海や故郷を放射能で汚染し、温排水で漁業資源を破壊する原発に、漁師の皆さんが反対に立ち上がったのです。その運動の先頭に阪口和郎さんのお父様、金七さんもいらっしゃいました。
 芦浜原発の反対運動には、関西圏や中部圏の安全な食べものの消費者団体や原発にNO!という市民団体の多くの応援がありました。そんな消費者団体から「反対行動だけでなく、地元の魚や水産加工品の産直で、現地と都市とのパイプを作ろう」という提案がありました。もちろん安全性を大切にして。 以来、阪口和郎さんらは、海を共に守ってくれる消費者との絆を強めるために、水産加工品や鮮魚などの産直を始めるべく試行錯誤を重ねました。そして、阪口さんら漁師さんたちが1986年に立ち上げたのが芦浜産直出荷組合です。
 2000年2月22日、三重県知事が芦浜原発の推進が困難であることを発表し、これを受けて同日、中部電力はついに芦浜原発断念を発表。これをもって計画は白紙撤回となりました。漁師さんたちが海と多くの生命を守った瞬間でした。阪口和郎さんは「2000年2月22日は生涯忘れられない日になった」とおっしゃっています。

●海の男の誇りを胸に、これからも
 芦浜産直出荷組合は5世帯の漁師さんを中心に出発しましたが、現在は阪口さん夫婦と息子夫婦の2世帯で運営しています。 阪口さんも今は漁に出ることはなくなり、2006年に新設した三重県大紀町の水産加工場での仕事が主です。原発反対運動の仲間である(株)浜甚のかつおぶし(削り節)、マルニシ海藻の西保則さんらの海藻も、提携品としてオルターへ出荷しておられます。

 近年は温暖化など海の異変や漁獲高の低迷などもあって、漁師さんたちは苦戦を強いられています。阪口さんは「今の日本で、ますます水産加工の役割が大きくなってきている」と感じておられます。


芦浜産直出荷組合の冷凍魚、干物 
冷凍魚

原魚は主として奈屋浦〜長島の熊野灘で水揚げされた新鮮な魚です。地元の浜に上がった魚を、その日のうちに小分けし、急速冷凍(−35℃)をかけたものです。酸化防止剤、防腐剤など一切の薬品処理をしていません。

●無添加天日干し干物
 地元の浜に上がったその日の鮮魚、もしくは上記の冷凍魚を原料として、天日塩(メキシコ産)だけで干物にしています。通常は天日干しですが、天気の悪い時にはやむをえず乾燥機を使用することもあります。酸化防止剤、防腐剤、つや出しなど一切の薬品処理をしていません。

●みりん干し
みりん…三河みりん(カタログ2006年12月5週号表紙参照)
砂糖…生和糖業(株)の国内産粗糖
醤油…近藤醸造のキッコーゴ丸大豆醤油。原料は国産丸大豆(北陸産エンレイ、東北産スズユタカなど)、国内産小麦(主として関東産農林8号)、原塩(埼玉ソルト)
ごま…グアテマラ、パラグアイ、ボリビア、ニカラグア、スーダン、ブラジル、中国産

●その他の提携品
かつお削り節…(株)浜甚(三重県紀北町引本)で製造したかつおぶしを芦浜産直出荷組合で削っています。
海藻…マルニシ海藻(三重県紀北町紀伊長島)の西保則さんら。ひじき、ふのり、天草など。


市販の冷凍魚・干物の問題点
 冷凍魚は、汚染海域から輸入されている心配があります。例えばチェルノブイリ放射能汚染のあったワカサギのようなケースや、ヨーロッパ北海産のように核再処理工場(仏ラ・アーグ、英セラフィールド)周辺の魚が輸入されている不安があります。国内でも原発周辺の魚などが冷凍加工されているおそれがあります。また、酸化防止剤、防腐剤などの薬品処理の心配があります。
 干物は、グルタミン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム(防腐剤)、増粘多糖類、甘味料(甘草、ステビア、ソルビトールなど)、合成着色料(赤色102号・3号、黄色4号・5号など)、天然系着色料(紅麹色素、アナトー色素、クチナシ色素、ウコン色素、カロチン色素など)などの薬品の使用が一般的です。干物加工に欠かせない塩も、専売公社のイオン交換塩は発ガン性の心配な樹脂を使っていたり、精製されすぎていて健康にもよくありません。
 みりん干しに使われるみりん風調味料(カタログ2006年12月5週号表紙「問題点」参照)、醤油(カタログ2008年12月1週号表紙「問題点」参照)、砂糖(カタログ2000年4月1週号表紙「問題点」参照)など、いずれも粗悪なものが一般的に使われています。



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


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