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真っ赤な果汁は 抗酸化力たっぷりの アントシアニンの色
カタログ2015年2月4週号
ジュースに最適、国産ブラッドオレンジ。
◆話題のブラッドオレンジ
 オルターカタログ2014年8月3週号にてご紹介した「夏樹上完熟レモン」の高木農園・高木 信雄農学博士は、話題の柑橘「ブラッドオレンジ」も栽培しています(オルター基準      )。品種は「モロ」と「タロッコ」の2種類です。「地球温暖化」をテーマにして2008年に開催された洞爺湖サミットに合わせて、NHKが地球温暖化を番組「クローズアップ現代」においてシリーズで取り上げた第1回目の放送で、この高木農園のブラッドオレンジが紹介されました。また2013年5月にNHKの「サキどり」でも紹介されました。
 ブラッドオレンジの果実はそのまま、あるいはカットフルーツとして食べられるのはもちろんですが、フレッシュジュースやカクテルにして飲むのにたいへん向いています。ブラッドオレンジのジュースはトマトジュースのリコピンの色よりも美しい、赤ワインと同じような魅惑的な真っ赤な色(モロはショッキングピンクのような色、タロッコは色が少し薄い)で、抗酸化力の強いポリフェノール、アントシアニンを豊富に含みます。

◆宇和島の環境がブラッドオレンジに向く地中海気候に
 ブラッドオレンジ「タロッコ」の原産地はイタリア・シチリア島です。そのシチリア島が地球温暖化の影響で、徐々に栽培に向かなくなっているのに対し、高木農園のある愛媛県宇和島市は地球温暖化の影響で近年、栽培適地になってきました。また崖の急斜面、潮風を浴びる環境も本場シチリアの気候に似ています。
 陽当たりのよい南向きの斜面で育った高木さんのブラッドオレンジは、本場シチリア産のものよりもおいしいと評判です。ジュースメーカー、ジューススタンド、フランス菓子店、イタリア料理店などでも注目されています。

◆みかん農家を救うために
 高木さんは愛媛県みかん研究所の初代所長で、生産量過剰で価格が暴落して危機にある愛媛県のみかん農家を助けるため、温暖化でますます栽培が難しくなった温州みかんの栽培改善と、労働弱者の老人でも手間なし、農薬なしで育てられるブラッドオレンジの栽培を1998年頃から農家に呼びかけてきました。
 その呼びかけに応じて、宇和島市でこれまで約400軒の農家がブラッドオレンジの栽培を行うようになり、日本国内でもジューススタンドやフランス料理店で採用され、ブラッドオレンジが徐々に知られるようになりました。
 しかしながら、せっかく農薬なしで栽培できるブラッドオレンジに対し、それらの農家は温州みかんと同様、農薬をたっぷり使う慣行農法を行ってしまっています。

◆定年退職後、ますます大きな夢に
 みかん研究所を2009年に定年退職した高木さんは、自ら範を示すべく、ブラッドオレンジの栽培に取り組んできました。農水省の耕作放棄地再生事業を活用し、1.1ヘクタールの急斜面の耕作放棄農地を開墾し、ブラッドオレンジの苗木を精力的に定植してきました。
 栽培方法は2〜3年に1回、冬にマシン油、ボルドー液(有機JAS適合資材)を使う程度の、オルター基準  
レベルです。年3回の草刈り、無剪定無摘果で温州みかんの約3分の1の低コスト省力栽培です。木や根が丈夫で、粗放管理でも苗木の生育は良好で、荒地に強い特徴のある柑橘です。
 高木さんは軽量培土による大苗ポット育苗というアイデアを参考にし、ブラッドオレンジを3〜4年生の大苗に仕立て、自然農法の提唱者、福岡 正信氏の「バラマキ不耕起農法」のように草まみれの荒地の開拓園に栽植しています。この培土は軽いだけでなく、水もちが良いという特徴があり、ポット苗の育成も容易で、夏の干ばつにも耐えています。ハモグリバエの害には遭いましたが、アゲハチョウの幼虫やカミキリムシには耐えています。

◆樹上完熟のおいしいみかん
 高木さんは柑橘全般について収穫時期を遅らせて、樹上完熟させ、小玉ですが果皮はむしろ二次肥大させ、しまったおいしい果実を育て上げています。はたして愛媛県のみかん農家の救世主となるか、問題は後継者の育成です。


高木農園のブラッドオレンジ
■品種
●ブラッドオレンジ…「モロ」(2〜3月)、「タロッコ」(4〜5月)

■防除
2〜3年に1回 マシン油、ボルドー液(有機JAS適合資材)

■肥料
●魚粕…近くの吉田漁協から入手 愛媛県産
●鶏糞…愛媛県産



―文責 西川榮郎(NPO法人  安全な食べものネットワーク  オルター代表)―



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