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石臼碾きの国産・無農薬小麦粉
カタログ2012年3月2週号
味や香りよく、まろやかで、ふんわりとした小麦粉。


◆ヨーロッパ製の大型石臼機
 九州、福岡市に本社のある大陽製粉は、会社発祥の地、福岡県筑後市にある筑後工場で日本で初めてのヨーロッパの大型石臼(直径1.5m)4機を1996年に導入し、日本国内では大変珍しい石臼碾きの小麦粉を生産しています。
 石臼碾き小麦粉にする原料小麦は、地元筑後平野「ふくおか合鴨水稲会」の麦部会(中島秀虎部会長)が米の裏作として栽培する無農薬の小麦(品種はチクゴイズミ)100%です。

◆腸にやさしい小麦粉
 現在、日本の製粉会社で行われている小麦の製粉は、ほとんどがステンレス製のロールを使用したロール挽きです。色がより一層白いもの(灰分の低いもの)を目指しています。このようなロール挽きと比べると石臼碾きは熱の発生が抑えられており、小麦が本来持っているタンパク質、ビタミン、ミネラル、繊維分などの栄養成分が損なわれにくく仕上がっています。味や香りが損なわれず、まろやかで、ふんわりと優しい仕上がりの粉となっています。ロール挽きのような細かすぎる粒子にはならないので、食べた人の腸にもやさしい小麦製品と言えます。
 国産、無農薬小麦(チクゴイズミ)の小麦粉は、中力粉です。もちもち性があり、とくにお菓子、うどんや団子汁に向いています。

◆その土地でとれた小麦を、その土地で石臼碾きにする
 ヨーロッパでは、その土地ごとに石臼の製粉所があり、その土地で収穫された恵みの作物、小麦を、石臼で碾いて加工し、その土地の小麦の持ち味を大切にして、新鮮な状態で食べているのが一般的です。
 大陽製粉の古賀脩平社長がドイツの製粉工場を見学なさった折、ドイツではその土地々々に今なお石臼碾きの製粉工場があり、その土地の小麦を人々が食べている光景を目にして、なんとか日本でもこの石臼碾きの小麦粉を実現したいと思われたそうです。

◆ほんものの国産・無農薬を
 大陽製粉とふくおか合鴨水稲会との出会いは、大陽製粉の社員、中村敏彦さんが「本当の国産・無農薬小麦を作ってほしい」と呼びかけられて、それに応じて「麦部会」が結成されたことによるものでした。


大陽製粉の石臼小麦粉
「農薬不使用石臼小麦(全粒粉・月いずみ)」と
「農薬不使用石臼小麦粉(月いずみ)」とがあります。

■原料
ふくおか合鴨水稲会(麦部会)が協力して、原料の小麦(品種:チクゴイズミ)を栽培しています。アイガモを使って無農薬栽培した水田の裏作に小麦を無農薬栽培しています。冬には昔ながらに麦踏もちゃんと行っているものです。

■防除
木酢液 西日本殖産(有)

■施肥
生産者によって施肥内容に多少の違いはありますが、
●有機石灰(セルカ)…卜部産業(株)苦土石灰
●菜種油粕…平田産業、理研農産加工(株)
※現在原料に使用している油粕は3.11福島原発事故前のもの。今後は北海道産を使用予定。
●堆肥…鶏糞、合鴨糞、もみがら

■製粉工程
大型石臼機をゆっくりと回転させて碾きます。
ポストハーベスト農薬など、薬品の使用は一切ありません。
原料の小麦がまだまだ少ないために、限定販売です。売り切れ次第中止となります。

@原料受け入れ
A精選
B調質
C粉砕
Dふるい分け
E粉砕
Fふるい分け
G仕上げ
H最終ふるい
Iマグネット
J袋詰め
K包装


市販の小麦粉の問題点
●ポストハーベスト農薬(収穫後農薬)
 アメリカから日本に運ばれてくる小麦は農家の小型サイロ、輸送港の貯蔵倉庫、太平洋を輸送する船、日本で上陸したあとの貯蔵倉庫などで約5回農薬が混入されています。このポストハーベスト農薬の主役はかつて「スミチオン」「マラチオン」などの有機リン系農薬が使われていました。最近は「レルダン」(有機リン系)などが使われています。殺菌剤として、菌(生命の基本単位、単細胞動物)を殺せる、いわば殺生命効果、殺細胞効果のある農薬を食べ物に混入することは危険なことです。

●栽培農薬や国内でのポストハーベスト
 国産の小麦だからといって、無農薬とは限りません。通常は等級を気にして農薬を撒くのが一般的です。また、製粉工場でもコクゾウ虫対策にリン化アルミニウム薫蒸を一般的には行います。

●国産小麦も国産100%とは限りません
 通常の製粉ラインでは、各ロットごとの小麦を76通りくらいに表面から芯までの部位をすり分けています。それをパン用、うどん用、畜産用、ペット用などに再配合しています。通常製粉会社は国産小麦と輸入小麦の両方を購入していますので、当然この再配合で混合してしまいます。国産小麦は品質にバラつきがあって、パン屋さんなどが焼きムラをおこすものとしていやがるので、かつて、国産小麦が50%以上混じっているものは輸入小麦100%のものより安く取引されていたことがあるのです。「国産小麦使用」という表示があっても、その「使用」が5〜10%のものや、「国産小麦」の表示が業界では50%以上のものを示すので、単に国産小麦といっても100%でないことが多いのです。

●以前は漂白されていたこともありました
 現在のロール挽きの小麦粉は、より色の白い粉、灰分の低い粉作りを目指しています。色は白いが味が物足りないのです。なぜか?実は小麦が本来もつミネラルや繊維分は、皮と皮に近い部分に多く含まれているのです。今は、ほとんどなくなったと思いますが、以前は白く漂白されていたこともありました。



―文責 西川榮郎(オルター代表)―


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