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平均年齢39才の若い有機栽培農家の集団
カタログ2013年7月2週号
有機JAS認証のあるみずみずしい野菜。
◆有機栽培で葉ものづくり
 「いわみ地方有機野菜の会」大畑 安夫2代目会長ら9農場は、島根県西部、石見地方の浜田市・江津市の自然豊かで水がたいへん綺麗な中山間地において有機JAS認証を取得し、主にホウレン草、小松菜、水菜、ミニチンゲン菜、葉ネギなどを有機栽培しています。また、9農場以外に有機JAS認証を取得していない1農家があり、島根県エコロジー農産物栽培(減化学肥料、減化学農薬)を行っています。
 この「いわみ地方有機野菜の会」には、その会員が出資し設立した、有機野菜を一元的に販売する会社「(株)ぐり〜んは〜と」(2008年設立)があり、「いわみ地方有機野菜の会」の佐々木 一郎初代会長が社長を務めています。プライドを持った野菜づくり、消費者からのクレームなどに対しても、しっかりとしたビジネスとしての責任体制を実現しています。

◆自然豊かな中山間地に農場があります
 「いわみ地方有機野菜の会」の10農場の合計耕作面積は14ヘクタールで、施設園芸(ハウス栽培)を行っています。ハウスは420棟以上あります。そのいずれのハウスも周囲を山に囲まれた自然の中にあり、害虫に対する天敵がいる大変恵まれた環境にあります。人家や工場もなく、生活排水などによる汚染もありません。綺麗な水にも恵まれています。

◆輪作、混作で無農薬を実現
 「いわみ地方有機野菜の会」「(株)ぐり〜んは〜と」を実質的に中心となって運営する佐々木農場の佐々木 一郎代表は、7代目の農家です。
 かつてはイチゴやメロンなどの慣行栽培をしていた経験があります。しかし、国内の農家の平均年令が67〜70才になっている現状や、人件費、燃料費が高く、日本では中国などからの安い農作物に太刀打ちできない状況をみて、「自分たちの野菜でないと食べたくないといわれるような野菜を作らないと、農業の未来はない」と考え、1987年頃から有機農業に取組み始めました。
 やがて輪作や混植をすることによって農薬を使わなくてもいける自信がついてきました。小松菜、水菜、チンゲン菜を混植したあと、次はホウレン草、その次はネギとそれぞれの害虫が好む農作物を全く変えて輪作することによって虫の発生を抑えることに成功し、連作障害も起こさない技術ができました。

◆研修生から新規就農の仲間づくり
 1995年に、体の不調でUターンしてきた大畑 安夫さん(「いわみ地方有機野菜の会」の現会長)が佐々木農場に一番最初の研修生としてやってきました。大畑さんは大学卒業後、スーパーや食品卸業の経験がありました。もの作りが好きだったこともあり農業を志しました。
 佐々木さんと大畑さんの2人が核になって、1998年に「いわみ地方有機農業の会」(初代会長 佐々木 一郎)を結成し、情報交換や研修などの活動を積極的に行いました。2001年には有機栽培および特別栽培を行う新規就農者が新たに加わり、仲間8名で「いわみ地方有機野菜の会」を設立し、現在の形へと発展しました。
 現在の会員生産者の平均年齢は39才という若さで、これは「いわみ地方有機野菜の会」の最大の魅力です。佐々木さん以外の会員は農家出身ではなく、元コンピュータープログラマー、土木会社社員、運送会社社員など多彩な経歴を持つ、Uターン、Iターンの脱サラ組です。
 中途半端な農業経験がなかったことがかえって幸いし、素直に最先端の有機農業にチャレンジできた人達です。一人ひとりが社会性も身についていて、仲間として折合いもよく、たいへん仲の良いグループです。

◆農家のお手本
 佐々木さんは2001年に「環境保全型農業コンクール優秀賞」、2005年に「農林水産省経営局長賞」、2009年に「日本政策金融公庫主催 2009アグリフードEXPO経営大賞(環境部門)」、2011年に「第60回全国農業コンクール農林水産大臣賞」を受賞し、まさに島根県石見地方の農業のけん引者として活躍しています。
 2009年には佐々木農場、佐々原農園らで、有限責任事業組合「グリーンフロンティア浜田」を結成し、国および県の事業を導入し、新規圃場入植(総面積7ヘクタール)の計画を進めています。30代の若い世代のメンバーが、経営的に胸の張れる売り上げを確保しつつ、地域の人々の雇用につなげ、地域経済の発展に貢献し、「農業が産業として成り立つ」ことを証明しつつあります。
 まさに昨今社会問題化しているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を迎え撃つお手本のような農家集団です。オルターとしてもその活躍を大いに期待したいと思います。

◆有機物農業からほんものの有機農業へ
 ただ、残念ながら個々の生産者の肥料の量的使い方がバラバラで、有機物を入れたら有機農業と勘ちがいしている生産者もいます。有機農業とは、故 一楽 照雄有機農業研究会初代会長が「農業を行うには天と地の機がある」すなわち「天地有機」から命名したもので、持続的可能な農業のことです。オルターとしてはその基本に立つよう、「いわみ地方有機野菜の会」へ要請しました。
 肥料の使い方および質の適正化をお願いし、まずは硝酸イオン濃度1000ppm以下を目安に葉もの野菜を出荷していただきます。志の高い若いグループですので、全生産者ともすぐにオルターとして評価できるレベルに達していただけると期待しています。
 オルターへの紹介は、北海道の「ドリーム大地」からでした。



いわみ地方有機野菜の会・ぐり〜んは〜との有機野菜(オルター基準★★★)
■生産者
佐々木農場(佐々木 一郎)、佐々原農園(佐々原 洋道)、小松ファーム(小松原    修)、のぶ農園(岡本 宣宏)、みうらファーム(三浦 大輔)、三島ファーム(三島 淳寛)、香の宮F&A(大畑 安夫)、ヒラキ農園(平木 正美)、串崎農園(串崎 昭徳)、河崎農園(河崎 健)、おいこ娘農園(提携)

■栽培品目
ホウレン草、赤茎ホウレン草、小松菜、水菜、ミニチンゲン菜、サラダ春菊、ルッコラ、葉ネギ、大葉春菊、ニンジン、オクラ、トマト

■防除
農薬を使用しません。JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)に適合した肥料を、土壌条件や栽培品目ごとに最善のものを選択して使用しています。

1.緑肥、カヤ 
地元産

2.落ち葉
地元産

3.米ヌカ
地元産

4.もみ殻
地元産

5.堆肥
自家製

6.バイオ酵素T/TN
(株)フォーレスト 松、笹、梅、ビワ、イチジク、栗、桃、柿の葉の抽出液/糖蜜/オカラ/ミネラル還元水 有機JAS適合

7.バーク堆肥
山興緑化(有) くにびき堆肥、島根県産樹木(抜根、枝葉、竹、草など) 有機JAS適合

8.醤油粕
ユーメン醤油(非遺伝子組換え大豆、脱脂加工大豆/加工小麦/種麹/酵母・酵素/アルコール) 
有機JAS適合 放射性セシウムND

9.エコマッシュ
(株)三幸商事 えのき茸用配合培地(コーンコブ/米ぬか/ふすま/オカラ/豆皮/もみがら/カキ殻)を発酵処理 有機JAS適合

10.菜種油粕
カナダ産菜種またはオーストラリア産菜種、有機JAS適合、放射性セシウムND

11.オーガニック813
(株)ジャパンバイオファーム 
フィッシュソリュブル(北海道)、馬鈴薯グルテン(北海道)、醤油粕(千葉県)、脱脂米糠(北海道) 有機JAS適合

12.とんとん1号
(有)島根ポーク 豚糞、もみがら、おがくず 有機JAS適合

13.サンライム 丸栄(株)
カキ殻(広島県産) 有機JAS適合

14.ハーモニーシェル
(株)ジャパンバイオファーム カキ殻(静岡県産)  有機JAS適合

15.かきがら石灰
かきがら工業協同組合のカルエース(瀬戸内海産)  有機JAS適合

16.炭酸苦土石灰
清水工業(株) ドロマイト(天然鉱物・岐阜県産)  有機JAS適合

17.マグマックス 60
(株)ジャパンバイオファーム 水滑石(中国産)  有機JAS適合

18.古代天然苦土
(株)ジャパンバイオファーム 水滑石(中国産)、腐植(中国産)  有機JAS適合

19.アクアグリーン
多木物産(株) 天然硫酸苦土肥料 有機JAS適合

20.粘状スーパーマグ
明京商事(株) にがり(中国産)  有機JAS適合

21.マンガンパワー
(株)ジャパンバイオファーム マンガン鉱石(中国産)  有機JAS適合

22.FTE1号
東罐マテリアルテクノロジー社製 マンガン鉱/長石/無水ほう砂/ソーダ灰/
ソーダ石灰ガラス/珪石/酸化鉄粉/炭酸カルシウム 有機JAS適合

23.マンガン肥料、マンキチ30号
東罐マテリアルテクノロジー社製 コークスとマンガン鉱石を焼結した、
高炭素フェロマンガンスラッグ 有機JAS適合

24.硫酸マンガン
東罐マテリアルテクノロジー社製 二酸化マンガン、硫酸、デンプンを加熱して合成 
有機JAS適合

25.アイアンパワー
(株)ジャパンバイオファーム 硫酸第一鉄 硫酸と鉄を合成 有機JAS適合資材

26.硫酸第一鉄
(株)赤井商事 鉱石と硫酸を合成 有機JAS適合資材


―文責 西川榮郎(NPO法人  安全な食べものネットワーク  オルター代表)―



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