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難しいイチゴ(カムイレッド)の 無農薬栽培に挑む
カタログ2014年10月4週
秘訣はミネラルと微生物。
◆無農薬のイチゴが食べられます
 岐阜県の奥飛騨にある(株)ありがとうファーム雲英 顕一代表(オルターカタログ2012年8月1週号、2013年10月4週号参照)はオルターがすすめているシグマ菌ボカシと生命活性物質還元熔融野生植物ミネラル農業用マグマンを駆使し、一般では無農薬で栽培することがたいへん難しいイチゴ栽培を、無農薬、無化学肥料で行うことに挑んでいます。
 無農薬のイチゴはたいへん珍しく、なかなか私たちの口には入りませんが、ありがとうファームからは冷凍イチゴでオルターの会員の皆さまへお届けできるようになりました。

◆無農薬で夏秋イチゴ栽培にチャレンジ
 雲英さんは3・11の福島原発事故のあと、新天地を求め、2011年に千葉県から現在地、岐阜県飛騨市古川町の山あいの土地へ移住し、耕作を開始しました。
 冷涼な気候の奥飛騨に移ったことから、夜の気温が 20℃前後にまで下がる冷涼な気候を好む夏秋イチゴの栽培に適しているのではないかと考え、移住の初年度からイチゴの栽培にチャレンジしてみました。
 イチゴは雲英さんご自身好きな果物であり、子どもからお年寄りまで嫌いな人を探すのが大変なほど人気のあるものです。千葉時代にも夏秋イチゴの栽培を検討していました。
 しかし、3年目の2013年に、面積を拡大した際、日中の遮光にまで思いが及ばずハウス内の温度が上昇し、また、ハウスを一気に10aほど春先から自分たちで建設したことによって、人手が回らず、イチゴの定植が遅れました。定植が完了したのが6月下旬頃で、7月頃からは虫害と病気の発生で半分近くの株が枯れ、残りの株も傷みがひどく収穫量はほとんどありませんでした。無農薬イチゴ栽培の難しさを経済的な打撃の大きさとともに思い知らされました。

◆株の定植を春先に完了
 この反省を活かし、今年は栽培面積を減らし、春先からすぐにイチゴの定植を始め、4月中には全ての株の定植を終わらせました。

◆シグマ菌ボカシを活用
 オルターが紹介したシグマ菌ボカシ作りにも取組みました。当初標高1,000m程度とかなりの高地でボカシ作りにチャレンジしていましたので、気温が低すぎたためかなかなかうまくいきませんでした。今年の春先からは標高約700m位のところに移して、ボカシ作りをやってみました。発酵途中で温度が下がるのは、水分不足にも原因があるのではと考え、水分調整をこまめに行ったところ、発酵温度がうまく 60℃を超えるようになり、ボカシの香りも色も良くなって、そのボカシを撒くと、近所の人から「いい匂いだな。何を撒いたの」と聞かれるようになりました。

◆マグマン農業の目をみはる効果
 シグマ菌ボカシのほかに、今年からはオルターが紹介した生命活性物質還元熔融野生植物ミネラル(マグマン)の農業用も使ってみました。富山県産の貝化石に農業用マグマンを混ぜ、最初に畑に施用し、その後シグマ菌ボカシを撒きます。昨年、酷暑水不足で弱っていたピーマンの一部にマグマンを極少量施用したところ、1週間程度で急激な回復を見たことがあり、その後も元気な状態が続きました。トマトも同様で、マグマンの効果のすごさは実感していました。
 今年はイチゴの植えつけ当初からマグマンとシグマ菌のダブル効果を活用していました。その結果、6月のイチゴは見事に鈴なりとなりました。7〜8月になると、スリップスやダニ等が出てきて花や葉につき、結果、奇形果が多く出たり株自体が枯れたりしており、早目早目に摘果や 50℃の温湯にマグマンを混ぜ防除にも活用し、病虫害を減らして形の良いものを量産できるよう努力中です。

◆良質な水に恵まれて
 飛騨は良質な水に恵まれたところです。雲英さんが営農している古川町数河地区、流葉(神岡町、山田)地区はその飛騨でも特に水がおいしいといわれるところです。その水に、マグマンを溶かし込んでイチゴに与えています。

◆甘さ、酸味がのったところで収穫
 一般のイチゴは流通での傷みを恐れて、けっして完熟では出荷しません。薄めのオレンジ色の時点で収穫し、店頭で赤くなるようにしています。それでは味も乗りづらくなります。雲英さんのところでは冷凍イチゴにする場合には、真っ赤に完熟する一歩手前まで赤くしたところで収穫します。甘さ、酸味が十分にのったタイミングで冷凍出荷します。

◆冷凍イチゴにマグマンを使用
 冷凍イチゴにする場合は、数河地区の山水にマグマンを少量添加した水でイチゴを洗い、ヘタをとって袋詰めして冷凍しています。マグマンには酸化を防ぐ効果もあります。

◆病気を治せるイチコ
 雲英さんはかつて私が言った「オルターの野菜は病気を治す水準の野菜です」という言葉に衝撃を受けられたそうです。数々の病気を治すマグマンとシグマ菌を使い、無農薬栽培をしたこのイチゴは「病気を治すイチゴ」に近づいたのではないかとひそかに期待されています。
 将来は新規就農者とともに飛騨の地を無農薬イチゴの産地にし、経営的にも成立つ強い有機農業者集団作りをしたいと考えておられます。


ありがとうファームの無農薬、無化学肥料イチゴ(☆☆☆)
■品種
カムイレッド

■防除
農薬の使用なし

■施肥
●シグマ菌ボカシ 
自家製
(オルターカタログ2011年7月4週号、2012年9月3週号参照)
●貝化石
富山県産
●生命活性物質還元熔融野生植物ミネラル(マグマン)農業用
(オルターカタログ2013年8月4週号参照)
●バッチリ50液肥 
JAS有機適合資材(ND) ゴールド興産(株)


市販のイチゴの 問題点
 イチゴは通常ハウス栽培され、3日と空けずに農薬を撒布され、シーズン中に何十回と農薬が使用されています。
 その農薬の対象病害虫はダニ、アブラムシ、ヨトウムシ、スリップスなどがありますが、ほとんどは見栄えが悪くなるウドンコ病です。みかけの商品価値を守るために使われています。
 またイチゴには住友化学が開発した「プロシミドン」が使われています。市販食品の残留農薬検査で国内農産物の検出率第1位となっている農薬です。この「プロシミドン」については、EUが2008年に登録を抹消し、使用禁止としたものです。EUのその残留基準値もイチゴをはじめ、ほとんどの作物で50〜250分の1に厳しく規制されました。ところが、日本ではいまだ、事実上野放しのままです。イチゴで最大8ppmも残留していたケースもありました。妊娠中の母親がイチゴLサイズをわずか2個以上食べるだけで、EUが設定した急性毒性の用量を超え、胎児へのリスクが無視できない水準になります。



―文責 西川榮郎(NPO法人  安全な食べものネットワーク  オルター代表)―



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