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有明海初摘みのりを「味つけのり」に
カタログ2011年12月4週号
のり本来の甘みのある最高級のりとこだわり調味料を使っています


◆のり本来の甘みをもつ初摘みのり
 香川県高松市にある海苔会社、岩崎食品(株)岩崎正好社長は、オルター向けに特別仕様の海苔製品を提供しています。原料の海苔は最高級の九州有明海産の一番摘み、初摘みのりに限定しています。初摘みのりは歯切れがよく、口の中でとろけるようにやわらかく、フワーとしていて、たいへん風味のある、のり本来の甘みをもつ、おいしいのりです。しかし、原藻が柔らかいため、破れやすく、加工時のロスが生じやすく、加工業者泣かせののりです。2番摘み以降になると、だんだん硬くなりガサついてきます。
 1番摘みののりは酸処理に頼らなくてもよいので、その意味でも評価できます。

◆ミネラル豊かな干潟で育つ
 有明海産ののりが優れているのは、ミネラルなどの栄養が豊富な干潟に育っているからです。近年、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海などでは、国による下水処理の規制が進み、真水に近い排水が流されるようになっています。のりは本来、山からのミネラル豊富な海水で育つもので、かつてはおいしいのりの産地だったこれらの地域では、のりの品質が低下しています。

◆おいしくなる支柱張り 
 有明海の中でも、のり養殖の方法に「支柱張り」と「浮き張り」の2種類があります。岩崎食品では、支柱張りで養殖を行う佐賀県産や福岡産を扱います。
 支柱張りとは、有明の干潟に支柱を立てて、それに網を張り、満潮時には海水につかり、干潮時には日に干されて、のりが育つものです。浮き張りとは、浮きに吊るしたままですので、ずっと海面下でのりを生長させるという養殖方法です。浮き張りでは、のりの色が黒くなり、高級感が出ますが、味は日光の影響を受ける支柱張りの方がおいしくなります。
 オルター向けの有明海産ののりは、本来の甘みがあり、磯の香り・風味もすぐれています。

◆こだわりの味付のり
 岩崎食品では、この最高級の有明産初摘みのりを原料に、シンプルな焼きのりに加えて、かめびしの醤油などでこだわりの味付のりも作っています。関東では、味付けのりは安物ののりを調味料でごまかしたものだという印象があり、そのため焼きのりを多用する傾向があります。関西では、のりといえば味付のりが定番です。いずれにせよ、市販ののりは安いのりを粗悪な調味料で味付けをしているというのは事実です。ホテルの朝食などで驚くほどまずい味付のりが出されています。
 岩崎食品の味付のりは、できるだけシンプルな原料を選び、のり本来の旨みを活かしています。羅臼昆布と枯かつおでだしをとり、じっくり煮込んで、にがり醤油、みりん、甘蔗分蜜糖、赤穂の天塩で仕上げています。

◆良質なのりがわからなくなった消費者
 岩崎食品(株)は、岩崎社長の叔父、岩崎一男さんと恒男さんが1948年に愛媛県宇和島市において卸販売業として創業、1952年から味付海苔加工業を始められました。一男さん(長男)の兄弟三男、二男が2代目、3代目社長になり、そのあと二男の子である正好さんが4代目となりました。
 近年、食の欧風化でごはん食が減って、のりの消費量も減り続けています。のりには脳のすぐれた栄養であるナイアシンが含まれています。子どもたちの食事から、このような優れた海藻が消えていっていることは残念なことです。
 また、昔のような風味豊かな市販のりが市場から姿を消してきています。消費の低迷により、多くのメーカーがこぞってすそものの安いのりばかりを商品化しているためです。岩崎正好社長は、このような良質なのりの良さがわからなくなっている消費者の現状を憂慮なさっています。せめて、オルターの会員には最高級のりのよさを理解してほしいとおっしゃっています。
 オルターへのご紹介はかめびし醤油さんからでした。


岩崎食品の味付のり 
■原料
●乾のり
 有明海産 初摘みのり
●味付調味料
・醤油・・・(株)かめびし  にがり入りこいくち醤油業務用 
 「あなたのいのちを守る安全な食べもの百科」p153参照
・みりん・・・(株)角谷文次郎商店  三河みりん
 「あなたのいのちを守る安全な食べもの百科」p159参照
・砂糖・・・新光糖業  種子島甘蔗分蜜糖
・塩・・・赤穂化成(株)  赤穂の天塩
・こんぶ・・・羅臼昆布(北海道産)
・鰹節・・・森田鰹節(株)  福島原発事故による放射能の影響を受けないインド洋など南方海域のカツオに限定
・とうがらし・・・(株)向井珍味堂  中国産
 「あなたのいのちを守る安全な食べもの百科」p174参照

■製造工程
@入札により買付
A火入れ
B検品
C焼加工
D味付加工
E検品
Fカット
G袋詰め


市販ののりの問題点
 のりは放射能の影響を受けやすいので要注意です。宮城県、千葉県の生産量が全国の8%あります。産地のわからないのりに注意です。昔はおいしいのりが採れた海域でも、下水処理の影響で、ミネラル分の少ない排水が流されて、風味のあるおいしいのりは採れなくなっています。これらの海域では、海洋汚染も心配です。
 また、のりの取引では黒っぽい色が評価されるために、浮き張りという方法で海面下に沈めたまま成長させる養殖法が盛んになり、色は黒くなって高級感があるものの、おいしくないのりが横行しています。
 のり養殖では、青のりの付着を防ぐ目的で酸処理をしています。中国や韓国ののり養殖では強力な無機酸を使用しています。日本では無機酸は問題視されて、有機酸が使用されるようになっています。それでも、他の海洋生物には悪影響がありますので、環境のためには、やめるべきことだと思います。
 のりの製造工程において、洗浄工程がありますが、この段階で殺菌剤などが使われている場合があります。
 味付のりに関しては、使用される粗悪な調味料の安全性が問題となります。化学調味料が問題と言うより、調味料の原料に使われている輸入穀物のポストハーベスト農薬汚染がとくに問題なのです。
 以前、関西の生協の味付のりが苦いというクレームがあって、そののりからTBZが検出されたことがありました。のりに味付用のたれを塗る機械のローラーに抗菌剤が使用されていたためでした。現在では、メーカーがローラーを改善したのでこのような心配はありません。
 拙著:「あなたのいのちを守る安全な食べもの百科」p110にも、のりの問題点を解説していますので、ご参照ください。



―文責 西川榮郎(オルター代表)―


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