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巨大多国籍企業の手から 農と食を守る勇敢な第一歩
日本有機農業研究会 久保田さんからのメール
茨城県谷和原村(やわらむら)で、「バイオ作物懇話会」(代表・長友勝利)が高津氏の畑ほぼ1反にモンサント社の遺伝子組換え大豆を植え付けていた問題で、7月23日に開かれた現地での集会と査察により、すでに花が咲いていることが判明。その後、国会議員を介した農林水産省担当官との折衝と併行して、花粉飛散防止措置をとるよう、現地でのやりとりが続けられてきました。 しかし、バイオ作物懇話会長友氏はそのような周辺への配慮どころか防止策をとることさえ拒否しつづけてきました。 7月26日、風が強く、すでに花が咲いている遺伝子大豆の花粉飛散をこれ以上待てないとの現場判断から、トラクターによって畑にあった遺伝子組み換作物を土中にうないこみ(注:鋤き込み)、「花粉飛散防止措置」を採ったとのことです。 ひとまず、花粉飛散は防止されました。 遺伝子組換え作物は、「植えたらおしまい!」。遺伝子汚染は避けられません。 この間の経過について、現地の「遺伝子組換え作物いらない!茨城ネットワーク」の速報および続報が入ってきています。 まず、うないこみの防止措置をとった前後の経過を伝えるNo.3「速報」を送付いたします。 なお、常総生協の大石さんは警察の事情聴取に呼ばれましたが、他方、バイオ懇話会長友氏も呼ばれているもようです。当日の地元の警察は、住民側の懸念を理解し好意的だったとのことでした。 大石さんが速報で書かれているように、この行動は、巨大多国籍企業の手から農と食を守る勇敢な第一歩と思います。
◆END◆
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多国籍企業モンサントとの 全国的な闘いの火蓋が切られました
常総生活協同組合 専務理事 大石光伸さんからのメール
■7月23日、谷和原の遺伝子組換え大豆のほ場を視察した際、すでに「開花」している事実が明らかになりました。 ■当日夜、バイオ作物懇話会代表の長友氏に対し、6月23日の、茨城県へのSTAFF理事を通しての「開花前に刈り取る」という事前栽培報告にもとづき、すみやかに刈り取ることをお願いいたしました。すでに花粉の飛散がはじまっているという一刻をあらそう事態となっておりましたので、25日までにご返事と具体的措置についてご返事を頂くようお願いいたしました。 ■他方、昨25日、中村敦夫参議院議員の仲介で、農水省技術会議事務局を窓口にする国への協議と要請をおこなってきました。農水省の方では、「刈り取りの行政指導はできない。お願いするしかない」とのことでしたが、あらためて地元の立場として、昨年「認可された組換え大豆を栽培する場合の留意点について」で言っているとおり、「万が一でも周辺の非組み換え大豆との交雑や収穫物の混入といったことが起これば、生産・流通上の混乱を招かないとも限りません。(中略)生産・流通上の混乱を招かないための交雑・混入防止等の措置について十分に徹底して頂けますようお願いいたします」とのことが、現実となっている以上、現場での混乱を招かないよう、農水省も私どもといっしょに、バイオ作物懇話会に対し刈り取りをお願いしていただけるよう要請してまいりました。 しかし、残念ながら、長友代表より25日頂いた返事は、「花の咲くまでに刈り取ると約束しておるわけでは御座いません。今年の試験では、雑草の二次発生を見るべく枝豆の時期ぐらいまでは検証してみたいと思っております」との内容でした。 ■25日夜、農水省からは、週明けに農水省主催で現地にて関係者を呼んで「意見交換会」をおこなうことを意志決定した旨の連絡を頂きました。 ■県農政課は25日、職員を現地に派遣して開花の状況写真を撮るとともに、STAFFの刈谷理事に対し「事前栽培報告とちがってすでに開花している」旨を問いましたが、刈谷理事からは「協議する」とだけの返事でその後の返事がないまま連絡がつかなくなってしまったようです。 ■わたしたちは、25日夜協議した結果、開花により花粉の飛散がはじまっているので、長友氏ならびに地主の高津氏に対して「花粉防止措置」をとって頂くようお願いすることとしました。
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■26日朝から地主の高津氏に「花粉防止措置をしてほしい」旨の要請をいたしました。パスライトで覆って風による飛散を防止し、また虫の出入りを防いで虫媒による交雑防止措置を具体的な図面と手順を渡してお願いいたしました。もし労力がなければお手伝いしたい旨も申し入れました。高津氏は長友氏と相談したいとのことでいったん別れ圃場の方におりましたが、警察に通報して警察といっしょに現場に来られました。 警察には、これまでの経緯をお話しましたところ、「私達が出る幕ではなさそうですね。高津さん、みんながこう言っているんだから対応したらよろしいのでは」ということを高津氏に告げて帰られました。 ■他方、この農地が農地法3条による農業委員会への届出にもとづく使用貸借権の設定移転がされていない耕作であることが確認できましたので、法的責任の所在は地主である高津氏にあり、その処理は高津氏の判断でできる旨を高津氏に告げました。 ■地主の高津氏の車の中で、長友氏と連絡を取り、再度長友氏に「花粉の飛散による交雑防止措置をとって頂きたい。防止措置としては@すきこんで頂く A花芽の部分から刈り取る Bネットをかぶせて風を防止する」を提案しましたが、「やるというなら止めることはできないが、防風ネットも刈り取りも反対」との意向を示すとともに、「花粉は飛ばないことは科学的にはっきり証明されているので、そのような措置はとる必要がない」との考えを示しました。経済的損害についての協議をいたしましたが、花粉飛散による周辺栽培農家の損害賠償を比較した場合、この実験圃場では大豆を販売して収入を得ることが目的ではないので損害賠償にはならない旨も確認いたしました。長友氏より「周辺での大豆栽培が行われていない場所を選んでいるのです」とのことでしたので、高津氏よりこの圃場から約30m離れた場所に大豆が作付けされている旨を伝えました。長友氏に対し、あなたの耕作は農地法にもとづく耕作ではないので、最終的な判断は地主である高津さんにあるので、高津さんの判断となりますがよろしいかと伝え、高津氏に対して判断を求めたところ、「やってくれ」との判断を示しました。 ■「花粉飛散防止措置」を地主の高津氏より依頼された私達として、まずネットによる覆いを試みようとしましたが、風が強く、張るのは無理との判断になりました。 自宅に戻った高津氏に「ネットを張るのは風が強くて難しい、刈り取るかもしれない」旨をお話ししました。高津氏は「長友さんとの契約があるので刈り取ることは反対だが」との意向をお聞きしました。今日は特に風が強く、かつ花はすでに開花後5日を経過しており、枝豆までできている状態が確認されたため、「花粉防止措置」の最終判断としてネットワーク有志の現場判断にて、すき込むことを決断し、執行させていただきました。 ■長友氏、高津氏への電話連絡を行いましたが話し中が続き、ようやく夜高津氏につながり、今日の結果の報告をさせて頂きました。「長友氏にも連絡してほしい」とのことで、その後長友氏へも電話がつながり、「残念ですが、花粉飛散防止措置をとった」旨を連絡いたしました。長友氏は岐阜から谷和原の高津宅にもどっておりました。長友氏は「わたしは個人の利益のためにやっているのではありません。日本の農業のためにやっているのです。残念です」ということを強調されていました。「警察へは被害届けを出しました。今後については宮崎に帰って考えたいと思います。マスコミ等からの励ましがたくさん来ていますが、あまり騒がないようにしてほしい旨を言ってあります」とのことでした。 ここまでを書いている途中(10:10)で、水海道警察署の刑事課より生協に電話が入り、「事情を聴取したいので、誰にも連絡しないで、水海道警察署に出頭するように」との連絡が入りました。 社会の合意をとらないで作付けしたことに対して花粉防止措置を取ったことは正当であり、作業をされた農業者、生協職員、市民の行為を断固支持します。これから本格的に国際多国籍企業、モンサントとの全国的な闘いの火蓋が切られました。県内ならびに全国のみなさんに連帯を呼びかけます。 日本社会の利権による腐敗と、社会の未成熟を憂います。 これから水海道警察に向かいます。 ◆END◆ |
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