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(朝日新聞 2011年6月12日より転載)
会社員 武藤北斗(大阪府茨木市 35) 東日本大震災で被災し、宮城県東松島市から大阪に一家で移住した。私に出来ることは何か日々考えている。 福島第一原発事故の放射能漏れは復興の大きな壁となっているが、国や事業者からの情報は不足し被災者は何を信じればいいのか分からない。 そんな中、新たな脅威となりうるのが青森県六ヶ所村にある使用済み核燃料再処理工場だ。 実際の使用済み燃料を使う試験運転を2006年3月から始めた同施設はトラブルが相次ぎ本格稼働が延期されている。稼働すれば通常運転で海と大気中に放射性物質が放出。 海流にのり岩手・宮城・福島はもちろん、千葉の房総半島まで流れることもある。 事業者は大気や海水で十分に拡散、希釈されると言うが安全性への疑念は消えない。地震などによる電源喪失で冷却機能などが失われると高レベル放射性廃液が沸騰し水素爆発につながる恐れもある。 危ないのは原発だけじゃない。 この事実を関西で発信することが、私なりの東北復興支援の一つである。
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