通信販売の法規(特定商取引に関する法)に基づく表示

お正月企画「雑煮大根」 亀田嘉さん
カタログ“2004年12月5週”
お正月企画「雑煮大根」 亀田嘉さん
 亀田嘉さんには、これまで農薬不使用のナス、ミズナ、ゾウニダイコンなどをオルターへ出荷していただいています。今回は新登場のお米と、正月用企画としてゾウニダイコンのご紹介です。
 亀田さんは大学卒業後、塾の講師や法律事務所勤務をしていたことがありますが、お父様が倒れた後、実家の畑を継ぐことになりました。土の魅力を感じるようになられたのは、その頃からということです。畑作業を始めた当初、有機農作物を扱う東京の団体とのつながりを得て、まず柿を出荷したことから地元の仲間でオルターの柿、梅の生産者でもある萩本了一さんと有機農法研究会を作りました。ちなみに萩本さんは、亀田さんのご紹介です。亀田さんとオルターとの出会いは、亀田さんがオルターの配送車を見て、お声をかけていただいたことからでした。
 以前は、西宮市夙川に住み、実家の畑のある五条まで通っておられました。阪神大震災で家が全壊し、同じ夙川の農家へ一時疎開したとき、水道、電気、ガスなどのライフラインが止まった都市生活の脆弱さを痛感するとともに、疎開先の農家の落とし便所、プロパンガス、川の水を利用している風呂などの田舎暮らしがとても素敵なことに気づきました。それが、実家の五条に戻るきっかけのひとつでした。 
亀田嘉さんのご家族
簡易土壌分析器
 農業に取組んだ当時は、有機農業というよりただ有機物を使った有機物農業とでもいうべきレベルで、いい材料を使って農薬不使用に取組んでいたものの、今より収量もずっと少なく、虫食いでボロボロのものしか作り切れないでいました。
 しかし今では、農業技術も格段にレベルアップし、味のよい作物を作れ、収量も上がり、3年前からは採算も合い始め、農業で自活していける自信をすっかり身につけられています。オルターとの出会いは、頑張るきっかけのひとつだったとおっしゃっていただいています。
 亀田さんの農薬を使わない農業の特徴は、主に2つあります。ひとつめはEM菌を使った発酵技術で、植物にアミノ酸状態の窒素を吸収させることで、光合成で作られるデンプン質の代謝に余力を持たせ、植物の免疫を高め、病気にも強く、味もおいしい作物を作っておられます。一般の有機物を使った農業では、せっかくの有機物が結果的にはアンモニア態窒素や亜硝酸態窒素のような無機窒素として吸収され、病気にも弱く、まずい作物作りになっているのです。
 ふたつめの特徴は、土壌のミネラルバランスを整えていることです。キーゼライト(古代海水のにがり成分が結晶したもの)のような資材を使ったマグネシウムの投入で、Ca:
Mg:Kの比率を5:3:1、もしくは7:5:2に整えて、やはり植物の光合成能やでんぷん質の代謝能力を高め、病気に強く、おいしい作物作りが出来ているのです。そのため、簡易土壌分析器や糖度計を用いて塩基バランスや亜硝酸塩を測定し、自ら育てた農作物の品質をチェックしています。

亀田嘉さんのゾウニダイコン〈☆☆☆〉
 ゾウニダイコンは、葉付のミニ大根です。四十日大根とも呼ばれています。雑煮に大根を入れるのは、大阪の河内周辺の習慣だそうです。大きな大根をイチョウ切りにしたのでは角が立つということで、家庭円満にかけて、ミニ大根を輪切りにして使うのだそうです。

●栽培方法
 ゾウニダイコン、ミズナ、ナス、ソラマメ、コリアンダーなど、畑作は基本的に同じ作り方です
ゾウニダイコンの畑
・種子(購入)
 ゾウニダイコンは直播きですが、苗を作る場合は、ご自身で育苗をしています。育苗には山土、カキガラ、キーゼライト、もみがら、貝化石、EMボカシを使います。
・農薬
 一切使用していません。バンカープランツ(障壁植物)の利用、畑の周囲に飼料用トウモロコシを植え、その甘味で害虫と天敵を寄せています。除草は手取りです。
・肥料
 化学肥料は一切使わず、以下の発酵有機質資材とミネラル資材を施肥しています。
・EMボカシ
  米糠……自家製、および購入(慣行栽培しているものも混じる)
  魚粉、菜種油粕、海藻類、貝化石、カキガラ(焼成)
・発酵ウズラ鶏糞
・おから堆肥…おから、おがくず、薬草搾り粕、木炭
・天然苫土、キーゼライト
 これらの資材は、異常発酵しないように表層散布しています。
・マルチ
 表土の被覆には雑草を置いています。

ナス畑のバンカープランツ
EMボカシ肥料
亀田嘉さんの米〈☆☆☆〉と〈◇〉
 米は野菜の畑を輪作している農薬不使用と、別に除草剤1回使用で作っている水田のお米とがあります。
 一般のお米は、白ボケしている玄米が多いのですが、亀田さんのお米は、形のきれいな飴色をしています。

●栽培方法
・種もみ
 5年に1回は購入していますが、後は自家採取です。種子消毒は、農薬を使っていません。再生塩を使った塩水洗と、備長炭木酢液60倍希釈液に12時間浸しています。その後、水に3日浸けた後、1〜2日乾燥しています。育苗はパレットに山土と培養土(農協より購入、化学肥料含む)を使っています。
・農薬
 一切使用していません。
・肥料
 一般には生のものを使用する農家が多いのですが、基本的には亀田さんは畑作と同じ、発酵したものを使っています。ただし、おから堆肥は使いません。
・乾燥
 はさかけで天日干しをしているため、味がのっています。


     −文責 西川栄郎−



はさかけ風景
戻る