通信販売の法規(特定商取引に関する法)に基づく表示

娘さんの病気がきっかけで、農薬を使わないみかんつくりに取り組んだ登木友子さん
カタログ“2000年2月2週”
  南に四国霊場20番札所、鶴林寺の山を望む、阿波の三峰のひとつ中津峯の南斜面にある畑は、日当たり・水はけもよくみかんの一大産地「勝浦みかん」として有名。5月、一面にみかんの真っ白い花が咲き乱れるとき、みかんの甘い香りが山々はもとより町中に漂い、なんとも幸せな気持ちにしてくれるとのこと。この香りを消費者のもとにもお届けしたいとおっしゃる登木さん。そんなみかんの産地の中にあって、今日のような農薬を使わないみかん作りに取り組まれたのは、当時中学1年生の娘さんが原因不明の病気になり、食の大切さを知ったときからでした。通っていた徳島大学病院の近くにあった自然食品店でオルター大阪(当時徳島暮らしをよくする会)の代表西川栄郎を知り、無農薬・無化学肥料での栽培を目指されたのです。S54年始めた頃は方法が全く解らず手さぐりで、本当に大変だったと回想されます。あれから20年経っても、虫や病気との闘いは今でも続いています。また除草剤を使わないため、夏の太陽が照りつける中での年3〜4回の人力での草刈りは重労働です。でも「安心して食べられ、とってもおいしいですね」と喜んで頂いたら、その苦労も吹っとぶとおっしゃる登木さんです。

登木友子さん
しあわせネットワーク・登木友子さんのみかん
●温州みかん(低農薬)
みかんの木は40年前から定植。
品種:なかては「すぎやま」、晩柑は「あおしお」。2月になると酸味がとれて甘くなる。今年のなかては天候のせいで、充分な甘味が出ていませんでしたが、晩柑の方はおいしくなっています。
作り方:農薬…年によりサビダニが多発した場合は6月下旬にダイセン、スプラサイドを通常の1/2に木酢を入れ、散布する。1995年使用、1996年無使用、1997年使用。 1998年は無使用、1999年は使用。無使用の年は商品にならない実が多少できました。冬の間にヤノネカイガラ虫の防除にマシン油(農水省のガイドラインでは農薬に数えないが、オルター大阪では農薬と数えています)。
肥料その他…3月に剪定。5〜10月頃まで草刈り、人力で3〜4回。11月中旬〜12月末収穫。その後お礼肥。肥料は「地力の素」(骨粉、油粕、木炭、キトサン、魚粕、米ヌカ)を使用。

●キウイ(無農薬)
キウイの木は25年前に定植。
作り方:春2月頃までに剪定。新芽の頃までに棚直し。5〜10月頃整枝剪定。6月に肥料。春〜秋草刈り、人力で3〜4回。夏日照りが続く時は潅水をします。使用する水は中津峰の山水。11月収穫。11月末頃お礼肥。
野菜(無農薬)
その他、にんにく、さといも、じゃがいもなども出荷していただいています。

「おいしいみかん」と「まずいみかん」の見分け方
皮と実の間に、すきまがあってすぐ指の入るようなみかんはだめです。化学肥料など肥料がききすぎて自然な甘味もなく、すかすかの味気ないみかんだということになります。いいみかんは登木さんのみかんのように、皮が実にしっかりくっついていて、むしろむきにくいくらいの方がよいのです。ちゃんとしたみかんを作ればこういう形にできあがるものです。但し、晩柑を貯蔵した場合、その温度条件によっては多少とも皮が浮くということもあります。


一般のみかんの問題点
通常のみかん栽培においては下記の通り、農薬を徹底的に使っています。昔は甘味を出すために、みかんの木に亜ヒ酸(ヒ素剤)を注射していたこともありました。(現在もちろん禁止されていますが、韓国からこっそり輸入して使っていた事件も起きています)また愛媛経済連がみばえをよくするためにみかんにワックス(発ガン性の心配あり)をかけ始め、当初高値を呼んだことから、全国化してしまい、今ではワックスがけしていないみかんはくず扱いという有り様になっています。農家には無意味なワックスがけの手間が残ってしまったのです。また晩柑、夏みかん類、スダチなどの貯蔵みかんに対しては、国内でもトップジンなど有害な農薬でのポストハーベストが一般的に行われています。しかし、こんな問題だらけの国内産みかんでもオレンジやグレープフルーツなどの輸入みかんよりはまだましです。輸入みかんはその生産、選別、貯蔵にいたるまで、OPPやTBZを始め残留性の高い農薬を何回も使用しています。その中にはアメリカ国内では使用が禁止されたEDBが日本向けにはまだ使われていたりもしています。

通常の温州みかん 農薬の使用例
3月  ダニ類…マシン油
      かいよう病・そうか病…ボルドー液
4月  そうか病…デラン(もしくはトップジンまたはベンレート)
5月  アブラムシ…エストックス
      かいよう病…クレフノン・ドイツボルドー(もしくはホクコーマイシン)
      諸花害虫・ハマキムシ…デナポン(もしくはスプラナック)
      チャノキイロアザミウマ…オルトラン
      灰色カビ病…トップジン
      ヤノネカイガラムシ…硫酸亜鉛・石灰硫黄含剤
      ハランナガカイガラムシ…同上(もしくはアプロード)
      ミカンハダニ…殺ダニ剤
      そうか病・黒点病…デラン(もしくはラビライト)
6月  エカキムシ…ミカントップ(もしくはマクリック、ノーモルト)
      カミキリムシ…トラサイド
      ヤノネカイガラムシ・黒点病…スプラサイド(もしくはエルサン、エムダイファー)
7月  ミカンハダニ・ミカンサビダニ…殺ダニ剤
      かいよう病…ドイツボルドー(もしくはホクコーマイシン)
      ツノロウムシ…スプラサイド
8月  黒点病・・・ジマンダイセン
      日焼防止…クレフノン
9月  ヤノネカイガラムシ…スプラサイド
      ミカンハダニ・黒点病…ジマンダイセン
      カメムシ・ハマキムシ…ロディー
      着色促進・腐敗防止…ベフラン、サルファーフロアブル
10月  ミカンハダニ…石灰硫黄含剤(もしくはサルファーフロアブル)
11月  腐敗防止…石灰硫黄含剤(もしくはベフラン、サルファーフロアブル)
12月  カイガラムシ・ダニ類…マシン油


   ―文責 西川栄郎―


戻る