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對馬式自然循環農法で 完全無農薬りんごができました
カタログ2012年1月3週号
安全でおいしいりんご、3年目も成功しています。

 
◆3年連続無農薬のりんごが実った
 青森県弘前市の對馬正人さんは、農薬を一切使用しないりんご作りにチャレンジしています。2009年に無農薬無化学肥料のりんご作りに成功して、すでに3回目の秋を迎えました。オルター基準で「☆」ですが、限りなく「☆☆☆」に近いりんごです。
 無農薬で栽培しているリンゴ園を囲むように、低農薬で管理している圃場(オルター基準「◆」)もありますが、周囲の慣行栽培の農家を刺激しないためにここを緩衝地帯とするという意味があります。無農薬栽培がこのままうまくいけば、圃場全体を無農薬に切替える予定です。

◆不思議な夢
 對馬さんの家は、明治時代に日本にりんごの苗が届いた時から続く、代々のりんご農家です。對馬さん自身は、公務員として青森市で働いた経験を持ち、いわゆるUターン農業者です。
 對馬さんがりんご農家に戻ってきたきっかけは、見た夢だったそうです。35歳になったころから、真冬の吹雪の中にある寂しいりんご園の夢を見るようになりました。当初、その夢を月に一度くらい見ていました。やがて毎週見るようになり、さらに、毎日見るようになり、また、りんごの香りまで夢に出てきて、8年前、38歳になったとき、三体の観音様が現れ、音楽も聞こえてくるようになったのです。そして、喜びに満ちた気持ちになったのです。
 この夢を見て、青森に戻ってりんご農家になることを決心しましたが、親はもちろん、親戚中が反対しました。りんご農家の手伝いは子どもの頃したくらいで、剪定する技術もなく、いまさら技術を覚えるには歳をとりすぎていて、無理だと言われました。

◆素人りんご農家のチャレンジ
 それでもなぜかりんご農家になる自信があって、無理やりのUターンでした。父親と一緒にりんご園に出るようになって5日目に、なんと、お父様が病に倒れられ、そのまま急死なさいました。りんご栽培は教えてもらえないままの他界でしたので、素人同然の出発となりました。剪定技術は減農薬栽培をしている農家に2年間師事しました。對馬式自然循環農法と名付けた栽培法は独学で編み出したものです。
 近所には、自然農法でりんごを栽培して有名になった木村秋則さんがいますが、あえて会うこともなく、独学を貫きました。
 對馬さんの武器は、まさに素人であったこと。へたな経験をもった農家にありがちな先入観を持たないことが幸いしました。公務員時代には自分が消費者であったことから、消費者の気持ちが分かることも力となりました。生産者と消費者の橋渡しをする心構えがあったのです。

◆おおきな果実がみのりました
 8年前からは、農薬の質をより安全なものに替えて、量も減らし、スポット的に限定して使用してきました。肥料は一切入れず、農業資材メーカーには、そんなことではりんごは収穫できないぞ、と脅かされましたが、それにもめげないでやっていると、肥料を使っている隣の農家のものより良い実がなるようになりました。そのうち、資材メーカーには、肥料を使わないでいることを周囲の農家に内緒にしておいてくれないか、と頼まれるほどになりました。
 今では、木村秋則さんのりんごよりも立派なりんごが実り、2010年には青森県特別栽培農作物の認証を第一号として取得しています。

◆成功の秘訣
 私から見て、まだ3年だけの成功なので、このまま無農薬を続けていけるのかの判断は難しく、慎重に経過を観察するべき段階だと考えています。ただ、ここまでの成功の秘訣は間違いなく、りんごの樹の間隔がゆったり広く密植にならず、風通しもよく、さらに、お父様が20年来EM菌を使っていたので微生物環境が良いことにある、と思います。完全無農薬りんご園という、でっかい夢が叶う事を期待しています。
 オルターへの紹介は、ACオルター中京を担っている星の会からです。


對馬正人さんの對馬式自然循環農法のりんご(オルター基準
■品種
ふじ、ジョナゴールド、王林、金星(中国で一つが2,000円する人気のりんご、1月4週企画予定)
オルター基準「☆」「◆」

■農薬 
全部で132aのりんご園のうち、まったく農薬を使用しない圃場(37a)と低農薬の圃場(95a)とがあります。
除草剤は一切使用しません。低農薬の圃場では、以下の農薬をスポット的に散布しています。
ダーズバンPF、スプラサイド水和剤(いずれも有機リン剤でオルターとしては使用を中止していただきたいもの)、バイアード顆粒水和剤、サイハロン水和剤、モスピラン水和剤、コロマイト乳剤、バイスロイドEW、トモノールS、ベフラン液、インダーフロアブル、スコアMZ水和剤、ユニックス水和剤、チオノックフロアブル、ストロビードライフロアブル

■肥料  
化学肥料は一切使用していません。

■栽培技術の特徴
剪定は枝を薄くする。剪定枝は、細断したり、炭にして、畑にもどす。
草を刈らない、葉をとらない、酢を散布する、バヤ(剪定後に太い幹に生える徒長枝)を切らない。


りんごジュース
※今回は企画ありませんが、今後企画する予定です。

■加工場 
對馬さんの親戚が運営する船沢りんご加工センター

■原料 
りんごはオルター基準「☆」「◆」両方とも使います。

■加熱殺菌の温度と時間 
煮沸殺菌、95〜97℃、約15分。
ビン詰後に転倒殺菌、70〜80℃の湯で約15分。

■酸化防止剤使用の有無 
完全無農薬りんごジュースでは使用しません。
減農薬りんごジュースでは、ビタミンC使用。



―文責 西川榮郎(オルター代表)―


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