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オルター栽培基準◆のぶどう
カタログ2010年7月2週号
味自慢のぶどう。
極力農薬を減らしています。


◆味自慢
 奈良県のぶどう産地・北葛城郡河合町で、山豊園の辻野隆夫さんは、ぶどうの無農薬栽培を志し、極力農薬を減らした栽培に取り組んでいます。
 圃場は夜間の気温が低い気象条件にあり、ぶどうの味がのる栽培適地です。南向きに開けたぶどう園のぶどうは味自慢です。他産地より早出しが可能なことも特徴です。

◆無農薬にチャレンジ
 農薬を少しでも減らせるよう、さまざまな工夫をしています。長枝栽培はそのひとつです。短枝だとテッポウムシの害でどうしても農薬が不可欠になるからです。ミノムシ、アメリカシロヒトリなどはもっぱら手で取るという手間をかけています。スズメなどの防鳥にはネットを張っています。カイガラムシの防虫にはJAS有機で認められている石灰イオウ合剤を使います。
 病気対策には、出荷できないぶどうの実を発酵させて作ったぶどう酢を殺菌目的で葉面散布しています。殺菌剤としてボルドー液を使っていますが、これも有機JASで認められているものです。

◆合成の殺虫剤や除草剤は使用していません
 辻野さんの畑は祖父が大正10年代に大阪の柏原から入植して開墾したもので、辻野さんは三代目です。辻野さんはバブルがはじけたことを機にUターンして、1995年に百姓になりました。以前は建築関係で微生物制御の仕事をしており、カビが専門でした。もともとご自身の体が弱かったため、薬を使うことに拒否感がありました。そのため、ぶどう栽培を始めるにあたって無農薬栽培を志し、自然農法やEM農法などいろいろな技術を学びました。前職の経験を活かし、虫や微生物や病気ともバランスをとって共存できる農業を目指しています。
 近年の異常気象もあり、ぶどうの無農薬栽培はたいへん難しくなっています。辻野さんは現在、化学合成の殺虫剤や除草剤を使わず安全性を考え、環境負荷の少ない殺菌剤2種のみというところまで成果をあげておられます。


山農園のぶどう(オルター栽培基準◆)
約0.85haのぶどう園を辻野隆夫さんの家族2人とパート5人くらいで管理しています。

■栽培品種
デラウェア、巨峰、ベニフジ、ピオーネ、ゴルビー

■栽培方法
●農薬
・I.Cボルドー(殺菌)・・・JAS有機別表農薬
・Zボルドー(殺菌)・・・JAS有機別表農薬
・石灰イオウ合剤(殺虫)・・・JAS有機別表農薬
・ホライズンドライフロアブル(殺菌)・・・使用量は通常の1/2程度
・ジベレリン(種なし処理用)
・除草は草刈りおよび黒マルチの利用。

●肥料
良菜健穂(貝化石)
・オーガニック813(フィッシュソリュブル、馬鈴薯グルテン、脱脂米糠)・・・魚体の水溶性タンパクを馬鈴薯グルテンと米糠に吸着させ、乾燥成形した有機JAS対応の粒状の窒素肥料
・ブルーマグ(水滑石、硫酸苦土)・・・天然苦土肥料。ミネラル補給が目的
・ケルプペレット(海藻アスコフィルム、ノドサム、米糠、硫酸第一鉄、硼砂、硫酸マンガン)・・・微量要素(ホウ素、マンガン鉄)を海藻に加えペレット加工したもの
・SGR(ビールカス、脱脂米糠)・・・ビール製造工程の麦芽発酵エキスを米糠に吸着、造粒した有機JAS対応の窒素肥料
・牛糞堆肥・・・松本牧場(奈良県三宅町)の厠肥に光合成細菌、酵母菌、放線菌を加え再発酵させ、完熟堆肥にして使用
・チップ堆肥・・・11月に剪定した枝を粉砕してオカラを加え、光合成細菌、放線菌、酵母菌を混ぜて1年間好気発酵して使用
・天然塩、にがり、EM菌


市販のぶどうの問題点
慣行栽培デラウェア防除暦(例)

■時期
 休眠期
■対象病害虫、使用薬剤
 カイガラムシ類、ハダニ類・・・石灰イオウ合剤
 晩腐病発生時・・・ベフラン液剤

■時期
 ジベレリン1回目処理〜開花期
■対象病害虫、使用薬剤、総使用回数
 灰色カビ病・・・ロブラール水和剤・・・3回以内
 チャノキイロアザミウマ・・・ジェイエース水溶剤(オルトラン水和剤)・・・2回以内
 ベト病発病時・・・リドミルMZ水和剤

■時期
 開花後〜ジベレリン2回目処理
■対象病害虫、使用薬剤、総使用回数
 ベト病・・・ランマンフロアブル・・・3回以内
 チャノキイロアザミウマ発生時・・・アドマイヤーフロアブル

■時期
 果粒肥大〜着色期
■対象病害虫、使用薬剤、総使用回数
 ナミハダニ・カンザワハダニ・・・コテツフロアブル・・・2回以内
 コナカイガラムシ・チャノキイロアザミウマ多発時・・・アクタラ顆粒水溶剤

■時期
 収穫後
■対象病害虫、使用薬剤
 ベト病・・・ICボルドー66D
 ブドウトラカミキリ・・・スミチオン乳剤

■時期
 10月下旬〜ハウス被覆前
■対象病害虫、使用薬剤
 ブドウトラカミキリ・・・トラサイドA乳剤またはモスピラン水溶液

その他、コナカイガラムシ類、チャノキイロアザミウマ多発の場合、アクタラ顆粒水溶剤



―文責 西川栄郎(オルター代表)―


     
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