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いまこそフッ素推進行政を止めよう
オルター通信1025号 記事
全米研究評議会がフッ素化による健康障害を認めた報告書
    (消費者リポート 第1386号より転載)


 フッ素(フッ化物)の投薬でむし歯予防ができるとする理論は、アメリカの推進勢力の受け売りでしかありません。日本のフッ素推進派は、全国の水道水にフッ素を添加することを狙っています(アメリカでは産業廃棄物六フッ化珪酸を添加)。


●19自治体中、14自治体で水道水フッ素化がとん挫
 
 2007年10月、日本口腔衛生学会での田中悦夫さん(栃木県歯科医師会)の発表では、沖縄県久米島町、栃木県西方町、群馬県下仁田町、埼玉県吉川市、京都府笠置町、香川県善通寺市、新潟県阿賀町の7地域でフッ素化実現に挑戦しているといいますが、これは針小棒大の誇大宣伝です。久米島町は02年、下仁田町は06年に住民の反対によってフッ素化を断念しています。
 これまでに19自治体でフッ素化の動きが浮上してきました。選択の余地がない水道水フッ素添加は、14の自治体で住民や議会の反対に遭い、ことごとく頓挫しました(その他の西方町、吉川市、笠置町、善通寺市、阿賀町については早急に調査が必要です。読者の皆さんからの情報をお願いいたします)。


●約50万人の子どもがフッ素洗口の対象に
 
 彼らにとって思うように実現しないフッ素化は、「水道水フッ素化への一里塚」としての集団フッ素洗口拡大へ、戦術転換を余儀なくさせました。
 厚生労働省は、日本歯科医師会と同じく、昔も今もいかがわしい官僚の巣窟です。
 03年1月、推進派の意を受けた当時の歯科保健課長(瀧口徹:04年の日歯連事件で失脚)が「フッ化物洗口ガイドライン」通知を主導して、自治体行政に洗口拡大のお墨付きを与えたのです。
 日本むし歯予防フッ素推進会議の調査(06年3月)によると、保育・幼稚園、小・中の子どもを対象にした全国の集団フッ素洗口は、約5100の施設(7.2%)で、約49万1000人(3.7%)に対して実施されています。そして同会議は、2010年までに洗口人数100万人(8%前後の実施率)と複数自治体での水道水フッ素化実現を掲げています。フッ素推進派のこの野望は、うまく進むでしょうか?


●アメリカ歯科医師会も一部危険性認める
 
 フッ素応用に反対するささやかな声は、危険性を訴え続ける全国各地の地道な活動に支えられ、推進派の目の上のタンコブであり続けています。しかし、1970年代から現在まで、フッ素応用推進派との攻防では、反対する側は長い間守勢を余儀なくされてきました。ところが、ようやく攻勢に転ずる希望がアメリカからもたらされました。
 ニューヨーク・セントローレンス大学のポール・コネット教授が主宰するフルオライド・アクション・ネットワーク(反フッ素行動ネットワーク http://www.fluoridealert.org)は、「フッ素化はアメリカで始まったことであり、アメリカで終わらせなければならない」と、1997年以後、精力的な活動を行なっています。
 アメリカのフッ素推進の流れは、市民の抵抗・異議申し立ての前に、はっきり転換を余儀なくされ始めました。政府の政策に影響力のある全米研究評議会(NRC)は06年3月、フッ素化で多くの健康障害があることを述べた報告書を出しました。報告書ではまた、水道水へのフッ素添加濃度が高すぎるので下げること、斑状歯は審美上の問題ではなく健康問題であることを述べています。
 この報告書は、フッ素推進を一貫して掲げてきたアメリカ歯科医師会(ADA)に影響を与えました。これを受け、ADAは06年11月、フッ素入り歯磨き剤は2歳未満は禁止、2歳未満のフッ素洗口は推奨しないなどとする会員向け緊急通知を出しました。この中で特に重要なのは、乳児の粉ミルクをフッ素添加水で溶いてはならないと危険性を認めたことです。
 これまでフッ素応用による副作用はないと主張してきたADAが、なぜ緊急通知を出したのでしょうか。理由は、アメリカの就学児童の32%が斑状歯に罹患し社会問題化しつつあり、いつ訴訟に発展するかわからず、責任回避のためではないかと見られています。


●WHO勧告すら無視する日本の推進派
 
 しかし、日本のフッ素推進派と厚労省は、この動きに対してはまったく沈黙し、黙殺しています。集団フッ素洗口が、相変わらず自治体行政の手で事実上強行実施されているのが、各地の現実です。
 しかし、推進する側に三つのアキレス腱があります。
 ひとつは、WHO(世界保健機関)の勧告(94年)で6歳未満のフッ素洗口は推奨しないとされたことや、今回のNRC報告書、ADAの緊急通知の内容です。
 斑状歯は、軽重を問わず歯のエナメル質を形成する酵素がフッ素で障害された結果であり、全身のフッ素中毒の早期症状なのです。フッ素は全身のあらゆる酵素にダメージを与えます。
 二つ目は、約5100の集団フッ素洗口実施施設のうち、約50%の施設で劇物のフッ化ナトリウム試薬が使われている事実です(日本むし歯予防フッ素推進会議06年3月調査)。これは明らかに有毒化学物質の集団人体実験であり、薬事法・歯科医師法等の法律違反なのです。残りの半分は、市販のフッ化物洗口剤(ミラノール、オラブリス等)で実施されています。
 三つ目は、国際ルールとして確立しているインフォームド・コンセントの無視です。日本学校歯科医会は05年、厳格なインフォームド・コンセントを求めつつ「フッ素洗口は地域の歯科医療機関に委ねてもよい」との見解を明らかにしました。
 しかし実際には、リスクを含む情報が公平に提供されておらず、集団フッ素洗口実施者への追跡(疫学)調査が皆無など、問題は山積です。
 また、それだけではありません。94年のWHO勧告が求めている定期的な監視(モニタリング)は、理論上安全だから必要ないと故意に無視されています。新潟県の多くの若者は、軽度であれ斑状歯に罹患しているでしょう。
 フッ素応用推進関係者は、人が死なない限り平然と嘘をつきつづけるのでしょうか。


●日消連ほかで日弁連に人権救済申し立て
 
 フッ素応用という巨大な詐欺をやめさせるためには、保護者と市民が嘘を見抜き告発に立ち上がることです。そのためには、消費者団体をはじめ保育士・教員が保護者の立ち上がりを援助することです。そして、保護者、地域の人々との輪を作り、推進行政と対峙することが勝利への第一歩なのです。
 日消連をはじめ8団体は07年10月23日、日弁連に「むし歯予防へのフッ素応用による人権侵害に対する救済申し立て」を行ないました。
 攻勢に転ずる時がきました。

 日本フッ素研究会会員 南雲明男
 

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