野外でのGMO作物栽培実験にオルターは反対します・・・ 『スギ花粉症予防効果ペプチド含有イネ』 |
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遺伝子組換え生物等の第一種使用規程の承認申請案件に対する 意見・情報の募集について 平成16年4月15日 発表 平成16年5月12日 締め切り 担当部局 農林水産省 消費・安全局農産安全管理課 担当 沼口、島村 TEL:03-3502-8111
上記の意見募集に関しまして、有機農業研究会が意見発表をしております。 オルターも賛同の意見発表をしました。以下はその内容です。
農水省パブリックコメントへのアクセス http://www.maff.go.jp/pub_comment.html
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遺伝子組換え生物等の第一種使用規程の承認申請案件に対する意見 |
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2004年 5月 12日 農林水産省 消費・安全局 農産安全管理課御中
すでにNPO日本有機農業研究会は貴職に以下の意見書をお伝えしたものであります。 私ども安全な食べものネットワーク『オルター』もこの意見に賛同するとともに貴職の改善努力を求めます。 以下、改めて引用し、私どもの意見としてお伝えいたします。
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遺伝子組換え生物等の第一種使用規程の承認申請案件に対する意見
貴職が4月15日付で意見募集している標記の案件のうち、とくに「5スギ花粉症予防効果ペプチド含有イネ(7Crp,Oryza sativa L.)(7Crp♯1)」および「6スギ花粉症予防効果ペプチド含有イネ(7Crp,Oryza sativa L.)(7Crp♯10)」について、次のような理由から、申請は承認できないとする意見を提出します。よろしくおとり計らうようおねがいします。
(1)この遺伝子組換え体は、導入された遺伝子カセットからみると、遺伝子組換え食品の安全性審査になじむものではなく、医薬品としての審査、さらには、遺伝子組換え医薬品としての安全性審査を受けるべき内容である。第一種使用にあたっては、本来、こうした審査を経たものであるべきであるが、この2種については、行われていない。 したがって、そもそも慎重な予防原則の考えに基づく環境影響への配慮が必要であるが、これについては、よりいっそう厳重な予防措置がなされなければならない。 (2)隔離圃場の施設について したがって、隔離圃場の施設は、慎重を期して、通常品種の栽培圃場からの距離を最低限離すべき距離として規程にある20メートルよりも広く、十分にとり、万が一、事故があっても花粉飛散、虫鳥などによる拡散による遺伝子汚染が起こりえないようにするべきである。イネについては、自殖性が高いとされているが、「空中花粉の放出がある」という指摘(加藤、生井1987)を看過するべきではなく、生井兵治氏の忠告である数十キロメートル以上離すべき(「花粉はどこまで、どのように運ばれるか」『土と健康』2002年3月号所収、日本有機農業研究会)である。 (3)隔離圃場の作業要領について イギリスの科学者メイワン・ホウ博士の指摘する遺伝子組み換え生物のもつ「水平遺伝子伝達」(注 Horizontal Gene Transfer: Hidden Hazards of Genetic Engineering, Dr.Mae-Wan Ho 邦訳日本有機農業研究会発行、遺伝子組み換え資料01所収)では、遺伝子組換え生物のもつ導入された遺伝子がその種子や子孫という縦(垂直)の伝播だけでなく、横にある生物に水平伝達される問題が指摘されている。この問題についても、慎重な対策をするべきである。 ところが、標記の案件については、一つは、栽培終了後の組換え体の処理について、土壌に鋤き込むことにとどまっている。土壌にいる微生物への伝播を考慮し、土壌は焼却処分すべきである。 また、水についても、大雨で溢れた場合には横の溝に流れるし、日常的に水は浸透することになっている。水処理について、地下にしみこまない方策、溝から流れない構造にするべきである。 また、キセニア現象があることを踏まえると、不慮の事故等で、一般農家の水田に花粉が飛散した場合、その年の新米にGMが混入する事態になるので、慎重な交雑防止措置が必要であり、申請内容では不十分である。 イネの花は、午前10時から13時頃に咲くとされているが、ただし、実際にみると、曇ったりしている日は、だらだらとずっと咲いている。また、多年生であるイネは、条件さえ整えば、ひこばえから開花し続ける。花粉も強風であれば、さらに遠くに飛ぶ。不織布等で囲うことは万全を期して慎重に行われなければならず、開花期後も必要である。 スズメ等による種子の拡散にも慎重でなければならない。対策も網をかぶせるというだけでよいのかどうか、十分に考慮すべきである。 (4)緊急措置について 万が一、他の通常品種イネとの交雑が起きるおそれがある事故等が生じた場合、そのことによる生産者農家、および流通関係者等への損害賠償責任を明記すること。さらに、日本の今の現状では、広範囲にわたるいわゆる風評被害が避けられないが、それによる損害に対しても責任のあることを明記すること。 (5)現時点で、遺伝子組み換えスギ花粉症予防効果ペプチド含有米は、スギ花粉症患者にとって、必要性、有効性についても、また、安全性上の問題についても十分な解明はなされておらず、それらが解明された後に栽培実験をすべきである。 以上のことから、標記のスギ花粉症予防効果ペプチド含有イネの第一種使用の承認は認められない。 以上
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