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舞たけ及びなめこの放射能残留結果に関する報告書  
オルター通信1262号 記事
有限会社アグリクリエイト 有機栽培あゆみの会
流通管理室 取締役部長 千葉大輔

■詳細
1.なめこの放射能検査について、平成24年10月16日の貴社検査から放射性セシウム (Cs137.Cs134 合算値) 19.6Bq/Kg(±0.4Bq/Kg) の結果(要精密検査)。

2.舞たけの放射能検査について、平成24年10月18日の貴社検査から放射性セシウム (Cs137.Cs134 合算値) 9.6Bq/Kg(±0.5Bq/Kg) の結果(要精密検査)。

■調査・原因
 検査結果を受け、早速各生産者へ内容と結果を連絡し、原因となるものを確認致しました。確約した結果をご報告差し上げることが難しい内容ですので、推測となる部分もあること、予め、何卒ご了承くださいます様、お願い申し上げます。

 まず、なめこに於いても舞たけに於いても、栽培に於いて菌種と培地の2つが必要となります。その両方がそろって栽培が可能となるのですが、その製造上の工程特性から、どちらのどの内容に原因が寄るか?を検討致しました。その結果、各きのこに於いて使用されている培地の土台となる オガクズ・チップ(以下 培地原料) が原因である可能性が非常に高く考えられます。この培地原料は全て木材を使用します。その木材は生産者の各取引先が、間伐材として仕入れてくる木材を使用します。余談ですが、木材からチップを作る際、廃材と呼ばれる類を使用することがあります。この廃材品は建物などを解体した時に出る木材をさしますが、対シロアリや対カビ等に対しての専用の薬剤を多く使用しており、非常に薬剤の残留性が懸念されます。その為、そういったものが混ざらない様に、間伐材等のいわゆるバージン材を使用し、きのこの培地原料に使用します。さて、このバージン材は森林の間伐調整の為に伐採されているのですが、当然切られる前は自然界に生きています。
 その為、昨年3・11の事件以降、各方面に飛散した放射性物質が自然界で吸収され、木々に蓄積されている可能性がございます。当然、納入業者に於いても、自社負担と自主的に検査や調査を行ったうえで販売している状況ですが、全ロット、全出荷品についてまではどうしても間に合わず、定期的な確認となっております。
 今回の事故を受けて、新たに産地取引先業者からも検査結果票を頂きましたが、結果値はN.D.(下限限界が30.0Bq/Kg)となっており、そちらの培地を使用しております。
 一度、培地の変更等のお話やご相談を頂いておりますが、実は一部問題がありなかなか変更に至らない状況になっております。それは、各きのこに於いて使用できる木材の種類が決まっているという点とコストの両面の問題があります。
 すなわち、なんでもチップであれば培地原料にできるのではなく、系統が決まっており、その種類でないと菌種が着床・発生できないという状態になってしまいます。また近隣産地を避け、遠方産地等の培地原料を手配しようとすると、現在の通常の流通価格では経営上でも無理が出てしまう点がございます。その為現在はいきなりの変更に無理が生じる為、各業者からの報告書をもとに、扱いをして問題ないかの判断をしながら栽培にあたっている状態です。

■対応
 まず、今回の結果をもとにお話をしますと、御社基準1Bq/Kg 以下のものではありませんが、国の通常基準は満たされているものとなります。当然、お約束の内容ですので同生産者のものについては、御社への納入を行わず、代替産地への切り替えなどで対応をさせて頂きます。
 尚、同産地の今後の扱いにおいては、現在検討を進めております。
 最後となってしまいましたが、この度は御社基準を超える結果となり、多大なるご迷惑をお掛け致しましたこと、深くお詫び申しあげます。大変申し訳ございません。
 また弊社及び当産地を応援してくださる皆様には大変なご心配をお掛け致しましたことに付きましても、重ねてお詫び申し上げます。大変申し訳ございません。
 弊社としても産地としても大変残念な結果ではございましたが、今回の結果を踏まえ、より弊社・産地ともに協力していける体制を考え実践してまいりますので、今後とも変わらぬご愛顧賜れます様、謹んでご愛顧申し上げます。


■オルターとしての対応 (代表)
 オルターとしてこれまで再三にわたって指摘してきましたように、きのこ類は放射性セシウムを濃縮しやすいものなので、培地用の原料木に、オルターが放射能汚染地域と指定した地域のもの(今回は栃木県産)を使うというのは考えられないことで、あゆみの会において初歩的な判断ミスがあったといわざるをえません。あゆみの会以外のきのこ生産者はすでに原木産地を精査する対応を済ませています。
 あゆみの会は、精力的に放射能精密検査をしていただいており、その結果 、2011年7月なめこや舞たけについて 1 Bq/Kg以下の検出限界でNDであることを確認していただいていました。NDである以上、取扱いは可能であるとしておりました。
 その後、原料を変更していないのに、今回の 1 Bq/Kg越えの検出となりました。オルターとしても油断していたということになります。
 今後はきのこ栽培について、汚染可能性地域の樹木を使うことは、オルターとしては認めないことといたします。
 あゆみの会に対しては、定期的な放射能測定に協力をしていただき、相当な努力も重ねていただいていることを考慮して、遡っての返金要請は行わないことといたします。会員の皆様におかれましても、3・11被災後、絶望的な中から立ち上り最善の努力を続けてこられたことをご理解いただいて、このオルターとしての判断にご協力を賜りますようお願い申し上げます。


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