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消費者との信頼関係を大切にし有機産直運動に取り組んでいます。特殊な赤土の重粘土から産出する作物は味・栄養価に優れています。
オルターではみかん、じゃがいも、玉ねぎ、人参、巨峰などでおなじみの長崎有機農業研究会((株)長有研)は、棚田百景に推奨された景勝の地、島原半島にあります。 島原半島の農業は、特殊な赤の重粘土という土壌条件に恵まれ、温暖な気候を利用した早出し出荷の秋じゃがいも・春じゃがいもは、全国的にも有名です。 長崎有機農業研究会の設立は1983年です。農薬、化学肥料を多投する農業のあり方に疑問を感じた25名の専業農家が、有機農業を目指す組織としてスタートしました。現在では生産者正会員45名、準会員18名を擁する国内でも有力な有機農業者グループとなっています。 栽培する品目ごとに組織された生産部会は、人参、ばれいしょ、玉ねぎ、ミニトマト、みかん、メロン、インゲン、かぼちゃ、小玉スイカ、大玉トマト、アスパラ、水稲、レタスの各部会があります。会長の近藤正明さんをはじめ、とにかく“生まじめ”が印象的なグループです。
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長有研代表・近藤正明さん |
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みかん部長・太田義基さん |
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全国環境保全農業推進コンクール優秀賞と長崎県知事賞を受賞 |
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オルターとの出会いは、私が1986年に主催した市民運動の洋上サミット「ばななぼうと」以来のお付き合いですが、年ごとに農業生産技術を向上され、品質的にも安心してお付き合いができるグループになられました。 2001年からは有機認証団体「AFASシステム」で認定を受け、有機農産物にも取り組まれています。その活動が認められて、2001年には第6回全国環境保全農業推進コンクール優秀賞と長崎県知事賞を受賞しています。 昨年9月8日、台風18号が長崎に上陸。島原半島への大型台風の直撃は13年ぶりでした。みかんは落果や枝折れし、育苗中のトマトは生育遅れや病気の発生が見られ、インゲンや秋にんじんもほぼ全滅して播種し直すなど、大きな被害を受けました。また温暖化のせいか、これまで見られなかった南方系の害虫も忍び寄っています。これら異常気象との闘いには、私たち消費者側の「理解」という大きな応援がこれからますます必要になるはずです。
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●五つの誓い @健全な作物を作るために土作りに努力します A有機材を1作ごとに使用します B土壌消毒材・除草剤は使用しません C無農薬(一部低農薬)を目指します D安全に自信の持てるものを出荷します
●栽培品目 人参、じゃがいも、玉ねぎ、トマト、ミニトマト、みかん、メロン、インゲン、かぼちゃ、スイカ、アスパラ、水稲、レタスなど
●栽培方法 【肥料】 有機発酵堆肥舎 堆肥…モミガラ、ワラ、野草、落ち葉に米糠、発酵菌を使って堆肥作り。 長有研製ぼかし…魚粉、菜種粕、フェザー(血粉)、米糠、ヤシ灰、グアノ、カニガラ、天恵酵素などを材料に、発酵菌を使って発酵熟成したもの。 【防除】 有機栽培、無農薬栽培、減農薬栽培に取り組んでいます。オルターでは果物を除いて、原則無農薬のものを扱っています。
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●生分解性マルチの利用(レタスなど)…除草 剤にたよらずに雑草の発生を抑える。 ●フェロモントラップ設置(レタスなど)…地域 ぐるみでトラップを設置し(1haに1個)、ヨト ウ虫オス成虫を駆除。 ●太陽熱消毒(じゃがいも、玉ねぎなど)…播種 前・植付前に、マルチや廃ビニールを張り、夏 場の日照で土中温度を50〜60℃にして土 壌殺菌する。 ●米糠散布(水稲)…雑草の生育を抑制する。 ●発酵菌(じゃがいも)…菌の拮抗作用を使ってソウカ病菌を抑える。 ●天敵の導入(トマト、ミニトマト)…マルハナバチでの交配でトマトラン使用削減。マイネ ックスで葉モグリバエを駆除。 ●土壌分析…適切な養分補給で植物を活性化し、品質向上と農薬削減を図る。 ●緑肥の導入(じゃがいも、玉ねぎ、レタス)… クロタリアを栽培し、センチュウを抑制する。 ●木酢液…虫の忌避剤として。
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●温州みかん(◇) 品種:山川3号、岩崎、宮川、興津、林、大津4号 防除:1月にマシン油(ダニ、カイガラ虫類)、5月にデラン水和剤(ソウカ病、カイヨウ病)、6月にストロビードライフロアブル(黒点病)とマシン油(カイガラ虫、ハダニ)。 一部の生産者でモスピラン水溶液(カイガラ虫)。
●秋インゲン(☆☆☆) 防除:ハスモンヨトウが多発。BT剤1〜2回散布程度。無農薬。 ●にんじん(☆☆☆) 品種:ペレターリッチ、向陽 防除:無農薬。
●じゃがいも (☆☆☆もしくは☆☆) 品種:ニシユタカ、デジマ 防除:トンネル栽培は無農薬。マルチ栽培はICボルドー1〜2回、木酢液1回。
●玉ねぎ(☆☆) 品種:貴錦、雲仙丸、浜育ち、ターボ、五月 防除:木酢液、ほとんど使用していないが、最悪の場合にZボルドー。
ー文責 西川栄郎ー
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