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無茶々園 天歩 平成21年9月 No.105より転載
昨年末に収穫を終えたみかんの樹は冬の間に力を蓄え、春には花を咲かせました。小さい実を少しずつ成長させ、この季節を迎えています。 雨で潤い太陽を浴びて順調に、さらにこれから収穫まで充実していきます。今年はどんなみかんを味わえるでしょうか。
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この夏の日照不足で、米や野菜の作柄が心配されています。四国も今年の天気は普通ではありませんでした。4月から雨の少ない状態が続き畑はカラカラの状態になっていました。時々降りはするもののまとまった雨量にはならず、なんと6月に潅水作業が始まったのです。これまでこの時期にした記憶がない潅水作業をした、そんな梅雨でした。ところが7月に入ると打って変わった曇天模様。梅雨が明けそうで明けない天気が8月まで続きました。 順序が逆になってしまいましたが、6月まではお日様にあたり7月に雨ももらい、ここまでは順調だと感じています。お盆以降の天気は日照を取り戻すように安定しており、期待できるかなと思っています。
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今年は花が多い表年。それにしても5月の開花期は花だらけでした。大げさではなく、みかん山が白く見えました。花が多くなれば実も多く生り、多く生らせてしまうと小玉になるばかりか樹勢を落としてしまい翌年は成らなくなってしまいます。 今年の重点課題は、「隔年結果の是正」です。冬の剪定、春の摘蕾、6月からの摘果(間引き)に力を入れて取り組んできました。 推進のため「摘果推進中」プレートを掲示して作業を行い、「摘果の日」を何度も設け運動として取り組みを行いました。摘果の日は、各地区で生産者が集い進捗状況の確認と情報交換、そしてお疲れ会と明日もがんばろうという反省会。また手が空けば、事務局からも「お手伝い隊」が応援に加わります。単なるお手伝いだけでなく双方の仕事が見えるコミュニケーション作りの運動でもありました。結果がでるのは来年の春です。
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隔年結果の克服とともにみかん園を若返らせる事が無茶々園の大きなテーマとなっています。みかんの樹は30年、40年と年数が経ってくると、結果量が不安定になってしまいます。 若い樹を育てるということは、同時に昔の品種から新しい良い品種に更新することにもつながります。平成16年の台風で大被害を被ってしまいましたが、それを契機に新しい品種に切り替えることができたことは大きいと思っています。昨年あたりからデコポン、せとか、清見など新しい品種も生り始めてきました。これからの無茶々園を担っていく品種になることでしよう。 若い世代はもちろんですが、私達は老農家にも改植を進めてもらいたいと思っています。植えた苗を30年育てると考えると、老農家ではとても最後までは作れないでしょう。しかし、この苗は地域を末永く支えてくれるはずです。 無茶々の里には急斜面に石を積んだ段々畑が連なっています。この畑は数百年も昔からこの地の財産として受け継がれてきたものです。積んだ人達は決してただ自分のために積み上げたのではないでしょう。この石垣が何世代もに渡って守られ、自分の子孫だけでなく地域のためになるならと積んだはずです。 それを思えば苗木を植えることくらいたやすいことに思えてきます。長年作ってきた畑が草むらになっていくのは辛いものです。自ら切り開いた畑ならなおさらでしょう。 百姓は、死ぬまで苗を植えんといかん。皆でやろうじゃないか。
(事務局 宇都宮広)
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